2017.11.01
「学校長からみなさまへ」を更新し、「本に恋する季節です!」を掲載しました。

2017年11月「本に恋する季節です!」

“Mastery for Service”

“幼子はたくましく育ち、

知恵に満ち、

神の恵みに包まれていた”

“子どもたちが支えあい、輝いた体育祭!心からの応援ありがとうございました!” 
次は音楽祭です。「心が動くと 夢が動く。」そんな音楽祭にしたいと練習に励んでいます。

〝本に恋する季節です!〟
 10月27日から11月9日(文化の日を中心にした2週間)までが、「読書週間」です。今年で71回目を迎えます。
今年の標語は「本に恋する季節です!」です。図書館や公園のベンチ、電車の中、親の膝で絵本に目を輝かせる子ども・・・。本に恋する人の姿が思い浮かびます。読書週間は、日本の国民的行事として定着し、日本は世界有数の「本を読む国民の国」になりました。今、電子メディアの発達によって、世界の情報伝達の流れは、大きく変容しようとしています。電車の中ではスマホに目を落とす人が目に付きます。しかし、情報の使い手が人間であるかぎり、その本体の人間性を育て、形づくるのに、「本」が重要な役割を果たすことに変わりはありません。
暮らしのスタイルに、人生設計のなかに、新しい感覚での「本とのつきあい方」を取り入れていくこと、それが本と恋人になることだと思います。
アンリ・ファーブルは世界的に有名な昆虫学者です。そのファーブルが、何冊もの昆虫記を書くようになったのには、あるきっかけがあったそうです。
 ある日、ファーブルが、「イソップ物語」のアリとセミの話(日本ではアリとキリギリス)を読んでいたら、本に書かれている話が本当のことと違っていたので、“これはいけない”と思いました。(セミの成虫が冬まで生きていることはまずありません)そして、ファーブルは、自分から昆虫のことを調べて本にすることにしました。こうして、自分の書いた本を世界中の人々に読んでもらおうと心に決めたことが、昆虫記を書くきっかけになったのだそうです。
 このことは、私たちに大切なことを教えてくれています。たった一冊の本でも読み方、ふれ合い方、感じ方しだいで、私たちにすばらしい力をもたらしてくれるということです。ファーブルは、「イソップ物語」を読んだことがきっかけで自分の生き方を決め、世界の大科学者になったわけですから、ファーブルにとって本との出会いは、奇跡のようなものであったと言えます。
 ファーブルが、「イソップ物語」を読んだことをきっかけにして自分の生き方を見いだしたように、初等部の子どもたちも良書と出会い、その書物から現在ある自分をより向上させる何かを見つけ出すことができたら素晴らしいと思います。
 こんな言葉があります。
それは、「1冊の本を読み終わったら、鏡を見てごらんなさい。あなたはとても美しくなっています。」です。なるほど、そうだと思います。
 子どもたちと一緒に本を読む時間をつくったり、読んだ本の話をしたり、「この本よかったよ」と勧め合ったりしてみませんか。「身近に本がある」「身近に本を読む人がいる」など、本とふれ合う環境を整えて、自ら本を読む「本に恋する子」に育ってほしいと願っています。