2020年6月 「中干し」

[  2020年6月1日   更新  ]

202006

      “Mastery for Service”
        “幼子はたくましく育ち、
         知恵に満ち、
         神の恵みに包まれていた"

         初等部の玄関から

 「中干し」という言葉があります。
5月初め頃に植えた稲が、今は青々と育っています。秋にはたわわに実った黄金の稲穂となることでしょう。
稲は、秋に立派に育つ間に「中干し」という作業が行われます。
「中干し」は、太陽がぎらぎらと輝き始める6月の間に行われるのが普通です。
「中干し」とは、田植えから稲刈りのちょうど中間あたりの頃に(中)、田んぼの水をぬき、地面をからからにすることです(干し)。
稲は、実ができるまでは、水が必要です。まして、気温がぐんぐん上がるこの時期は、水は命の源です。その大切な水を、あえてぬくのです。

 どうしてなのでしょう。稲は、水がぬかれると、自分の命を守ろうとして、水を求めて、根を地面の下へ下へと伸ばします。毛根も数を増やしていきます。
細いままではいられません。少しの水でも自分の体に取り込もうとします。こうすることによって、根は長く太くたくましくなっていきます。
「中干し」の時期が終われば再び水が入れられ、たくましくなった根から水や養分をどんどん吸い上げ、たくさんの米を実らせます。

 私自身がそうですが、人は、しんどいこと、苦しいことや嫌なこと等は、ついつい後に回したり、避けていこうとしたりしがちです。
しかし、そのことが、自分自身の成長を阻害している可能性もあります。人間の成長にも「中干し」のような経験が大切ではないでしょうか。
人生の中干しで、自分を見つめ直し、苦悶し、苦闘する時期があってもよいと思います。
それは、勉強に苦しむときかもしれない。あるいは仕事であったり、スポーツであったり、人間関係であったりするかもしれない。
新型コロナウイルスの影響からまだ抜け出すことができない今は私たちにとって、正に「中干し」の苦しい時期だといえるように思えます。
それを乗り越えることで確かな自分を世に送り出すことができると思います。
それは、まるで稲の株数を抑え、茎を太くして、芯が強く、台風の直撃もしなやかに受け、倒れない稲になり、たわわに実る稲穂を支えることと同じではないかと思います。

 子どもたちの笑顔がようやく初等部に帰ってきました。学年末から3か月に渡る家庭での生活。本当にありがとうございました。
まだまだ影響が続きますが、今後も子どもたちが心身ともに健やかに過ごせるようご協力をお願いします。

 


 5月1日、初等部保護者様(匿名を希望されています)から大量のマスクとアルコールジェルの寄贈がありました。
感謝をもって受け取らせていただきました。マスクは子どもたち全員に配布します。ファスナー付きのビニル袋に入ったものです。
アルコールジェルは校内で使用させていただきます。ご厚意、本当にありがとうございました。
なお、別の袋に入った白い布製のマスクは文部科学省から送られてきたものです。