2018年2月 「あの日を忘れない 1・17」
2018年2月 「あの日を忘れない 1・17」

“Mastery for Service”
“幼子はたくましく育ち、
知恵に満ち、
神の恵みに包まれていた
阪神淡路大震災
●発生時刻 1995年1月17日午前5時46分
●震源 淡路島北部沖明石海峡
●規模 M7.2(震度7)
●亡くなった方 6,434人
“あの日を忘れない 1・17”
あの日から毎年「もう○○年、まだ○○年」の感慨を覚え続けてきた〝朝〟です。
〝あの日、あの朝〟を保護者の皆様はどのような思いで振り返っておられるでしょうか。あの日から毎年「共に祈り、共に生きる」ことを思い、生命について考え、共に生きることを考えてきました。そして、子どもたちに生きる力を培うことを考えてきました。
23年という時間が長いのか、短いのか、それは人の歴史によって違ってきます。しかし、どのような状況であれ、今、自らの思い・願い・祈り・希望を託すことのできる人が存在するということはなんという幸せでしょうか。それらを託す大切な人が突然にいなくなってしまったという空虚感、託されるはずのものを受け取ることもできずに突然に生命を奪われた人々の口惜しい思いを考える時、今ここに生きていること、そして託せる人がここにいることの幸せをかみしめたいと思います。私は子どもたちにこんなことを託したいと思います。
★人とつながることのできる豊かな感性
家がつぶれ、たくさんの人が亡くなった、とっても悲しい出来事でした。水道もガスも暖房もない、寒くて、つらい毎日でした。でも、みんなが本当に苦しいとき、人はどうすればいいのか、人間としての在り方や生き方そして本当の優しさを、あの時みんなでわかり合ったように思います。
人と人との関係が疎遠になりがちな現代社会にあって、人と人とがつながり合うことのすばらしさを再認識させてくれたのが阪神淡路大震災だったように思います。
全国からたくさんの人々がこの被災地に来てくれました。そして、自分にできること、救援活動・ボランティア活動を展開してくれました。私たちも、互いに助け合い、自分にできることをし、また、心からの「ありがとう!」の言葉をたくさんの人に贈りました。そこには確かな人と人とのつながりがありました。今、改めて、子どもたちに託したいことの一つとして「人とつながることのできる豊かな感性」を伝えていきたい、育んでいきたいと思っています。
★希望を持ち続けるということ
今、日本の子どもたちは、自分を過小評価して、自尊感情が低い傾向があるといわれます。今生きていること、自分がここに存在していることがそれだけでどんなに尊いことかをすべての子どもにあらゆる機会を通じて実感させていきたいと思います。
そして、どんな状況にあっても、そこには必ず希望があり、そしてそれを実現させる力が〝あなた〟の中にはあるのだ、ということを伝え続けていきたいと思っています。