「蕾」

[  2016年1月26日   更新  ]

「いぬ、にげる、さる」

昔の人はよく言ったものです。

一月は「往(い)ぬ」、二月は「逃げる」、三月は「去る」。

一月八日から始まった睦月(むつき)もあっという間に過ぎ去り、6年生の初等部での生活は30数日になりました。

今年も通学路脇からでしょうか。臘梅(ロウバイ)の馥郁(ふくいく)とした香りが漂ってきます。
3年前、初等部に植樹してもらった赤ちゃん臘梅(クロバナロウバイ)は、寒風の中、子どもたちの元気さに負けんとばかりに蕾をふくらませ始めました。

暖房の生活になれた身にとっては、まとうもの一枚もなく、冬の真ん中に立つ木々の見事さに心が向かいます。凜とした冬、私達も少し愉しんでみることにしましょう。




======== 冬は鍋もの ========

「春は芽のもの 夏は葉 秋は実を食べ 冬は根」

野菜に関して古くから伝えられる言葉です。旬のものは、なぜあれほどまでに美味しいのでしょう。おいしいだけでなく滋養になるといいます。含まれるビタミンやミネラルは、5~6倍の違いがあるそうです。
冬の味覚「りんご」には、

 “An apple a day keeps the doctor away" (1日1個のりんごは医者を遠ざける)

という諺があります。ぺクチン、カリウム、ポリフェノール、クエン酸。
現代人は成分効果を知ると、なるほどとうなずきます。
また、夏の葉は体を冷やし、冬の根は体温を高める効果があるとのこと。自然の摂理とはいえ、野菜が人の体に合ったように実るのが不思議です。

産婦人科医の昇(のぼり)幹夫氏は、清少納言の枕草子を用いて、

「春は揚げもの夏は酢のもの 秋はくだもの 冬は鍋もの」

と書いておられます。知ってすぐ、このフレーズを人に話さずにはおれませんでした。先生は『日本笑い学会』の副会長でもあり、「食」に「笑い」を加えた効用は群を抜いていると説いておられます。

体の中に入れたものは、内に溜め込まず外へ出す。「笑い」も外へ向けての発散です。

これからは、「ふきのとう」や「たらの芽」が旬を迎えます。子どもたちの味蕾に、ちょっと苦味のあるおいしさを届けてやりましょう。