「送られる者、送る者」

[  2013年3月1日   更新  ]

「送られる者、送る者」

この教室で学ぶのもあと少し。


弥生(やよい)三月を迎えました。

風はいまだ冷たくとも、陽の光に春の息吹きを感じます。
通学を励まし続けた冬花はいつの間にか役目を終え、浅き春にバトンを渡したのでしょう。

『開を貴しとせず 蕾を貴しとす』

「百花の魁(さきがけ)」と呼ばれる梅は、春一番の華やかさを独り占めするために咲くのではなく、これから咲き来る花々を導くための開きです。  

六年生は、残すところ11日の登校となりました。彼らも昨年の今頃は、卒業生を送り出す準備に精を出し、最高学年への助走をはじめていたことでしょう。

送られる者、送る者。立場を変え、さまざまな想いが交差する季節です。








===========『 色褪(あ)せぬもの 』===========

学校は、パイロット訓練の着陸と離陸を同時に行う「タッチ・アンド・ゴー」よろしく、一年の中で最も慌ただしい時を迎えます。大人も子どもたち同様に、別れを迎えます。今年もさまざまな方々の卒業を予定をしています。

そのうちのお一人は、事務室の「粕谷(かすたに)実千代」さんです。
関西学院大学を卒業後、時計台のある大学図書館に勤務、その後総務課、秘書室、宗教センター、そして結びが事務長補佐としての初等部となりました。4年前の着任時、朝の電話の多さにまず驚かれたのが、今は良き想い出だそうです。

もうお一人は、学院本部施設課技能士の「田中健二」さんです。
37年間施設課一筋。最も印象深かったのが、植栽責任者として初等部キャンパスの造園設計から施工までに携われたこととおっしゃいます。

二人に共通することは、段取りの見事さと実務の丁寧さに加え、本来の職務以上のことを、いともあたりまえかのようにやり遂げられること。
休日も人知れず力をいただいたことが幾度あったことでしょう。華やかなファインプレーは人々に強烈に映りますが、こうした形で残る仕事こそが初等部を創ってきたのです。

励まし支えていただいた幼き子ども達、小さき植木達は、これからもずっとお二人の家族です。