関西学院

国連情報技術サービス(UNITeS)・学生ボランティア派遣
05年度秋学期活動日誌

関西学院大学は国連ボランティア計画(UNV)との協定にもとづき、学生をボランティアとして開発途上国に派遣しています。学生は4〜5カ月間にわたり赴任し、情報通信技術の面から途上国の開発を支援します(詳しくはこちらをご覧ください)。
05年度秋学期は9人の学生を派遣しています。

■モンゴル
 ○川田美樹さん(総合政策学部4年生)、筒井利行さん(経済学部4年生)
  IT振興を目的とするNGOのMIDAS(ウランバートル)で活動
 ○平塚健太さん(総合政策学部2年生)
  IT面での日蒙の協力・交流を目指すNGO、JMITA(ウランバートル)で活動
 ○山本茉亜咲さん(総合政策学部4年生)
  南ゴビ地域のITセンターで活動

■ネパール
 ○炬口(たけのくち)卓哉さん(総合政策学部4年生)
  カトマンズ・トレーニング・センター(職業訓練施設)で活動

■フィリピン
 ○井口(いのくち)昌哉さん(総合政策学部4年生)
  マニラ郊外にある農業関連の研究所で活動
 ○菅原望さん(文学部4年生)
  マニラ郊外のNPOで活動
 ○山崎優美子さん(総合政策学部4年生)、宮本千華子さん(同3年生)
  マニラのフィリピン華商青年連合会で活動

この日誌では、現地からの報告を随時掲載します!


UNVのNewsletterに掲載されました(モンゴルからの便り13) (2006/5/6 広報室)
UNVモンゴル事務所が発行しているニューズレターに、関西学院大学から派遣したUNITeSボランティアの活動紹介が掲載されました。こちら(PDF)からご覧いただけます。

UNITeS4期生は全員無事任期を終え、06年3月末日までに帰国しました。
みなさまのご支援、本当にありがとうございました。
現在5期生が派遣に向けて研修中です。今後ともご支援のほど、よろしくお願い申しあげます。

人の繋がりがあってこそ、できる(モンゴルからの便り12) (2006/3/31 平塚健太 総合政策学部2年生)
写真 写真右の彼はB.Bilegsaikhan(20) 、通称Bennyという学生で、今回のLinux翻訳のリーダーを担当してくれました。
実は今回の翻訳、リーダーは彼一人という過酷な状況で、学生達、企業などが持ってきた翻訳を、彼一人で整合性を保つためのチェックを行っていました。約5000文字もの大量の翻訳を任せていました。また、Linuxのモンゴル語インストールマニュアルも彼が作成し、今回のプロジェクトにおけるモンゴル語の部分は全て彼の手が加わっています。
英語、モンゴル語、韓国語、ロシア語を華麗に操り、てきぱきと仕事をこなし、恐らく私の仕事量をはるかに超える仕事をしながら、自分の大学の勉強もする。まさにプロフェッショナルでした。今回の任務は彼がいなければ、確実
に終えることはできなかったでしょう。

このような体験で理解したのは、たとえコンピュータ上での仕事が大半を占めているとしても、このように人との繋がり、協力があってこそ、プロジェクトはできるものだということです。
人とのネットワーク。これがやはりどの分野の仕事であっても、最重要になってくる。それを体感することができました。

今後UNITeS生に派遣される方々に伝えたいのは、行って初めて分かることがあるということ。研修でいろいろと学んでいるとは思いますが、最終的には行って始めて理解できます。
そういった「経験」を大量に獲得して、帰ってきて欲しいと思います。

任務を終えて(モンゴルからの便り11) (2006/3/29 川田美樹 総合政策学部06年3月卒業)
写真 モンゴルでの生活・仕事を終え半月が経ちますが、モンゴルの日々が時々とても恋しくなります。
−20度の世界で片道30分の通勤、お湯の出なかった日々など生活面での苦労もありました。オフィスでは、どうやって仕事を進めればいいか、人を探していけばいいか、などの不安もありました。ただ、MIDASのスタッフ、ホストファミリーやUN、現地日本人・モンゴル人、様々な人のおかげで、苦労や不安は、全部、貴重な経験に変わっていったと思います。大変だと感じても、一人で悩むというより、周りの人に相談したり、アドバイスをもらったり、温かい人々に囲まれていました。

ユニテスのプログラムで派遣されましたが、自分自身はICTに関し技術的なことは大した能力をもっていませんでした。そのため派遣前から、自分が出来ることより学ぶことのほうが大きいだろうと予想していましたが、任務を終え、やはり学んだことのほうが遥かに大きいと感じています。モンゴルでは、人を巻き込むことの難しさ、コミュニケーションの大切さ、自分がベストと思うことが必ずしも現地の人にとってベストではないこと、など、言葉では簡単なことですが、実践を通し学んだように思います。
これからは、そうしたことを、仕事などにおいて反映できればと思います。また、それと同時に、お世話になった人々、モンゴルにほんの少しでも、恩返しになるようなことが出来ればとも思います。機会があればモンゴルのIT産業のことなど、知り合いに話したり(日本とビジネス関係を築きたいIT企業がモンゴルには多くあります)、日本に興味のある人に情報を伝えたりしていきたいです。
勤務最終日に、MIDASの上司から「日本に帰り、会社で働いてても、モンゴルと関係をもてる機会があればいいね」というようなことを言われたことがとても印象的です。ユニテスのプログラムは、4ヶ月で終わりですが、このユニテスを通じ出会った人々とは、これからもずっと繋がっていたいと思います。

写真は、通勤途中のスフバートル広場です。何気ない風景なのですが、毎日歩く道で、最もモンゴルを感じる場所で、気に入っていました。見るとモンゴルの厳しさを思い出します。

ボランティアとは(ネパールからの便り4) (2006/3/28 炬口卓哉 総合政策学部06年3月卒業)
なんとか4ヵ月半の任期を終えて3月9日に無事帰国することができました。
これは、支えてくれた友人や家族、大学の先生や職員の方々、そして何よりも現地の国連ボランティアや派遣先機関のスタッフのおかげです。

この4ヵ月半のボランティアを通して私は本当に多くのことを学ばせてもらいました。日本とは違う人間の基本を考え直すチャンスをくれたネパールでの生活、途上国におけるITについて、そして何より自分とは違う人とのコミュニケーション。本当に普通には得がたい経験の中から、大きな学びを得られたと思い、感謝しています。
その中でも一番強く感じたことは、何をするにも力が必要だということです。自分のためにすることならまだしも、人のために何かをするには力がなくてはならないということを痛感しました。
ボランティアと言えば、善意によって行われる無償の行為であり、また善意から来る無償の行為だから高いレベルは求められない、というイメージを思い浮かべる人もいます。しかし、このUNITeSボランティアで私が学んだことは、善意を押し付けるのではなく本当に相手にとって役立てたいと思うなら、自分自身に力をつけ、その力の使い方を考える必要があるということです。自分が思うようにボランティアをするのではなく、相手が必要なものはなにか、本当に相手にとってためになるのはどんな支援かということを考えながら働くことの意義を強く感じました。

ボランティアというよりも圧倒的に学ばせてもらうことが多かったこの4ヵ月半ですが、本当によかったです。みなさまありがとうございました。

UNITeSボランティアとしての3カ月(フィリピンからの便り10) (2006/3/27 菅原望 文学部4年生)
写真 クリスマス、ニューイヤー、バレンタインと各月のイベントにのせて常夏の国フィリピンでの3ヶ月の任期はあっという間に終わりました。ついこの前までいた場所のことが今は不思議なくらい懐かしく感じられます。

3ヶ月間、私は何をすべきなのか常にもがいていたように思います。自分がフィリピンへ来た意義を見出せず、自分の力なさに落ち込むこともありました。しかし厳しくも優しい先生方の厚いサポート、よき相談相手になってくれたモンゴル・ネパール・フィリピンの同期UNITeS生、エールを送り続けたくれた友人・家族が支えてくれました。
学生でありながら国連の名の下で働くという、UNITeSボランティアでなければできなかったであろう貴重な経験を責任ある立場でさせてもらい、その機会を得られたことに感謝の思いでいっぱいです。今回感じた自分の限界を、これから社会人として克服し、真のプロフェッショナルとして途上国の発展に寄与できる資質を磨いていけたらと思います。

フィリピンの温暖な気候、豊富なフルーツ、おいしい食事、誰にでもオープンな人柄、ルーズな時間感覚、バス車内の爆音のBGM・・・今では全て愛しいですが、渋滞のひどいマニラでの3ヶ月間で身についた、車が途切れると、信号・道路幅関係なく横断する癖は直さなくてはと思っています。

写真は帰国前に現地でお世話になった人を招待してフィリピンへの派遣生4人で日本食パーティーを開いたときのものです。所属していたNGO関係者とだけでなく、たくさんの素敵な出会いがありました。

「モンゴルはどうだった?」(モンゴルからの便り10) (2006/3/23 筒井利行 経済学部06年3月卒業)
写真 日本に帰国し、「モンゴルはどうだった?」とよく尋ねられます。一言で答えられる質問ではないのですが、とりあえずその場では「良かった」と答えています。ですが、具体的にどこが良かったのかと言うと、なかなか思いつきません。モンゴルという国を振り返ってみると、マイナス30℃という気温、毎食事に出される肉、交通マナーの悪さ、スリの危険、タクシーのぼったくり、辛かった思い出の方が多いのです。ですが、このUNITeSの活動に参加して、後悔は全くしていません。むしろ日本に帰国し、何か物足りなさを感じたのも事実です。
現地のNGOで現地の方と一緒に仕事をしていく中で、彼らの「モンゴルをもっと発展させよう」「自分の力で何か変えよう」という熱い思いがひしひしと伝わってきました。朝から晩まで様々な会議に出席する上司、たった2人でコンピュータ雑誌を発行する同僚、仕事を2つ掛け持ちしつつ日本語コース無欠席の受講生、19歳でネットワークエンジニアとして活躍する学生、モンゴル人のバイタリティには驚きました。同時に「自分も負けてられないな」と感じ、必死で仕事に打ち込みました。
今、日本とモンゴルを見比べてみて、もちろん日本の方が発展しているのですが、モンゴルには目に見えない力強さ、パワーがあったように感じます。それは、発展途上の国だからこそ見られるものなのかもしれません。その力強さ、活気に触れ、自分にも意欲がわいてきたのは確かです。これから、社会に出て行く身として、モンゴルでの生活が刺激になったことは言うまでもありません。

写真は、MIDASのスタッフとのオフィスパーティです。
左から、バイラックさん、サナさん、私、エンヘさん、川田さん、アルーナさんです。

盛んな大学生のボランティア活動(フィリピンからの便り9) (2006/3/3 菅原望 文学部4年生)
写真 2月に、移民が集まって暮らす村で子どもたちにゲームや物語の読み聞かせ等を行い、またチャリティーコンサートで得た収益金で学習用具をプレゼントするというプログラムに参加しました。
UNVとあるパートナーNGOの共催で行われたこのプログラムは、ボランティアによって運営されており、たくさんの大学生ボランティアに出会いました。大学で専攻している分野は様々でしたが、ボランティア活動と肩肘張ったものではなく、みなコミュニティーの人々、子どもとの交流を楽しんでいました。
写真はそのプログラムの日に撮ったものです。

また偶然にもこの日、参加していたボランティアの中に誕生日を迎えた人がいました。
フィリピンでは誕生日を迎えた人が友人を招いて食事をご馳走するという風習があるそうです。かなり気が引けましたが、この日初めて出会った、しかも年下の彼からピザをご馳走になりました。15人程度の人数がいましたが、みな遠慮なくデザートまで注文しており、日本とは変わった祝い方に触れました。

早いものでもう3ヶ月が経ち、帰国も目前です。いかに仕事を締めるかとなりました。こちらで出会った人にどんな形でお礼ができるだろうと考えています。

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