オープンセミナー(公開講座)

2024年度 前期オープンセミナー ≪受講料無料≫

前期オープンセミナー

関西学院大学のオープンセミナーは、広く学外の一般市民の皆様を対象として、毎年春と秋に実施されている無料公開講座です。この歴史あるセミナーは、全国の大学の公開講座の中でも古くから開講しており、1970年にまでさかのぼります。大学の開放的な視点から、広く市民の皆様を迎え入れ、共に学ぶことを目的として、生涯学習プログラムの先駆けとしてスタートしました。
現在は、前期と後期ごとに「西宮上ケ原キャンパス講座」と「神戸三田キャンパス講座」として開催されており、多くの市民の方々にご参加いただいています。2024年度も昨年度に引き続き、全面対面講座として開催されます。ひとつのシリーズにつき3回の講座(テーマ)が実施されます。テーマについてご理解をより深めていただくため、原則3回ともご参加いただくことを推奨しております。
今年度は、締切日を設けずに定員が許す限り申し込みを受け付けています。空席がある場合は、開催日の3日前までにお申し込みください。ただし、定員に達した場合は締め切らせていただきますので、ご了承ください。
※チラシはクリックすると拡大します。

 

 西宮上ケ原キャンパス講座 [西宮市・宝塚市教育委員会 後援]

Ⅰ. シリーズ名:乳幼児の発達心理と保育・子育て支援
 □定員400名 ※定員になり次第締め切ります(先着順)

開催日時

テーマ・講師

場所
5月25日(土)
10:00~12:00

乳幼児の心の発達の不思議を読み解く
〇講師:橋本 祐子(教育学部教授)

関西学院大学
西宮上ケ原キャンパス
[B号館(予定)]
6月8日(土)
10:00~12:00

ヒトの育ちの特殊性と笑いの発達ーチンパンジーとの比較からー
〇講師:松阪 崇久(教育学部准教授)

6月22日(土)
10:00~12:00
スウェーデンの保育と子育て支援
〇講師:吉次 豊見(教育学部助教)
※講義概要・講師プロフィールの詳細はクリックしてください。
〇 橋本 祐子  講師(乳幼児の心の発達の不思議を読み解く)                                    ■講義概要・プロフィール■

○講義概要
 私たちは身近にいる子どもの「心」をどれぐらい理解できているでしょうか。発達心理学では、言葉でのコミュニケーションがまだ十分でない赤ちゃんや幼児の心の不思議を読み解くために、それぞれの時期の発達的特徴と変化を科学的に探究しています。乳幼児期の子どもは未熟でできないことばかりだと思われがちですが、人との関わりの中で驚くべき能力を発揮しています。本講義では、乳幼児の心を解明する発達研究における独創的な研究方法を紹介しながら、善悪やフェアネス(公平性)を判断する道徳性の発達を中心にお話しします。自分の行動の善し悪しや、公平な資源・報酬の分け方について、子どもの理解がどのように発達するのか、他者の行為の善悪を評価する原初的な道徳的感受性が乳児期から見られるという最近の知見も含めて説明します。また、乳幼児の心を理解することが専門性の一つである幼児教育・保育の実践に発達心理学の研究がどうつながるのかについても解説します。

○参考文献
・長谷川真里(2018)『子どもは善悪をどのように理解するのか?:道徳性発達の探究』ちとせプレス
 

○橋本 祐子(はしもと ゆうこ)
関西学院大学教育学部教授。
専門は発達心理学、幼児教育。ヒューストン大学大学院に留学後、ノーザンアイオワ大学博士課程を修了し、博士(教育学)を取得。聖和大学教育学部准教授を経て、2009年より関西学院大学教育学部准教授、2013年より現職。

〇 松阪 崇久  講師(ヒトの育ちの特殊性と笑いの発達 ーチンパンジーとの比較からー)     ■講義概要・プロフィール■   

○講義概要
 子育て家庭を取り巻く環境が大きく変化してきていることに伴って、育児におけるさまざまな困難や悩みも大きくなっています。このセミナーでは、ヒトの子どもの育ちにはどのような特徴があるのか、ヒトにもっとも近い動物であるチンパンジーとの比較から考えます。また、ヒトの育ちの中で「笑い」がもつ意味にも注目します。生物としてのヒトの特殊性を確認することを通して、現代の日本社会における育児の課題や保育・子育て支援について考えたいと思います。

○参考文献
・松阪崇久「笑いの起源と進化」心理学評論51巻3号431-446ページ(2008年)
・松阪崇久「新生児・乳児の笑いの発達と進化」笑い学研究20号17-31ページ(2013年)
・松阪崇久「ショーやテレビに出演するチンパンジー・パンくんの笑いと負の感情表出」笑い学研究25号90-106ページ(2018年)
・松阪崇久「第9章 ヒトの子どもはなぜ遊ぶ?:遊びの進化と大人の役割」『ワークで学ぶ発達と教育の心理学』129-144ページ(竹尾和子・井藤元 編)ナカニシヤ出版(2020年)
・松阪崇久「笑う」『進化でわかる人間行動の事典』247-253ページ(小田亮・橋彌和秀・大坪庸介・平石界 編)朝倉書店(2021年)

〇松阪 崇久(まつさか たかひさ)
関西学院大学教育学部准教授。
京都大学大学院理学研究科修了。博士(理学)。専門は霊長類学、発達心理学、保育学。タンザニアの野生チンパンジーの観察を基に、ヒトとチンパンジーの乳幼児の行動の比較研究をおこなっている。(財)日本モンキーセンター・特別研究員、京都大学霊長類研究所・非常勤研究員、関西大学人間健康学部・助教などを経て、2021年4月より現職。日本笑い学会副会長。IPA(子どもの遊ぶ権利のための国際協会)日本支部副代表。

〇 吉次 豊見  講師(スウェーデンの保育と子育て支援)                                                 ■講義概要・プロフィール■

○講義概要
 SDGs達成度ランキングで上位に位置するスウェーデンは、男女平等の子育て支援先進国としても注目される国の一つです。そしてスウェーデンの保育施設はförskolaという名称で幼稚園・保育所の機能が一体化され、その管轄も教育省に統一されています。それは保育を必要とする子どもと子育て中の保護者への福祉的支援だけではなく、全ての子どもに等しく就学前教育を担保する教育的役割も担っているためです。 子どもの人権尊重・民主主義という理念が浸透しているスウェーデンの保育システム、そして子育て支援の実践から、「子どもが主体として育つ場」とはどのようなものか、ぜひ考えていきましょう。

○参考文献
•吉次豊見(2020) スウェーデンの就学前学校förskolaにおけるinskolningとは : 「慣らし保育」という概念からの転換,保育学研究58巻2号.pp339-350
•久山葉子 (2019) 『スウェーデンの保育園に待機児童はいない 移住して分かった子育てに優しい社会の暮らし』 東京創元社
•白石淑江・水野恵子(2013)『スウェーデン 保育の今―テーマ活動とドキュメンテーション』 かもがわ出版

〇吉次 豊見(よしつぐ とよみ)
関西学院大学 教育学部助教。
修士(学校教育学)。専門は保育学、発達心理学。
大学卒業後、公立幼稚園教諭として勤務。湊川短期大学、大阪成蹊大学准教授を経て2022年4月より現職。子どもの主体としての心の形成に関する研究と、スウェーデンの保育・子育て支援の研究を行っている。


 ※定員になり次第、受付を終了いたします(先着順)。
 ※申込画面の「受講にあたって」をご一読のうえ、申込専用ページよりお申込みください。

▶注意事項
 ・社会状況に鑑み、定員の増減や、急遽、講座を中止・休講とすることがあります。

<ご案内>
西宮上ケ原キャンパスへのアクセス
住所:西宮市上ケ原一番町1-155

電車の場合:阪急神戸線「西宮北口駅」で今津線に乗り換え「甲東園駅」下車、徒歩12分またはバス5分。
                              「仁川駅」下車、徒歩12分。

 神戸三田キャンパス講座 [三田市 共催] 

Ⅱ. シリーズ名:シン・宇宙を観る 
 □定員180名 ※定員になり次第締め切ります(先着順)

開催日時

テーマ・講師

場所
6月1日(土)
10:30~12:30

電波で観る星々の誕生 
〇講師:瀬田 益道(理学部教授)                      

三田キッピ―モール6F
三田市まちづくり協働センター
多目的ホール

6月29日(土)
10:30~12:30

赤外線で探る星々の起源                                     
〇講師:松浦 周二(理学部教授)

7月13日(土)
10:30~12:30
X線で観る星々の終焉 
〇講師:平賀 純子(理学部教授)
※講義概要・講師プロフィールの詳細はクリックしてください。
〇 瀬田 益道  講師(電波で観る星々の誕生)                                           ■講義概要・プロフィール■

○講義概要
 夜空を眺めると星と星の間は真っ暗ですが、星と星の間には星間物質があります。星間物質はガスとダストから成り、可視光では見えませんが、電波では明るく輝いています。星間物質の中でも、比較的密度が高く低温な領域は分子雲と呼ばれています。星は永遠に輝き続けているわけではなく、星はいまでも生まれており重さに応じた死を迎えます。重い星は最期に超新星爆発を起こし、とても明るく輝きます。分子雲は星が生まれる場所です。分子雲から星が生まれる過程と、誕生した星が周りの星間物質に及ぼす影響を解説します。

○参考文献
 ・宇宙科学入門、尾崎洋二、東京大学出版会

○瀬田 益道(せた ますみち)
関西学院大学 理学部 物理・宇宙学科 教授
東京大学大学院理学系研究科博士課程修了 博士(理学)。ケルン大学、郵政省通信総合研究所、筑波大学を経て、2015年より現職。星間物質の構造と進化の観測的研究と、南極に電波天文台を開設する研究を推進している。

〇 松浦 周二  講師(赤外線で探る星々の起源)                                           ■講義概要・プロフィール■

○講義概要
 宇宙はビッグバンという大爆発ではじまり、その勢いのまま現在も膨張を続けていると考えられています。宇宙で最初に誕生した星やブラックホールが発した紫外線や可視光は宇宙が膨張するにつれて波長が長くなり、現在の地球に届くときには目では見えない赤外線になります。そのような宇宙初期の天体は個別には暗すぎて捉えることが難しいため、私たちはそれらをまとめて天空に広がる「宇宙背景放射」として観測することを試みています。微弱な赤外線を捉えるにはロケットで大気圏外へ出たりマイナス200℃近くまで冷却した特別な望遠鏡を作る必要があります。このような技術課題に対し学生さんたちと格闘しながら行なってきた宇宙背景放射の研究成果や将来計画を含め、赤外線による宇宙観測の世界を紹介します。

○参考文献
・宇宙物理学ハンドブック 2章 2.8.10「可視赤外背景放射(松浦周二)」高原文郎ほか 編,朝倉書店 2019年
・パリティ 2010年5月号 Vol.25, No.5, 特集「あかり」衛星による最新成果 松浦周二,中川貴雄 編
・天文月報 2019年5月号 Vol.112, No.5, EUREKA「究極の天文観測の実現を目指す惑星間宇宙望遠鏡」津村耕司,松浦周二
・月と窓 「惑星探査機に積んだ望遠鏡で宇宙の歴史に迫る(松浦周二)」関西学院 編著 2023年


〇松浦 周二(まつうら しゅうじ)
関西学院大学理学部教授
名古屋大学大学院にて博士(理学)学位取得後、文部省宇宙科学研究所、郵政省通信総合研究所、カリフォルニア工科大学を経たのち、JAXA宇宙科学研究所にて15年間勤務し、赤外線天文衛星「あかり」、小惑星探査機「はやぶさ2」、ソーラー電力セイル探査機などの宇宙観測・探査計画に従事しました。現職に着任した後は、NASAの観測ロケット実験、JAXAの小型衛星や探査機により可視光や赤外線の宇宙背景放射を観測し宇宙初期を探るプロジェクトのほか、神戸三田キャンパスⅧ号館屋上望遠鏡による天体観測や機器開発など、学生さんたちが主役になれる小さな計画を精力的に進めています。
 

〇 平賀 純子  講師(X線で観る星々の終焉)                                                  ■講義概要・プロフィール■

○講義概要
 宇宙のどこかで生まれた星は、やがてその一生を終えるときを迎えます。このとき質量が大きい星は大爆発を起こします。超新星爆発と言われ、急に明るい天体が出現するため特異な天体現象として古くから知られていました。爆発によって、星の内部で創られてきた様々な元素がようやく宇宙空間にばら撒かれ、次の世代の星の材料を提供します。超新星の閃光は間もなく暗く観えなくなりますが、宇宙空間に広がっていく様子は数千年にわたってX線で明るく輝きます。これを超新星残骸といいます。星の死が残した痕跡から、私たち人間や地球を作り上げた様々な元素の起源を探っていきましょう。また、宇宙から降り注ぐ目には見えないX線をどうやったら観測できるのかについても考えてみましょう。

○参考文献
・シリーズ現代の天文学17 宇宙の観測3(日本評論社)
・シリーズ現代の天文学3 恒星(日本評論社)

〇平賀 純子(ひらが じゅんこ)
関西学院大学 理学部 物理・宇宙学科教授
専門はX線天文学。超新星残骸のX線観測や宇宙機搭載用X線センサーの開発研究に従事。


 ※定員になり次第、受付を終了いたします(先着順)。
 ※申込画面の「受講にあたって」をご一読のうえ、申込専用ページよりお申込みください。

▶注意事項
 ・社会状況に鑑み、定員の増減や、急遽、講座を中止・休講とすることがあります。

<ご案内>
三田KIPPY MALL(キッピ―モール)へのアクセス
*住所:三田市駅前町2番1号

*電車の場合:JR福知山線「三田駅」または神戸電鉄三田線・公園都市線「三田駅」徒歩1分
*車の場合:中国自動車道・六甲北有料道路神戸三田ICより約10分

過去のオープンセミナー

以下より過去に実施されたオープンセミナーをご確認いただけます。

お問い合わせ

教務機構事務部 生涯学習担当
西宮上ケ原キャンパス(G号館1階)
〒662-8501 兵庫県西宮市上ケ原一番町1-155
TEL: 0798-54-6180