森 久美子教授(1)

[ 編集者:社会学部・社会学研究科 2016年10月19日 更新  ]

実験社会心理学との出会い

社会心理学との出会いはどのようなものでしたか?

高校の時に臨床心理学に興味を持ち、心理学が学べる学部に入りました。しかし、実際に授業を受けてみたところ、臨床的なものの見方があまり自分に合っているように感じられませんでした。
そんな時に社会学の授業に出会いました。私の出身学部では心理学・社会学・教育学等の領域を扱っており、1年次に一通り概論の授業を受けます。その中で受けた社会学の授業が面白く、社会という大きなものを、内側から、外側から、と視点を切り替えながら眺めるという作業が、知的で、かっこいいなと感じました。もともと心理学を学びたかったことと、社会学も面白いなと感じたことで、心理学と社会学に関連する授業を多く履修するようになりました。そして、所属するゼミを選ぶ際に社会学系に進むか、社会心理学系に進むか、迷いましたが、最終的には社会心理学のゼミに進むことにしました。
 

その後、研究の道に進むことになった経緯を教えてください。

もともと、自分が会社で働いているというイメージがあまり持てなくて、大学院進学など、何らかの形で大学に残りたいという気持ちがありました。
ゼミの教授は社会システム論や日本文化論がご専門で、比較的、社会学に近い社会心理学を研究している方でした。自分もそういった理論的なことを中心に研究するつもりでいましたが、最終的には実験を行うような研究をすることになりました。
 

今の研究に至るきっかけはあったのでしょうか。

大学3年生の秋に、大学院生の方が行う実験に参加する機会がありました。一緒に参加した同級生は口々に楽しかったと言っていたのですが、私は何が面白いのかさっぱりわかりませんでした。なぜかというと、実験の狙いを知らなかったので、こんな実験をして何の意味があるのかわからないという思いがあったからです。助手の先生の所へ行く用事があった際に、その疑問を投げかけてみると、実験の意味や意図、背景を色々と教えてくれました。
一見したところとても単純で、人工的で、不自然な実験に見えましたが、それが実は個人と社会システムの関係を切り取ったモデルの検証なのだということを知り、面白いな、自分でもやってみたいと思い、実験社会心理学の研究をすることにしました。
 


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