大岡 栄美 准教授(1)

[ 編集者:社会学部・社会学研究科      2015年5月7日   更新 ]

留学で出会った異文化社会

社会学との出会いはどのようなものでしたか?

大岡准教授1

大学2年生の夏休み、留学先のカナダで受けたカルチャーショックが多文化社会に興味をもつきっかけでした。
その頃アメリカでは人種・民族間で対立が激しく、ロサンゼルス暴動のように白人と黒人が衝突するといった事件がおこっていましたが、留学先のカナダでは、多数の移民を受け入れながらも民族同士が大きなトラブルなく生活していました。
カナダとアメリカでは何が違うのだろう、国境を接した2つの国でなぜ違うのだろう?
もう少し具体的にいうと、社会の人々がその属する社会の常識や価値観をどのようにつくっているのかということに興味をもち、社会学への関心を強くしました。

研究者を志すきっかけはどのようなものでしたか?

トロント

多民族都市トロント

留学中にカナダで出会った人々の姿が、研究者を志す原点といえます。
帰国後、授業でオーストラリアの多文化社会についての講義を受けて、その場所に暮らす人々がどのように社会を変えるのか、実際に変えてきたのかを学びました。
カナダで自分が感じたことを研究テーマにできる、そのこと自体が新鮮で面白いと思い、より深く突き詰めて考えるようになりました。
多文化社会カナダに暮らす人々は社会をどのように変えてきたのか?その変化をどのように受けとめているのか?そうした疑問について『そこに生きる人たちの声を聴きたい』との思いが強くなり、カナダの大学院へ進学することを決意しました。

海外の大学院へ進学することに不安はありませんでしたか?

大岡准教授2

カナダで学びたい気持ちがとても強かったので、不安は感じませんでした。
留学前は大学院で学ぶための語学力が足りておらず、話す力やレポートを書く力など、ベーシックな語学力の向上に必死で、不安など感じる余裕もありませんでした。
そうしてやっとのことで大学院留学に必要最低限の準備をしただけだったので、実際に入学してからの半年間は本当に大変でした・・・。

日本の大学と海外の大学では何が違うのですか?

大岡准教授3

カナダの大学では日本の学校で行われるようなテストがほとんどありませんでした。
記憶重視の「情報を覚えて確認する」という作業より、「文献を読んでエッセイ(小論)を書く」能力が求められ、論理立てて意見を組み立てながら自分の考えを説明する課題がよく出されました。
日本の大学とは忙しさの質が異なり、広く浅く学ぶというより、狭く深く探求するといった感じでしょうか。自分の意見を相手に伝えるために「知識をインプットして、自分の考えをアウトプットする」トレーニングを繰り返しました。
社会学部では少人数での演習形式を充実するなど、相手に伝えることの重要性を意識した学びを実践しており、それは私自身が受けてきた大学教育と共通しています。

大岡准教授のインタビューは(2)まで続きます!
(2)では専門領域である「ネットワーク」や「つながり」について詳しく伺います。

大岡 栄美 准教授(2)関連ページへのリンク