[ 国際学研究科 ]理念・目的・教育目標

理念・目的

20世紀終盤から加速化したグローバル化は、国際社会において平和・人権・豊かさなどいくつかの国際共通価値の実現を求める動きを生み出す一方で、多様な文化・価値観が共存する現実をも浮き彫りにした。他方、国際社会のこの大きな変化に対して、そのガバナンスの制度的枠組みは、基本的に第2次世界大戦後の冷戦下で形成されたものと大きく変わっておらず、いまや大幅な改革を迫られている。このような、国際社会の現実と制度が織りなすガバナンス構造を洞察し、その変容を理解し、それに関わる様々な地域的・地球的課題を分析し、解決策を講じることのできる人材の輩出が求められている。

多様な文化・価値観が共存する現実の中で、国際社会とそのガバナンス構造の変容に関わる様々な地域的・地球的課題を分析し、解決策を講じるためには、歴史的・地域的に形成されてきた多様な文化・価値観、それに基づく社会ガバナンス構造、そしてその制度的枠組みとの相互作用の中で繰り広げられる経済経営行動を横断的に理解・分析する能力、それに基づいて各課題の解決策を提案・実践する能力、およびそれらの成果を分析・評価する能力をもつ人材が必要である。 よって本研究科は、多様な文化・価値観が共存する国際社会とそのガバナンス構造の変容に関わる地域的・地球的課題を人文・社会科学的に分析し、解決策を講じることを教育・研究上の理念・目的とし、その課題の解決に貢献することのできる高度な専門的職業人・研究者などの知的人材を育成する。

養成する人材像―国際社会に貢献する高度な知的人材育成

本研究科は、国際社会の諸課題に関する高度な専門知識と分析能力・対策立案能力を備え、その課題の解決に貢献することのできる高度な専門的職業人・研究者などの知的人材を育成する。すなわち、多様な文化・価値観が共存する国際社会とそのガバナンス構造の変容を理解し、それに関わる様々な地域的・地球的課題の解決のため、企画・実践・評価などの側面で必要な、高度な専門知識と分析能力、対策立案能力および、語学を含む高いコミュニケーション能力を兼ね備えた知的人材を育成する。
本研究科が育成する人材は、文化、社会・ガバナンス、および経済・経営の各専門領域と、北米、アジア、およびグローバルの各研究コースの研究成果をもとに、博士課程前期課程では、国際ビジネス、メディア、国際交流機関、教育・研究機関、NGO、官公庁、国際機関、などで高度なジェネラリストとして、博士課程後期課程では、教育・研究機関、NGO、官公庁、国際機関、などでさらに高度な専門家・研究者として広く活躍する機会を得、いずれの場合も、高度な専門性をもつ知的「世界市民」および専門家・研究者として国際社会に貢献するものと期待される。