[ 人間福祉研究科 ]3つのポリシー

教育課程の理念

 関西学院の建学の精神であるキリスト教主義教育とスクールモットーである 「Mastery for Service(奉仕のための練達)」を基本にして、急速なグローバル化と少子高齢社会等の下で変化する価値観の中で、多様化する社会的、心理的、あるいは政治的、経済的問題に対する精緻な分析能力を保持し、社会福祉学を基本にした学際的なアプローチで、研究倫理に基づいた実証研究能力や問題解決に向けた実践能力を涵養する。これにより、従来の社会福祉学分野にとどまらず、隣接した領域においても指導的役割を担える人材養成や研究者の育成を果たす。

Ⅰ.ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)

 上記の教育理念の下に、人間福祉研究科では、Kwansei コンピテンシーの獲得を念頭において、以下のとおりディプロマ・ポリシーを定めています。

 

<2023年度以降入学生>

前期課程

 修士(人間福祉)の学位は、以下の修了要件を満たす者に与えられます。
1.人間福祉研究科博士課程前期課程に所定の年限在学し、所定の単位を修得し、修士論文の審査に合格した者。
2.人間福祉研究の基礎となる思想・理論・歴史、及びその応用と発展につながる社会科学と人間科学の関連領域を学び、福祉の現場、行政、教育分野等において広く福祉社会の維持・発展に貢献できる高度な専門知識、及び実践的な技法を有すると認められ、かつ研究倫理プログラムを受講し修了した者。

後期課程

 博士(人間福祉)又は博士(学術)の学位は、以下の修了要件を満たす者に与えられます。
1.人間福祉研究科博士課程に所定の年限在学し、所定の単位を修得し、博士論文の審査に合格した者。
2.人間福祉の専門領域において、自立した研究者として高い水準のリサーチから得た独自データを活用できる高度な研究能力、及び専門領域に新たな理論的枠組みを提供する独創的な知見を有すると認められ、かつ研究倫理プログラムを受講し修了した者。

 

<2022年度以前入学生>

前期課程

 修士(人間福祉)の学位は、以下の修了要件を満たす者に与えられます。
1.人間福祉研究科博士課程前期課程に所定の年限在学し、所定の単位を修得し、修士論文の審査に合格した者。
2.人間福祉研究の基礎となる思想・理論・歴史、及びその応用と発展につながる社会科学と人間科学の関連領域を学び、福祉の現場、行政、教育分野等において広く福祉社会の維持・発展に貢献できる高度な専門知識、及び実践的な技法を有すると認められる者。

後期課程

 博士(人間福祉)又は博士(学術)の学位は、以下の修了要件を満たす者に与えられます。
1.人間福祉研究科博士課程に所定の年限在学し、所定の単位を修得し、博士論文の審査に合格した者。
2.人間福祉の専門領域において、自立した研究者として高い水準のリサーチから得た独自データを活用できる高度な研究能力、及び専門領域に新たな理論的枠組みを提供する独創的な知見を有すると認められる者。

Ⅱ.カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

 上記のディプロマ・ポリシーに基づいて教育を行うために、人間福祉研究科では以下のようなカリキュラム・ポリシーを定めています。

前期課程

 前期課程では、研究者育成を目的としたカリキュラムだけでなく、福祉社会の維持・発展に貢献できる人材育成を前提とした多様なカリキュラムを整備しています。「人と社会(環境)の交互作用」の科目では社会福祉の様々な分野について、「社会系」の科目では福祉社会を支える国家や社会の構造について学びます。そして「人間系」科目では、人のこころと身体にかかわる問題を学びます。これらの科目以外にも、英語文献の講読科目やフィールドワーク科目を開講しており、狭い専門領域にとらわれることなく幅広く学べるように科目を配置しています。これらの科目を修得することで高度な知識と専門的技法を身に付け、その成果を修士論文としてまとめることができるように論文指導を行います。

後期課程

<2024年度以降入学生>
 本研究科の目指す、高度な専門性とゆたかな独創性を兼ね備えた、国際社会で通用する研究者の養成のために、3年以上在学し、必要な研究指導を受けた上で、キャンディデートの承認を経て博士学位申請論文の審査に合格することを修了要件(博士学位取得) としています。
 「研究演習」と「人間福祉文献研究講読(英語)」を必修科目として開講し、「研究演習」では、博士学位申請論文作成に必要となる「研究指導」を行い、「人間福祉文献研究講読(英語)」では、英語文献を中心とした海外の学術的文献を活用して国内外両方の人間福祉に関わる領域に関する知見を深め問題を分析する能力の修得を目指します(ただし、外国語学力認定試験に合格した場合は、その合格をもって「人間福祉文献研究講読(英語)」の単位を認定します)。加えて、選択科目として「量的調査法A」、「量的調査法B」及び「質的調査法」が開講され、リサーチ能力の涵養を目指します。
 また「研究演習」では、キャンディデートの承認に必要となる学術論文の学術誌への投稿や学会発表についても指導を行い、博士学位申請論文作成と同時に独立した研究者として活動するために求められる能力の醸成を行います。指導教員は、学生と相談の上で研究テーマに適した副指導教員2名を選び、指導チームとして多面的なアプローチと視座で研究を推進できるような体制を整えつつ、「博士論文計画書(年次研究計画書)」「年度中間審査」「年度末審査」「博士学位申請論文中間報告書」といった博士学位申請論文を作成するための各段階に学生が適切に対応できるよう指導を行います。学生は、こうした指導を受けつつ、与えられた研究課題をただ受動的にこなすのではなく、研究企画力や総合力の獲得を目指します。

<2023年度以前入学生>
 本研究科の目指す、高度な専門性とゆたかな独創性を兼ね備えた、国際社会で通用する研究者の養成のために、3年以上在学し、必要な研究指導を受けた上で、キャンディデートの承認を経て博士学位申請論文の審査に合格することを修了要件(博士学位取得) としています。
 「研究演習」と「人間福祉文献研究講読(英語)」を必修科目として開講し、「研究演習」では、博士学位申請論文作成に必要となる「研究指導」を行い、「人間福祉文献研究講読(英語)」では、英語文献を中心とした海外の学術的文献を活用して国内外両方の人間福祉に関わる領域に関する知見を深め問題を分析する能力の修得を目指します(ただし、外国語学力認定試験に合格した場合は、その合格をもって「人間福祉文献研究講読(英語)」の単位を認定します)。
 また「研究演習」では、キャンディデートの承認に必要となる学術論文の学術誌への投稿や学会発表についても指導を行い、博士学位申請論文作成と同時に独立した研究者として活動するために求められる能力の醸成を行います。指導教員は、学生と相談の上で副指導教員を選び、多面的なアプローチと視座で研究を推進できるような体制を整えつつ、本研究科が各年次に設定している「博士論文計画書(年次研究計書)」「後期課程成果報告会」「博士学位申請論文中間報告書」といった博士学位申請論文を作成するための各段階に学生が適切に対応できるよう指導を行います。学生は、こうした指導を受けつつ、与えられた研究課題をただ受動的にこなすのではなく、研究企画力や総合力の獲得を目指します。

Ⅲ.アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)

 人間福祉研究科は、人間と社会(環境)の中で生じたさまざまな問題に対応するため、幅広い教育と研究、社会貢献といった側面から対応できる、より高度な専門性を持つ実践家や研究者の育成を目指しています。
 人間福祉専攻における学問的な構成は、社会福祉方法論、社会福祉の理論、歴史、思想、哲学、価値などの原理論、加えて社会福祉政策論、社会福祉行財政論、福祉国家論、国際福祉論などの領域、さらには社会起業・社会的企業論、人の生死や身体に関わる死生学、健康科学などに及んでいます。

前期課程

 人間福祉の諸分野に高い関心を持ち、社会のさまざまな場においてその専門性を発揮し、社会に貢献する意欲のある者を受け入れています。また、広く社会から人材を集めつつ、国際的な研究活動に取り組むために、社会人および留学生の受け入れを積極的に図っています。

後期課程

 人間福祉領域における高度な研究能力を身につけ、優れた研究を行うことのできる者を受け入れています。