[ 人間福祉学部 ]佐藤 博信(さとう ひろのぶ)准教授

■研究分野のキーワード
 スポーツ、体育、武道

研究内容

 身体運動文化は人類の誕生と共に存在し、その起源は労働、遊び、儀礼などであることは広く知られている。身体運動文化は人類にとって必要であるからこそ誕生し、世界に根付いているのである。文化にはその文明や社会のもつ精神性があらわれ、ある種の行動のパターンを生む。つまり型である。型の維持継承、発展は、その背景にある精神性を後世に伝え、さらに研磨するための大きな役割を担っている。多様な意味で現代に生きる我々にとっても欠くことのできない存在である身体運動文化には、大きく体育=physical educationと sports という二つのカテゴリーが、互いの要素を内包しつつ存在している。まず、それら文化領域の歴史や哲学を学びの軸とし、身体運動文化が人間にもたらしてきた意味や価値(身体的、精神的、社会的、教育的など)を考察する。
 最終的には現代における身体運動文化の在り方や、発展の方法を示すことに研究の主眼を置いている。具体的には各社会や時代においてスポーツが表象するものやルールの在り方、身体運動文化がもつ面白さや魅力の要素などに焦点をあて、それぞれの身体運動文化の特徴や問題点、共通点をあきらかにすることで、より的確に、身体運動文化の意義を捉えることが可能であると考える。また、2024年開催予定のパリ・オリンピックの競技種目候補にe-sportsがあげられるなど、新しいスタイル、新しい価値観が世界的な広がりを見せている。同じように、スポーツをゲームや娯楽という視点で捉えるならば、将棋や囲碁、チェスなどにおけるAI 対 人間の勝負も新しい試みである。これらに見られるようにテクノロジーの進歩は凄まじい速さでスポーツに変革をもたらしている。あらゆる競技で行われているデータの蓄積や分析、審判や放送の自動化、施設や用具の進化による記録の向上なども一例であろう。もはや10年後、いや3年後のスポーツがどのように変化しているのか想像することは容易ではない。時代の変化によってスポーツが変わるのではなく、生身の身体を使った身体運動文化としてのスポーツの在り方をスポーツの側から発信していくべきであると考える。