大学院研究科概要(何が学べるか) [大学院 文学研究科]

[ 編集者:文学部・文学研究科       2012年4月5日   更新  ]

文学研究科

文学部本館

 関西学院大学大学院文学研究科は、現在の大学院制度が発足した1950年にいちはやく修士課程(現、博士課程前期課程)をスタートさせ、ついで1954年には博士課程(現、博士課程後期課程)を開設した。多彩な研究活動を通じて、これまで多くの研究者や専門家を社会に送り出してきた。2009年4月には、総合心理科学専攻は、これまでの4領域体制から心理科学領域と学校教育学領域の2領域体制となり、さらなる研究の充実と発展を目指すこととなった。
 本研究科の目的は、人文科学の領域において、現代世界の高度な学問の進展に応じた研究を推進し、その成果を学界、教育界、一般社会に還元することにある。具体的には、それぞれの学術領域に大きな貢献をなしうる専門的研究者を養成すること、高い専門性を活かして実社会の様々な場所で活躍することのできる高度専門職業人を養成すること、そして知識基盤社会を支える高度で知的な素養のある人材を養成すること、のそれぞれを重視している。
 2000年3月には、前期課程から後期課程までの一貫教育の利点を生かし、後期課程在籍の3年間に博士学位論文の提出を可能とする指導体制の整備と、それを支えるカリキュラムの改革を行なっている。従来から本研究科の特色であった指導教員による演習指導に「博士論文作成演習」を加え、指導教員以外に、研究テーマに相応しい副指導教員を定める制度を設けるなど、研究の幅と奥行きを視野に入れた確実な指導と助言を通じて、独立して研究を行なう能力を有する課程博士の着実な育成を推進している。前期課程にあっても積極的な研究活動を行なう体制を整えている。
 また、専攻分野の研究を深める演習や講義科目のほか、領域横断的な部面の充実を目指して、専攻間のみならず他研究科にもまたがる科目履修を可能としている。学際的で広範な知識に支えられた研究の重要性が認識され、学的交流を通じた活性化の役割が重視されている。また、豊富な専任教員による指導に加え、各種講義科目を中心として、各方面の専門家と外国からの客員教授を招聘し、カリキュラムに多様性と国際性をもたらしている。
 本研究科は、留学生を含む大学院生一人一人が、相互に学問的刺激を与えあい、ともに活性化する場であるとともに、社会人の再教育の機関としての機能も合わせ持っている。
 新しい時代にあって、かわることなく常に着実で綿密な研究指導を行なうことが本文学研究科の教育の基本である。

文化歴史学専攻

哲学倫理学領域

近現代の西洋哲学の幅広い研究

哲学倫理学領域は5名の教員から成り立っていますが、いずれも欧米の近現代哲学を専門としており、院生はそれぞれの関心に従って研究テーマを選び、西洋思想についての深い知識と専門的な研究能力を養うことができます。例えば研究演習では、カントやドイツ観念論、ドイツやフランスの現象学や解釈学的哲学、アメリカの分析哲学などが取り上げられ、また生命倫理などのアクチュアルなテーマも取り扱われています。いずれの授業においても参加者の主体的な取り組みが求められます。また、古代から現代までの哲学や倫理学の幅広い分野についての特殊研究も開講されており、西洋哲学についての基礎的教養を身につける共に、人間や世界に関わる諸問題について深く考えることができるように工夫されています。さらに年に数度、学生が研究発表を行う集中ゼミも開かれ、教員と院生、研究生を交えた熱心な討論が繰り広げられます。

美学芸術学領域

美や芸術の享受と理解

美学芸術学領域では、人間と美や芸術との関わりをさまざまな視点から研究していきます。学生は、美学・芸術学・芸術史の各々特殊講義、および資料等の講読を中心とした文献研究、芸術作品を対象とする作品研究などの授業科目を履修するとともに、各自の研究課題に応じた演習(ゼミ)に所属して研究を進めていきます。演習は指導教授の専門分野にしたがって、美学理論および西洋美術史、絵画を中心とする日本美術史、染織を中心とする日本工芸史、音楽学・音楽史、映像論・演劇論のゼミが開設されています。

地理学地域文化学領域

地理学と地域研究―文化・社会・生態

本領域では,文化,社会,生態などへの関心を中心とした人文地理学・地域文化学的研究をおこないます。観光現象や民俗文化,都市への移住現象と移住者の生活,環境利用の技術や知識などが具体的な研究テーマです。また、隣接分野である文化人類学や日本民俗学などの研究も扱います。国内外でのフィールドワーク,資料収集とそれらによって得たデータの分析が重要となります。各自の研究課題の報告や討論を重ねる研究演習,文化・社会地理学、地域研究などの専門分野に関する講義と文献研究が用意されています。

日本史学領域

国家・王権から地域社会まで

日本列島で展開した国家や社会さらには文化について、卓抜な構想と緻密な史料批判に基づいて研究をすすめていきます。いま、現代を生きる私たちの前には、じつに多様な問題群が横たわっています。その問題群に対峙できる実践的な技法として、歴史学に新たな展開が求められているのです。 大学院生は広い視野からそれぞれの研究テーマを定め、日常的な論文作成指導や院生同士の相互批判、また学会活動を通して、独創的な論文を作成しなければなりません。研究室にはそのための環境が整えられています。

アジア史学領域

アジアを学ぶことは世界に通じる

アジア史学領域は、殷周時代史、漢六朝史、明代史、中国文学史・女性史、および前近代イラン史を専門とする教員によって構成されています。中国史では、研究の基礎となる漢文史料の読解力を向上させることに主眼を置きつつ、現代中国語の文献を通じて、日本だけでなく中国の先端の学術成果をも吸収していきます。西アジア史では、ペルシア語・アラビア語・トルコ語など西アジア諸言語で書かれた史料の扱いに習熟し、また研究の進んでいる欧米諸国の文献を消化することが求められます。これらの基礎の上に、確実な史料解釈と学説の整理、さらには広い世界史的視野に基づいて論理的・独創的に歴史像を構築していく能力を養います。

西洋史学領域

「世界史」の歴史研究

西洋史学領域では、ヨーロッパやアメリカならびにそれぞれの時代の国際関係の歴史の研究を通して、研究者ならびに教育界あるいはその他の社会で活躍する人材を養成します。学生の研究発表と討論を主とする研究演習の他に、方法論や古代史から現代史まで個別の研究成果を学ぶ講義や演習では、各自の研究能力を磨くことができます。また史料の分析方法を習得する講義や演習も用意されていますし、さらに過去との対話に必要な様々な語学を習得する演習もあります。政治史、社会史、文化史といった西洋史学の諸分野を総合し、過去の総体を把握するために、近隣諸科学である文化人類学などとリンクする分野も学べます。

総合心理科学専攻

心理科学領域

人間を科学的観点から研究する

心理科学領域では、科学的心理学の立場で研究活動を行っています。具体的には、知覚・生理・認知・学習・記憶・思考・言語・感情・動機づけ・性格・教育・発達・健康・異常・臨床・障害・社会・比較文化・乳幼児・高齢者・親子関係・ジェンダー・動物・行動分析析学・神経科学・精神医学などの分野で、実験や調査に基づいた実証的な心理学の研究を行っています。
 数十の実験実習室、3つの実習用ホール、4つの面接室、5つの観察室、3つのプレイルームなどの学科施設に、バーチャルリアリティシステム・眼球運動計測装置・脳電位リアルタイム解析装置などの最先端機器や、各種心理検査用具を保有しています。また、わが国では最大規模の動物心理研究施設もあります。さまざまな学外機関(小学校、病院、水族館など)での研究活動や、電器、自動車、食品関係などのメーカーとの産学共同研究も盛んに行っています。
 研究成果の国際学会や学術誌における発表件数はわが国の心理学界のトップ水準にあります。多くの大学院修了者が、大学や研究機関だけでなく、臨床分野や教育機関でも活躍しています。院生は、各自関心ある研究テーマに主体的にとりくみ、指導教員からゼミであるいは随時、助言・指導をうけ、テーマに沿って研究を深めていきます。

学校教育学領域

より高い実践的指導力をめざして

今日、高度な専門的能力を持つ教師が求められています。学校教育の抱える問題や課題は年々複雑化、多様化し、その対処や解決にはより高度な専門的な力量が教師に求められています。こうした高度な専門的な力量の形成には、大学院段階での教師の学びが必要だという認識が定着してきています。
 本大学院の学校教育学領域は、理論に裏づけられた高度な実践的な指導力やわが国の教
育上の諸課題に的確に対応できる指導力を身につけようと考えている現職教員はもとより、広く学校教育の諸課題・問題に関心を深め、学校教育のあるべき方向を研究・探求しようとする方々に、夜間開講によって、ひらかれた学びの機会を提供することをめざしています。


文学言語学専攻

日本文学日本語学領域

「古典から近現代まで幅広い分野で、文学と日本語学を学ぶ」

日本文学日本語学領域では「日本文学」と「日本語学」の2つの領域に応じた研究と教育を行っています。前者では、古典から近現代に至る文学諸作品の研究や作者・作家、またそれを取りまく情況の文学史的研究を主としています。後者では、音韻と文法を中心に、通時的・共時的両面の視点からの研究を進めています。
また、文学系では、院生・研究員による研究会を年間10回程度開催しており、ゼミや専門分野を超えて活発に議論しています。語学系では、学内外のメンバーによる研究会に積極的に参加するなどしており、それぞれその成果を極力学外の全国学会や関西支部大会、研究会等で発表できるようにしています。
研究分野は、多岐にわたっており、各自が選択した研究対象について、研究発表等での討議をふまえながら、学会の水準を超える成果を目指してそれぞれが懸命に取り組んでいます。

英米文学英語学領域

学生の多様なニーズに対応

文学系(イギリス文学、アメリカ文学)と言語系(英語学、言語科学)に分かれ、文学系では小説・演劇・詩および関連する文化的諸問題を、言語系では意味論・統語論・形態論・日英語比較・語法研究などを中心に講義と演習が行われています。博士課程前期課程(いわゆる修士課程)では各分野の基礎的な理解と英語力の強化を重視し、研究者を目指す博士過程後期過程(いわゆる博士課程)ではオリジナルな研究が主体となっています。関学英米文学会や院生の研究会などの活動も盛んです。

フランス文学フランス語学領域

フランスの文学と言語、中世から現代まで

この領域の科目は「研究演習」と「特殊講義」などからなっています。フランス文学・語学についての高度な専門的知識を扱いつつ、院生各自の研究能力の向上・発展をめざしています。研究対象は各時代の文学・言語であり、中世から現代までをカバーできるようなカリキュラムを組んでいます。博士課程前期課程終了時に修士論文を提出します。後期課程においては博士論文作成を目標にします。フランス人の教授および講師による講義や仏語小論文作成のための科目も開講されています。研究活動をさらに活発にするために、院生と研究員による研究発表会を定期的に開いていますし、専攻が発行する『年報・フランス研究』への論文発表も奨励しています。

ドイツ文学ドイツ語学領域

さらなるドイツ語の世界へ

 本領域には、ドイツ文学とドイツ語学の二つの分野があります。文学関係では、18世紀から現代までのドイツ語圏諸国の文学作品・文芸理論・文化論などを、テキストの精密な解読を基礎に、院生各自の研究課題にそくしつつ各担当者固有の学問的視座から検討します。語学関係では、ドイツ語そのものを研究対象とし、その領域は時制論・意味論・造語論・統語論・語用論など多岐にわたり、全般的な知識の習得と院生独自の研究課題の開拓につとめます。
 本領域の科目は、研究演習・特殊講義・文献研究で構成され、語学力の涵養をはじめとして、各分野における高度な専門知識の拡充
と研究能力の向上を目指しています。前期課程では、修士論文作成のための指導が、後期課程では、博士論文提出までの準備が行われます。