教員紹介 文化歴史学科 日本史学専修

[ 編集者:文学部・文学研究科       2015年4月1日   更新  ]

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教授 志村 洋 (シムラ ヒロシ)

名   前 志村 洋 (シムラ ヒロシ)
研究テーマ ●日本近世史、大庄屋、地域構造

 物質的な豊かさがあたりまえの現在の日本では、私たちは、日常生活での小さな不満を感じつつも、政治や社会全般については、現状肯定的―あるいは諦め的―な感覚を共有しているように思えます。そうした風潮を衝いて、最近では精神的な豊かさなどといった外皮をまとった復古的な言説があらゆるところで聞かれます。しかし、私たちが真に自立した市民として社会に参画してゆく上では、なによりも現状の社会における問題点を個々が自覚し、具体的に明らかにすることから始めなければなりません。現在、私は日本近世の村落史を専攻していますが、地域や時代によって様々な社会矛盾のあり様の分析を通じて、現代社会を考える手がかりにしたいと思っています。近世には多くの地域で、大庄屋と言われる百姓身分の役人が、領主の下で広域村落支配にあたっていましたが、その大庄屋による地域支配の構造と特質について、政治と経済の両面から考えていこうと思っています。

教授 高岡 裕之 (タカオカ ヒロユキ)

名   前 高岡 裕之 (タカオカ ヒロユキ)
研究テーマ● 20世紀、社会史、都市社会

 専門は日本近現代史ですが、もっぱら研究対象としているのは第一次世界大戦期から高度経済成長期にかけての社会と文化です。日本では第二次世界大戦の敗戦までを「戦前」=「近代」、第二次世界大戦後を「戦後」=「現代」として二分する思考が広く存在し、「戦後日本」を20世紀の人類史のなかに位置づけるという認識は稀薄であったといえます。ところが近年の「構造改革」をめぐる議論では、「戦後日本」のあり方のみならず、20世紀的な考え方そのものが問題となっています。こうした現代社会の動きを的確に読み解くためには、「戦前」「戦後」という枠組みを超えて20世紀の歴史を全体的に捉えることが必要だと考えています。また従来の近現代史では、政治や経済の動きが重視されてきましたが、私は「都市化」や「大衆文化」といった人々の日常生活の次元における問題に着目し、「社会史」的方法を模索しながら上記の課題に迫っていきたいと考えています。

教授 中西 康裕 (ナカニシ ヤスヒロ)

名   前 中西 康裕 (ナカニシ ヤスヒロ)
研究テーマ ●古代国家の成立、六国史、河内

 日本古代史を研究しています。現在の研究課題は3つに大別できます。第一は、8世紀に完成する「律令国家」を到達点とした古代国家の成立過程です。弥生時代以降の国家の形成過程や社会機構の整備過程を、特に財政と地方支配の観点から検討を行っています。第二は、古代の基本史料である六国史を検討し直して、歴史過程の再構築と史料自体の性格を分析しています。現在のところ『続日本紀』と『日本後紀』が主要な研究対象です。第三は、国家との関わりの中で古代における河内の歴史を解明しようとするものです。古墳・氏族・集落・灌漑施設・神社・寺院・道なども重要な手掛かりとして研究しています。
 また、考古学や歴史地理などにも関心を持っています。

教授 西山 克 (ニシヤマ マサル)

名   前 西山 克 (ニシヤマ マサル)
研究テーマ ●中世王権、宗教秩序、怪異

 中世王権とその正統性を保証する装置に興味があります。私がその装置のひとつと考えているのが「怪異」です。京極夏彦さんや夢枕獏さんの小説、岡野玲子さんたちの漫画、小松和彦さんの束ねる民俗学的研究によって、私たちの時代でも妖怪や怪異がブームとなっていますが、怪異はもともと、前近代国家や王権の危機管理の問題と不可分に関係する現象でした。たとえば狐は人間と生活領域を共有します。その狐が天皇の住まう内裏の床下に潜んでコンと鳴けば、神祇官と陰陽寮が紫宸殿脇の軒廊で占いをし、その結果に基づいて寺社への祈祷などが行われます。狐の鳴き声が、近未来に起こる禍々しい出来事の予兆として理解されているのです。怪異を歴史学の新しいツールとして、前近代の国家や王権や社会を読む、いまはそんなことを考えています。