留学中の学生インタビュー 宮川 理紗子 さん

[ 編集者:経済学部・経済学研究科      2014年10月14日   更新 ]
宮川さん

 宮川 理紗子(みやがわ りさこ)
  (経済学部3年生)
  
  【留学先】
    パヤップ大学(タイ)
  【プログラム】
    交換留学(2013年10月~2014年3月)

留学中の喜怒哀楽や困ったことは?

私にとってこの留学は初めての海外だったので、見る景色、出会う人、全てが新鮮でワクワクしました。けれど、そんな留学生活の中でも落ち込む事は多かったです。
まず、置かれた環境の中で誰よりも英語が話せなかったし、聞き取れませんでした。
最初のオリエンテーションで撃沈し、担当のオフィサーとも会話が成り立たない。覚悟していたはずなのに、悔しくて涙が出ました。後に、当時のことを、アメリカ人の友達は「リサコは初めての授業の時、ペアを組んでもニコニコするだけで全くしゃべれなかったね(笑)」とからかったほどです。

  

しかし、みんなと共に過ごす時間が増えるにつれ、徐々に緊張から、”楽しい”に変わりました。 友達と、お互いの話をして、くだらないことで笑い合える、その瞬間が私の”喜び”となりました。
一番”困った”事、”怒った”事は、大事なグループワークの課題で、同じグループの子らが全く動いてくれなかった事。ひどすぎて先生に状況を説明し、チャンスをもらい、一人でやり直して提出しました。本当は授業後にキャンプに行くはずだったのに、結局深夜まで作業が終わるまで待って、手伝ってくれた友人たちには、本当に感謝しています。
”哀しみ”は、友達と喧嘩した時や、うまく友達の気持ちに寄り添ってあげられない時に、やってきました。もっと伝えたい事があるのに、うまく言えないもどかしさがありました。こうやって振り返ると私にとって、友達は本当にかけがえの無い存在だったことを改めて感じます。

留学先できた友人とどのようなコミュニケーションをとっていますか?

友人とカフェ中

タイに来たにもかかわらず、私はタイ語の授業をとる事が出来なかったので、タイ語は基本的にタイ人の友人から教わりました。どこの国でも、自分の母語を喋ろうとしてくれるのが嬉しいのは変わらないですね。みんなたくさん教えてくれました。意外と周りに日本に興味を持ってくれている人が多かったのも、会話のきっかけになりました。
あとは、積極的にいろんな人と遊びに出かけました。友達からの誘いは、基本「OK」。それができたのも、物価が安いタイならではなのかもしれません。多くの人とつながることは、出会い、そして会話のチャンスを広げてくれます。ただ、より深い関係になるには、何か大変な事を一緒に乗り越えるのが一番だと思います。共に大きな課題をやり遂げたミャンマー人の女の子の親友ができました。彼女とはお互いの悩みをたくさん話しました。そんな彼女のくれた手作りのブレスレットは私の宝物になりました。見るたびに彼女を思い出し、恋しくなります。

1週間の生活を簡単に教えてください。

 

授業は月曜日から金曜日まであり、月・水の授業と火・木の授業は同じ授業でした。金曜は2コマ連続で3時間の大授業!なかなか大変でした。各教科2コマずつ一週間にあるので、授業内容の定着率は日本の大学よりも良い気がします。midterm exam, final examの前はみんなで必死に勉強し、私はカフェによくこもっていました。(意外とタイってオシャレでかわいいカフェが多いんです!)homeworkは毎週という感じではなく、定期的に重ための課題があるものが全体的に多かったので、普段は学校、ランニングなどの軽い運動、寮でご飯、そして勉強、もしくは、まったり自由な時間を楽しむ、といった日々を過ごしていました。週末は寮のご飯が出ないので、出かける事の方が多かったです。

新鮮なフルーツがたくさん!

新鮮なフルーツがたくさん!

それと、私の生活で欠かさなかったのが、フルーツです。日本では高いし、一人暮らしの私にはなかなかお高い存在だったのですが、タイでは新鮮なフルーツがとっても安く手に入ります。マンゴーが100円もしないで食べられるなんて、本当に贅沢です!個人的にはマラコー(パパイヤ)にはまってしまって、ほぼ毎日食べていました。一個30円でたべられるなんて幸せ!(笑)他にもココナッツウォーターやフルーツスムージーなど、タイは本当に女子に嬉しいフルーツ大国です。

留学をするために大切な準備は?

 

あえて言うならボキャブラリーを増やす事。耳は誰しも慣れていないのだから、初めてで聞き取れないのは当たり前です。けれど、それは慣れが解決してくれます。ボキャブラリーがあれば、単語として認識し、話を理解するスピードは上がると思います。英語力に不安のある人は、リスニングより単語などの勉強をしておいたほうが後々楽になると思います。それと、一番大事なのが、自分のルールをしっかり決める事。これだけは絶対にやる、ということを明確にし、きちんと目標を持って日々を過ごす事が大事です。なんとなく過ごしていると、本当にびっくりするくらい何も無く貴重な日々が過ぎていってしまいます。

留学で得たものは?帰国後は、その経験をどういかしたいですか?

 

留学で得た事は、まずは挑戦する勇気と、自分を受け入れるという事です。何事も自分から動かなければ、何も返ってきません。私は、自分は積極的に何でもトライできる人間だと思い込んでいました。しかし、いざうまくいかなくなると、自分の臆病さに嫌でも向き合わなければならず、何度も葛藤しました。そんな時自分を受け入れ、伝えようと一歩前に出る事で、周りも私を理解しようとしてくれたし、私という人間を受け入れてくれました。今でも怖じ気づくシーンや自分に自信を持てなくなるときはありますが、留学を経てそんな自分を避けるのではなく、受け入れて乗り越えようとする自分になりました。 もう一つは、勉強への姿勢です。日本の当たり前の環境がいかに恵まれていて、いかに私たちが甘えているのかを痛感しました。新興国の国々では、”学ぶ”ことの重さが違います。もっと私も勉強しようという気持ちが刺激されました。

 

今回の留学を通して、もっと東南アジアの国を知りたいと思うようになりました。この留学が無ければ東南アジアをこれだけ好きになる事は無かったかもしれないと思うと、この縁は自分の人生の中で一生大事にするべきものだと強く感じます。
その思いを持って今後、他の東南アジアの国々を実際に周りたいと思っています。留学は、世界をより身近な存在にしてくれました。つい先日も早速カンボジアに行ってきたのですが、東南アジアには本当にいろんな意味で魅力が詰まっています。この東南アジアの勢い、パワーを日本の人々はもっと感じるべきだと思っています。将来の夢ははっきりと決まっている訳ではないのですが、東南アジアと日本をつなぐ仕事、日本と東南アジアに関わっていける環境で働きたいです。これから間違いなく、日本と東南アジアの関係はますます密接になっていきます。日本と東南アジアの今後を、自分なりの視点で考え、追い続けていきたいです。