学生レポート_吉見 敦子さん

[ 編集者:経済学部・経済学研究科       2014年8月6日   更新  ]
学生リポート

第4回 現役経済学部生からのメッセージ

吉見 敦子さん

【入学年月】  2011年4月
【名前】    吉見 敦子(ヨシミ アツコ)
【出身高校名】 私立金蘭会高等学校
【研究演習名】  栗田 匡相 教授

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「絵本を通じて、途上国の子どもたちに教育と笑顔を」- 吉見 敦子

今打ちこんでいる活動は何ですか?

ゼミ活動、ゼミのプロジェクト(途上国への絵本支援)

活動の成果・成績など

2014年2月 カンボジアの4つの農村に合計320冊のオリジナル絵本を寄贈
(2015年2月頃ケニアに絵本寄贈予定)

その活動について教えてください

絵本プロジェクト「Book for Children」で制作した絵本

 栗田匡相ゼミで行っている途上国の子ども達に絵本を届けるプロジェクト「Book for children」の代表を務めています。「Book for children」とは、教育環境が十分に整っていない途上国の子ども達に栗田ゼミ生がオリジナルの絵本を届ける活動です。
 栗田ゼミでは、途上国の貧困や格差要因について研究するため毎年3年生の夏に途上国(1期生ベトナム、2期生カンボジア、3期生ケニア、今夏は4期生がマダガスカル)でフィールド調査を行なうのですが、毎年途上国の貧困要因に「教育」が深く関わっていることが分かっています。また、実際に途上国では現地語で書かれた本や子ども向けの絵本などが大変不足していました。

ケニアにて

 本やストーリーと出会う機会に恵まれない子どもたちが途上国にたくさんいること、そして途上国の貧困脱却に教育の質の向上や教育の機会を増やす必要があるというゼミの研究結果を経て、途上国の1人でも多くの子供たちに「1冊でも多くの本に出会ってほしい。本を通じて途上国の教育問題の改善に貢献したい。」と思い、栗田ゼミ生が2012年10月、この絵本プロジェクト「Book For Children」を立ち上げました。
 活動内容としては、毎年3年生の夏に行なう途上国でのフィールド調査後、現地での学びを経たゼミ生が、その国の子ども達にオリジナルの絵本を製本して届けるというものです。2014年の2月に、プロジェクト発足後初となる1冊目の絵本を完成させ、栗田ゼミ2期生が2012年の夏に調査を行なったカンボジアの4つの農村に320冊の絵本を届けました。  現在は、現4年生が2013年夏に調査を行なったアフリカのケニアに向けた絵本を製本中です!!

やりがいや面白さは何ですか?

ケニアで現地住民と接する吉見さん

 この活動の一番の面白さは、実際出会った途上国の子ども達のための絵本をオリジナルでつくり、それを自分達で渡しに行くというところです!!現地で出会った人達のために帰国後、世界に一つしかない絵本を自分達の手でつくり、また自分達の足で持って行く。とてもワクワクしませんか?!現地調査から再度絵本を届けに行くまでの間がとても充実しています。
 知識や経験の浅い学生が途上国支援を行なうのは、自己満足だと言われることもありますが、私達が開発経済学という途上国について研究、現地調査を行なう以上、学びだけで終わるのではなく、何か学びや経験を生かした行動を起こすべきだと思っています。

その経験からどのようなことを学びましたか?

 一緒に活動に取り組んでくれる仲間や、私達を応援して下さる方々の大切さを痛感しています。絵本作りに関しては何の知識も経験もない私達にとって周りの方々の助けは必要不可欠です。街頭募金や学内で頑張ってねと声をかけて寄付して下さる方、関学同窓会の方々からのご寄付や大変心強いサポート、絵本のイラストレーターを探しに行った美大の生徒さんとの出会いなど、ゼミ生の力だけでは実現させることのできない活動だからこそ応援して下さる方々の大切さを感じると同時に、必ず応援して下さる方々の期待に応えられる絵本をつくらなければならない!とい気持ちになります。

将来に向けたビジョンを教えてください

 「自分に勝負を仕掛け続けることで、周囲にエネルギーを与えられる人間」が私の目標です。
 現地調査の際に訪れたケニアのスラムにある学校を訪問した際、家がなく、親がいなかったり、家族や友人から虐待を受けて逃げてきたような子ども達が集まった学校の子ども達は、私が今までに見たことのないほど満ち足りた笑顔をしていました。みんな日々生きていること、そして教育を受けられることを心から感謝していました。
 あの出会った子ども達に衝撃を受けてから1年後、私は現在、教材の出版社で働く道を歩むことになりました。ゼミでの活動を経て、改めて子ども教育の重要性を感じたと同時に、自分が今まで勉強から逃げてきた人生だったというのが大きな理由です。もしかしたら、あの出会いやBook for Childrenの活動の影響もあるのかもしれません。
 人生をワクワクした、より充実したものにするために、自分の逃げてきた「教育」に向き合い、周りを、出会った人を幸せにできる人間になりたいと思います。

関学経済学部を志す高校生へのメッセージをお願いします!

 経済学部には、授業もゼミも充実した環境が整っています。大学に入って新たなことを新たな環境で挑戦するなら、個性豊かな経済学部で充実した学校生活を送ってみてはどうでしょうか! 頑張ってください!!!☆

オープンキャンパスで「Book for Children」について話す吉見さん