学生レポート_西村 早織さん

[ 編集者:経済学部・経済学研究科       2014年4月18日   更新  ]
学生リポート

第2回 卒業を迎える4年生から_2014年1月28日

西村沙織さん

  【卒業年月】 2014年3月
  【名前】 西村 早織 (ニシムラ サオリ)
  【出身高校名】 兵庫県立宝塚北高等学校
  【研究演習名】 栗田 匡相 教授
  【就職・進学先】東京大学大学院

「私の心の声が導いてくれたもの」-西村 早織

カンボジアの子どもに絵本を

来年度から東京大学大学院経済学研究科に入学予定です。どうして大学院へ行こうと思ったのか、関学での4年間を振り返りながら書いてみたいと思います。

1年生のころは、大学院のことなんてこれっぽっちも考えず、キャピキャピと華の(?)大学生活を送っていました。私にとって大きな転機となるのが、栗田匡相ゼミに入ったことです。2年生のゼミ選択では、基礎演習(1年生のゼミ)の担当でもあった栗田先生のゼミをなんとなく選びました。これから勉強していくことになる、発展途上国やアジアのことなんてほとんど知らない状態。ましてや、私は海外に行ったことすらなかったのです(笑)。

栗田ゼミに入ってからは、課題も多く、ゼミに費やす時間は自然と増えました。3年生の夏休みには、初めての海外で、ゼミ生たちとカンボジアに行きました。農村の世帯をまわり、インタビュー調査をしたのですが、体力的にも精神的にもキツく、口内炎がたくさんでき、体重も3キロほど落ちました…。
にもかかわらず、カンボジアで見た風景、空が少し高くて、日本にはない植物がたくさんあって、アリは茶色い色をしていて、星空がとてもキレイだったこと。通訳として一緒に過ごしたアンコール大学の学生との思い出が、私の中に強く残りました。同時に、学校へ行けない子ども、怪我がなかなか治らない人、HIVにかかりながら働く人たちを見てしまったし、出会ってしまった。カンボジアに行かなければ、目をそらして生きていっただろう人たちに。

西村 沙織さん

そんな状態で私の心はモヤモヤとしていたのですが、栗田先生に相談を重ね、大学院進学を考えるようになりました。もっと開発経済学という分野を深く勉強したいという思いもあったからです。まわりにはそんな子はいないし、誰に相談をしてもびっくりされるだけで、とても悩みました。最終的に大学院進学を決意した大きな理由は、素直に「知りたい」とか「勉強したい」と思っている自分が、一番「私らしい」と思ったからです。

決意してから、受験までの7~8ヶ月間は経済学を死に物狂いで勉強しました。“やるなら、とことん!”な性格のため、がむしゃらに勉強しすぎて途中でパンクしかけたこともあり、栗田先生には何度も何度も励ましてもらいました(泣きついていました、笑)。ゼミの仲間には一緒にいるだけで元気をもらえたし、「頑張れ」と言われなくてもちゃんと背中を押してくれていることが伝わってきました。本当にありがとう。

受験間近には腱鞘炎になり、受験の面接で大号泣(!)してしまったりしたけど、東京大学のほかに一橋大学、神戸大学を受験し、すべて合格することができました。

私の4年間はこんな感じでした。最終的に選んだ道はとてもマイノリティですが、私の関学での学生生活は充実したものになりました。経済学部棟内にある学生ワークルームに行けば、ほぼ毎日、栗田ゼミのメンバーがいたり、栗田先生の研究室を訪ねたり、ゼミの後輩の面倒を見たり、書き出すとゼミのことばっかりで止まりませんが、かけがえのない仲間を手に入れたと強く思います。

大学に入ってから変わったのかなと思うことは、自分の心の声がよく聞こえるようになったことです。だからこれからも、その声をよく聞いて、自分が「いいよ~」と思う場所で精一杯努力をしたいと思うし、それが自分と関わる人たちに何か与えることが出来たら、もっともっと素敵な世界をみることが出来るんじゃないかなと思っています。