国連学生ボランティア活動日誌(2011年春学期)

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[ 編集者:広報室       2011年8月30日 更新  ]

関西学院大学は、アジアの大学では初めて、世界でも3校目に国連ボランティア計画(UNV)と協定を結び、情報格差、教育、環境、健康などの重要問題に取り組むために学生をボランティアとして途上国へ派遣しています。

2011年度春学期は3人の学生が派遣されています。派遣者と業務は次のとおりとなっています。

○井筒 穂奈美さん(法学部3年生)
派遣国:サモア
活動内容:UNDPサモアオフィスでイベント・プロジェクト運営に従事します。
○西岡 豪さん(人間福祉学部3年生)
派遣国:サモア
活動内容:UNESCOサモアオフィスにて教育分野におけるHIV/AIDS教育の文献作成に携わります。
○玉井 謙吾さん(商学部3年生)
派遣国:フィジー
活動内容:UNDP/UNVフィジーオフィスにてウェブサイト更新、広報資料の作成等に従事します。

このページでは現地からの生の声をお届けします。

【サモアからの報告8(井筒)】サモアの家族と生活して

8月30日 井筒穂奈美(法学部3年生)

サモアの家族と

サモアの家族と

 私が暮らす「Too’matagi村」はサモアの現地の人々が住んでいる小さな村です。私はその村で、一軒家を借りて暮らしています。というのも、サモアではどの家も大家族向けに建てられており、アパートのような物件が非常に少ないからです。私の家は、大家さんの家の敷地内にあり、広い庭にはヤシの木やハイビスカスなどのいかにも南国らしい様々な植物が植えられています。5匹の犬と1匹の猫がいて、日中仕事で留守にしている間、私の家を守ってくれています。隣に住む大家さん夫妻にはいつもお世話になっていて、サモアでのお父さん、お母さんのような存在です。
 この村に住んでいる家族とも仲良くなりました。日曜日には、一緒に教会で牧師のお話を聞き、「Too’nai」という家族や親戚が一同に集う昼食会に参加し、そのあと「Malolo」(サモア語でお昼寝)をして、すっかりサモアの生活にも溶け込むことが出来ました。
 このように、業務以外にも現地の人々と交流し、彼らと共にその土地で暮らす経験が出来ることも、国連学生ボランティアの魅力の一つです。その国の問題解決に取り組み、発展に貢献するためには、まず、その国の人々の価値観を理解することから始めなければならないと実感しました。

【サモアからの報告7(井筒)】RIO+20太平洋会議に参加して

7月26日 井筒穂奈美(法学部3年生)

会議会場にて

会議会場にて

 7月20日から22日までの3日間、サモアの首都アピアにて、「RIO+20太平洋会議」が開催されました。RIO+20とは、2012年5月にブラジル・リオデジャネイロで開催予定の「国連・持続可能な開発会議」の通称で、今回の会議はその地域準備会合でした。太平洋各国の首相や経済大臣、国連機関や国際NGOが一同に集まり、環境に優しい経済「グリーン・エコノミー」をテーマに議論を交わしました。
 この会議で、私はUNDPの広報ブースを担当しました。UNDPが行っている環境プロジェクトについて、掲示物を作成し、資料の配布やDVD上映を通して、ブースに来てくださった方々に私たちのプロジェクトの説明を行いました。
 公式会議の合間の食事会やお茶会では、普段話すことが出来ないような方々と交流し、環境問題について直接お話を伺うことができました。国連・政府・NGOと様々な角度からの意見に触れることができ、大変勉強になりました。
 また、国連本部で活躍されている日本人の方にもお会いし、会議中、彼女のアシスタントの仕事をさせていただきました。
 初めて大きな会議に参加して、たくさんの刺激を受けたと共に、将来、このような場で議論を交わすことが出来るような人になりたいと強く思いました。
活動期間も残すところあと1カ月になってしまいましたが、1日1日を大切に活動に励みたいと考えています。

【フィジーからの報告7】仕事で苦労すること

7月19日 玉井謙吾(商学部3年生)

仕事仲間と

仕事仲間と

 仕事をするうえで苦労する点はいくつかありますが、大きく分けると「英語」と「考えの違い」です。
 言わずもがな、フィジーの公用語が英語だというのと国連のオフィスだということで仕事中は英語を使います。初めに比べると慣れてきたとはいえ、まだまだ聞き取れないことも多く、こちらからうまく伝えられない場面もあります。それでも嘆いていてもどうしようもないのでわかるまで説明してもらったり、メールで確認をとったりして確実に与えられた仕事をこなすようにしています。これは日本でも同じですが、あやふやな部分は残さないことが、当たり前ですが、大切なことだと実感しました。
 考え方の違いは頻繁にあります。もちろん同じ日本人同士でも起こることなのですが、国も言葉も文化も違えば、価値観は異なってきます。そんな時でももちろん自分の意見は大切にしたいので、できるだけ客観的に論理的に説明して意見を採用してもらえるよう説得しています。ただ、お互いが気持ちよく仕事ができるようにもしたいので、時には妥協をして受け入れるようにもしています。
 いちばん大変なのは英語でこうやって議論を戦わせて話し合いをすることです。ネイティブ相手に慣れない英語が伝わりきらないもどかしさが重なると少し辛い時もありますが、逆に日本社会では比較的楽に議論できそうだと思って踏ん張っています。

【サモアからの報告6(西岡)】報告会を通して学んだこと

7月14日 西岡 豪さん(人間福祉学部3年生)

報告会にて

報告会にて

 残り2ヶ月となった6月上旬、私は自分の書いている研究書に関する報告会を行いました。報告を通じて、残りの2ヶ月をより効果的にするのが目的です。
 報告会はPower Pointを用いて行いました。自分の話したいことを出来る限り簡潔にまとめ、見やすいスライドを作る事を心掛けました。自分がどれだけ情報を提示したくても見る側がその情報を次のスライドに移る前に読み切れなくては意味がないからです。当日は丁寧な英語で、報告会を進めました。
 この報告会を行う前、私は「全ての人(参加者)に概要を理解してもらったらそれでいい。そのあとのランチを楽しもう!」という浅はかで逃げ腰の計画をたてていました。しかし計画とは裏腹に、実際は30分の報告会のあと、内容に関して質問や提案(良い点、悪い点)が次々に参加者からあがり、1時間ほどの議論が続きました。報告会の手ごたえはあまりよかったとはいえず、正直失敗だったという気がしていたのですが、報告会後、私は多くの上司から「成功だったね」と言うお言葉を頂きました。ここでの「成功」とは議論が活発に行えたということ。関心深い内容であったからこそ、たくさんの質問が出るし、伸ばすべき所があるからこそ、たくさんの提案がでる。たくさんの議論は、次に繋がる有意義なものでした。
 今回の報告会を通して、私も少しばかり成長できたのではないかと感じています。

【サモアからの報告6(井筒)】チームビルディング・アクティビティ

7月5日 井筒穂奈美(法学部3年生)

スタッフと

スタッフと

 私の活動するオフィスでは、毎月、最終の金曜日に「チームビルディング・アクティビティ」を行っています。これは、スタッフ同士の絆を深めて、チームとして組織力を高めることを目的としたもので、アクティビティの日は午後3時に仕事を切り上げ、その月の担当のスタッフが企画したイベントにみんなで参加します。
 3月は各自がテーマごとにオリジナルの詩を作り、発表する「ポエム大会」、4月は「エアロビクス体験」、5月は「バレーボール・ネットボール大会」が開催されました。そして、6月はバエア山という、サモア・ウポル島にある標高472mの山に登りました。「バエア」とは、サモア語で「巨人」という意味で、大昔、外国へ行ってしまった妹の帰りをずっと待っていた兄のバエアが山に変わってしまった、という伝説が残っています。
 日差しがとても強く、勾配も急だったために、最後まで登りきれるか不安でしたが、みんなで励まし合いながら、何とか山頂にたどり着くことができました。山頂からは、アピア市内とアピア港が一望でき、普段と違った視点からウポル島を見ることができました。
 スポーツや文化活動など、業務以外の活動を通して、仕事では見られない意外な一面を知ったり、普段交流の少ないスタッフと仲良くなったりと、オフィス内のコミュニケーションを円滑にする、とても良い機会となっています。
 7月は私の所属するチームがイベントの企画を担当する予定なので、少し気が早いですが、今から楽しみにしています。

【フィジーからの報告6】ワークショップに参加しました

7月4日 玉井謙吾(商学部3年生)

ワークショップにて

ワークショップにて

 先日行われたNational Volunteer Workshopに参加してきました。
 そのワークショップには在フィジーの海外の各ボランティア団体(JICAなど)やフィジー政府機関、国連機関などが集まり、プレゼンテーションによって現在のボランティアの状況や各団体の活動内容を報告したり、グループディスカッションによってボランティアとは何かなどを再考したりと内容の充実したものでした。
 印象深かったのは、どの場面でも、「若年層」「女性」「環境」「MDGs(国連ミレニアム開発目標)」といったキーワードが使われていた点です。普段の仕事中でもよく聞く言葉ではありますが、ホットな話題なのだなと再認識しました。
 今まで日本で国際学生会議などのイベントには参加したことはありますが、プロの集まるワークショップへの参加は初めてだったので、雰囲気や参加者の姿勢を間近で見ることができて本当にいい経験になりました。
 私はカメラマンとして、一日中カメラやビデオを撮影していました。後日ワークショップのムービーを作ることになっているので、参加者の皆さんに見ていただける事を楽しみにしています。

【サモアからの報告5(井筒)】サバイイ島へ

6月20日 井筒穂奈美(法学部3年生)

儀式でカバを飲む

儀式でカバを飲む

 先日、2泊3日でサバイイ島に出張に行ってきました。サバイイ島は、首都アピアがあるウポル島の西にあり、ウポル島からサバイイ島までは、フェリーで1時間程度です。今回の出張の目的は、2つの環境プロジェクトの視察で、活動状況の把握、村人への調査活動、村長・酋長・婦人会の代表の女性へのインタビューを行いました。訪問した村は海岸沿いに位置していることから、サイクロンや洪水などの災害を幾度か経験しており、今後起こりうる異常気象への備えが急務となっています。受益者である村の人々と話し、彼らの率直な意見を聞くことで、UNDPのプロジェクトがいかに地域に貢献しているか実感したと同時に、改善点もいくつか見つけることが出来ました。
 サバイイ島はウポル島に比べて、より原始的な社会が残っていて、「マタイ」という酋長制度とキリスト教との結びつきによって、文明が発達した現代でも独自の慣習を持ち続けることを可能にしているそうです。自然が非常に豊かで、人々ものんびりと暮していることから、まさに「楽園」のような島だと感じました。
 今回はUNDPサモア事務所の公式訪問として村を訪れたため、サモアの村の儀式で歓迎を受けました。「カバ」と呼ばれる、低木から作った飲み物や、タロイモ・ココナッツなどを使ったサモアの伝統的な「ウム料理」を体験し、サモアの文化にも触れることができました。

【サモアからの報告5(西岡)】サモアの休日

6月18日 西岡豪(人間福祉学部3年生)

サモアの人々と

サモアの人々と

 今回はサモアの休日ついて紹介します。
 サモアでの休日は、まず「のんびりと過ごす」事が前提です。それはこの小さな島特有の先進国には無い価値観です。そのため多くのサモア人が休日ごろりとファレ(サモア特有の家)で寝そべっているのが日常の光景です。
 私はサモアに来た当初、「休日はアクティブに充実した生活をしてやろう」という想いを持っていました。しかし、すぐにその考えはサモアに合わない考えである事を学びました。この灼熱のサモアで充実するには「休日ファレでごろり」が一番だと気づいたのです。
 最近、サモア人の同僚の家に遊びにいき、伝統の料理を楽しい会話とともに食べさせてもらう機会も増えてきました。親戚など、皆が一緒に住んでいる大家族制がサモア流の家族。サモアの人々はサモア人と少しだけ容姿の違う私に興味を持ち、本当に良くしてくれます。休日に大家族と食卓を囲みながら会話することや、食後にだらだら過ごす時間はわたしの好きな時間となっています。
 サモアに来て3ヶ月半、当初は少し恥ずかしかったラバラバ(男性がはくスカートの要なズボン)も今では何の気なしに着こなしています。今週の休日もまたサモア人とだらだら過ごしてしまうのでしょう。

【サモアからの報告4(井筒)】サモア語を学ぶ

6月17日 井筒穂奈美(法学部3年生)

サモア語のテキスト

サモア語のテキスト

 サモアで暮らして3カ月が経とうとしています。業務では英語を用いることから、こちらに来てからもメールや手紙の書き方、電話の受け取り方など、ビジネス英語を日々勉強しているのですが、せっかくサモアで半年間暮らすのならば、サモア語もぜひ習得したいと思い、当初よりサモア語の勉強をしてきました。サモアで活動されている青年海外協力隊の方にテキストを貸していただき、単語や文法を家で覚えては、翌日職場のサモア人スタッフやバスの運転手、村の人たちと話すことで、少しずつ、話すことができるようになってきました。様々な地域で通用するフランス語やスペイン語などに比べて、サモアでしか通用しないサモア語は、勉強するメリットがないのでは、と思われる方もいるかもしれません。しかし、現地の人々にとって、自国の言葉を外国人が話すことは、私たちが想像する以上に嬉しいことのようで、たどたどしくともサモア語で話すと、人々との距離がいっきに縮まる気がします。また、仕事で省庁やNGOの職員と話す機会があるときも、サモア語で挨拶をし、知っている単語を活用して、簡単な文章を言うだけでも、先方の対応がかなり異なり、さらに、マーケットでも値引き交渉が成功しやすくなります。このように、現地の言葉を学ぶことは、生活していく上でとてもプラスになります。今はサモア語の歌をマスターしようと奮闘しています。残りの3カ月の間にサモアの踊りにも挑戦したいと思っています。

【サモアからの報告3(井筒)】ICCRAHプロジェクトに参加して

6月16日 井筒穂奈美(法学部3年生)

自動気象情報収集装置

自動気象情報収集装置

「ICCRAHプロジェクト」という、農業・医療の分野における気候変動への適応を目的としたプロジェクトの現場訪問に行きました。温暖化に伴い、蚊などの媒介動物が発生することで、以前はサモアに存在しなかった病気が発生したり、収穫できる作物の種類が変化したりと、農業と医療は環境問題と直結していることから、それらの分野への影響を最小限にとどめることを目指して、様々な活動を行っています。例えば、医療分野に関しては、保健省と共同で気候変動と病気の関係を研究したり、ワークショップを開催することで、市民にむけて注意を喚起しています。また、農業分野では、環境省と共にサモアの各所に自動気象情報収集装置を設置し、温度や雨量、湿気などの気象データを10分毎に集めています。それらの情報はデータベースとして構築していくともに、農家の人々への情報提供もしており、情報の送信は現地の携帯電話会社の協力によって行われています。このように、環境問題は人々の生活のあらゆる部分に影響を与えることから、一刻も早い対策が迫られており、UNDPだけでなく、サモアの省庁や民間企業などがそれぞれの強みを生かしながら、気候変動への適応にむけてプロジェクトの運営を行っています。今回の訪問を通して、実際に自分の目で活動状況をみることで、このプロジェクトをより具体的に理解できるようになりました。

【フィジーからの報告5】休日の過ごし方

6月14日 玉井謙吾(商学部3年生)

休日の一枚

休日の一枚

 今回は業務とは離れて休日について書きたいと思います。
 おそらく、留学される方は大学の友人や日本から同じく留学に行っている大学生と遊ぶことが多いと思います。しかし、このプログラムは性質上ひとりで国連機関やNGOに派遣されるので、そういった同年代の友人はなかなかできません。かといって同僚はやはり家族を持っていたり、プライベートは干渉しない傾向が強かったりするので、なかなか気軽に仕事の後や休日を一緒に過ごせる存在ができにくい環境にあります。
 そんな中で同じUNVの方でいつもどこかに出掛けないかと誘ってくださる方がいて、これまでも仕事の後に英語のレッスンと称しておしゃべりをしたり、離島やプールに連れて行ってもらってさらにそこで新たな出会いをしたりと貴重な機会を頂いています。仕事上でも関わりの多い方ですが、同じUNVや若者に対する気遣いをよくしてくださる方で、本当にお世話になっています。
 また、JICAの青年海外協力隊や日本大使館の方々とも仲良くさせてもらっていて、サッカーをしたり食事をしたりしながら、日本語が話せる落ち着いた時間を楽しんでいます。
 一般的な留学と違って同年代の友人はできないものの、縁があって人生経験の豊富な方々に出会って様々な話が聞けるのも貴重な経験となっています。

【サモアからの報告4(西岡)】ワークショップに参加して

6月9日 西岡豪(人間福祉学部3年生)

ワークショップにて

ワークショップにて

 こんにちは、西岡豪です。今回は先月フィジーで行われたUNESCOの“Regional workshop”について書かせていただきます。
 このワークショップのテーマは“HIV/AIDS and Sexual Reproductive Health education”。日本語に訳すと「どのようにHIV/AIDS教育及び性教育を効果的に取り組んでいくか、導入できるか」を考えるためのワークショップです。このワークショップには太平洋にある14カ国の政府関係者が招待され、私はアシスタントとして参加させていただきました。進行から書類整理など、さまざまな仕事に携わらせていただき、私は多くの事を吸収させていただきました。
 この仕事を通して最も印象に残ったのは「一つ一つの国の違い」です。小さな島々14カ国とはいえ、様々な個性があり、同じ政策が通用するとは限りません。そのため各国ではその国に応じた政策導入方法があり、それは政府主導のもと行われます。前提条件に逆らった方法で政策を進めると、人々は“taboo”の意識を持ち、その政策は成功しません。各々の国が持つルール、マナー、常識などは全て違うのです。
 私は現在HIV/AIDS教育の文献を作成するため、サモアを調査・研究していますが、このワークショップを通して、“サモア”特有の条件をもっと深く見る必要性を感じました。気がつけば派遣期間も残り2ヶ月ほど。このワークショップで学んだ事を生かし、サモアに合った政策の導入方法を思索したいと思います。

【フィジーからの報告4】切手プロジェクト

5月29日 玉井謙吾(商学部3年生)

 

 

 5月も終盤になり、そろそろ折り返し地点が見えてきたこの時期、フィジーは涼しくなってきました。雨のシーズンでもあり、首都スバは今日も曇天です。梅雨入りが早かった日本も似たような天気でしょうか。
 当初はUNVのウェブサイトの立ち上げがメインの仕事でしたが、最近は「切手プロジェクト」に重きを置いて仕事をしています。
 今年は国際ボランティア年の2001年からちょうど10年のアニバーサリーイヤーなのですが、その調査及び広報に従事されている国連ボランティアの方の提案でPost Fiji(フィジーの郵便会社)とコラボレートしようということになり、UNVのロゴやメッセージをあしらった切手を作ることになりました。
 私はその切手のデザインをしていて、パソコンを使って画像処理作業を行っています。自分のパソコンには有償のソフトは入っていなかったので、慣れ親しんだフリーソフトでロゴやスキャンしたポスターを加工しています。
 これは季節ごとの切手コレクションシートとして、フィジーでは来年初頭に発売される予定です。現在、周辺国であるサモアやツバルの郵便会社とも交渉中で、そちらでは早ければ年内に発売できそうです。発売は派遣終了後になりますが、説明冊子に自分の名前も掲載されるらしいので、完成が今から楽しみです。

【フィジーからの報告3】UNVとボランティアリズム

5月9日 玉井謙吾(商学部3年生) 

先日帰国された日本人UNVの方と

先日帰国された日本人UNVの方と

 今回はUNVという国連機関について書きたいと思います。
 UNVはUnited Nations Volunteers Programmeの略で日本語で国連ボランティア計画といいます。UNDP(国連開発計画)の下部機関として1970年の国連決議によって創設され、地球規模でのボランティアリズムの推進、そしてボランティアを動員することを通じて人間開発をサポートする国連機関です。開発途上国における開発支援や紛争地域での緊急援助、その後の平和構築活動を実施するため、世界中から貢献する意志のある国連ボランティアを募り、各国政府や国連機関、NGOなどの要請に応じて現地に派遣しています。
 フィジーにも現在私を含めて4人の国連ボランティアがおり、出身地域はバラバラです。人数が少ないからか仲間意識は強く、一緒に食事をしたり仕事を手伝ったりしています。私の派遣分野であるICTに関係するドキュメントの作成やウェブサイトに関わる仕事をすることが多いです。
 どの人もボランティアリズムに則って仕事をされているので、普段からその人間性から学ぶべき点は多くあります。優しさとはまた違う何かを感じます。
 日本語で「ボランティア」というと社会貢献活動と大きく捉えられがちですが、そこに自主性や利他の精神と心身の献身が加わったものが理想のボランティアリズムだと思います。ここで学んだボランティアリズムを体現し、日本や学生に還元するべく、帰国後にもさまざまな活動をしていきたいと考えながら日々を過ごしています。

【サモアからの報告2(井筒)】バスの乗り方

4月28日 井筒穂奈美(法学部3年生)

バス

バス

 今回はサモアでの生活についてお話したいと思います。私は、毎朝、自宅からオフィスまでバスに乗って通勤しています。サモアのバスは少し変わっていて、①時刻表がない、②料金設定がない、③必ず座らなければならないのです。
 時刻表がないため、何時にバスが来るかわかりません。運がよければ家のすぐ前からバスに乗れるのですが、運が悪いとなかなかバスが来ないため、途中まで歩いていくことになります。日本の1分単位で決められた時刻表の感覚は、サモアでは通用しません。
 バスの運賃に関しては、だいたいの相場はあるのですが、厳密には決まっておらず、運転手もあまり気にしているように見えません。私も小銭が足りないときは、少なめに支払い、その代わりに次の日に多く払うようにしています。
 とてもおもしろいことに、バスの中では、“必ず”座らなければなりません。席が混んでくると、子どもたちはすかさず大人の上に座ります。また、とても混んでいるときは、大人の上に大人が座ることもあります。最初は驚いたのですが、今ではバスが混み始めると、体の小さい私はためらうことなく、さっと人の上に座るようになりました。サモアの人々は、私たち日本人に比べて、ふくよかな人が多いため、バスの中は少々窮屈ですが、みんなとてもフレンドリーで人懐っこく、バスでの通勤は気に入っています。

【サモアからの報告3(西岡)】衝撃的な出会い

4月16日 西岡豪(人間福祉学部3年生)

ペアティと私

ペアティと私

 それから数日後、あるパーティーで偶然出会った赤十字で働く女性から驚くべき事実を聞きました。彼女(ペアティ)がサモアで唯一のHIVポジティブ感染者であるということ、また、彼女は既に夫と息子をHIV感染で亡くしているにも関わらず、赤十字においてHIV/AIDS対策と支援活動に携わるサモアでは有名な女性だということを知ったのです。あんなに元気で無邪気な彼女がまさかと思いましたが、その思いとともに自分にも何か出来ることはないかと考えるようになりました。
 後日、UNESCOで私の仕事を決める話し合いの際に「あなたが主に従事したい、関心のある事はありますか?」というディレクターの問いかけに対し、即座に私は「HIV/AIDSの分野に携わりたい」という想いを伝えました。これがきっかけとなり、私はHIV/AIDS 教育のアシスタントとしてHIV/AIDS教育の研究レポートを作成することが決まりました。
 自分も何かしたいという突発的な思いから従事することになったこの仕事は、想像していた通り大変な仕事です。書類の山を読みあさる日々が続いています。しかしこれをやり遂げ、ペアティ、UNESCOに少しでも貢献できればという気持ちを持ち続け、残りの数ヶ月自分の任務に努めたいと思います。
 この仕事はまさに私の「挑戦」。陰ながら応援していただければ嬉しいです。

【サモアからの報告2(西岡)】2ヶ月が経ちました

4月16日 西岡豪(人間福祉学部3年生)

事務所外観

事務所外観

 第一回目の日誌から期間も空き、私が「日いずる国」を離れて早2ヶ月が過ぎました。小さな島「サモア」の"slow life"という印象に反して、激しい日々を送っています。
 今回はサモアに来てからの私の仕事内容を紹介したいと思います。私の働く“UNESCO-Apia”とはその頭文字の通り、各分野(教育、科学、文化)に分かれ、様々な分野のスペシャリストがサモアを含めたPacific全体(14カ国)を管轄しています。そんな大所帯の機関での私の仕事は、教育分野に属する「HIV/AIDS 教育」です。
 なぜこの分野であるのか。なぜHIV/AIDSであるのか。
 私はニュージーランドからサモアへの4時間の便である女性と出会いました。彼女はサモアの赤十字で働く、よく話す、よく食べる、言わば、一般的なサモア人のおばさんでした。飛行機でも少し緊張していた私に絶えず話しかけてくれ、あっという間の時間(とき)が過ごせたことを私はいまでも覚えています。その後、計16時間のフライトを終えサモアに降り立ったあと、私は彼女に電話番号を頂きその場を後にしました。この出会いが私にとって後に衝撃的な出会いとなりました。ちなみにこの頃は彼女の名前(ペアティ)しか私は知りませんでした。→報告3へ続く

【フィジーからの報告2】私の仕事

4月14日 玉井謙吾(商学部3年生) 

オフィスの窓から見える夕陽

オフィスの窓から見える夕陽

 今回は実際の業務について紹介します。
 私はICT(Information and Communication Technology)分野での活動をするため派遣され、主にWebサイトの運営や更新を行っています。具体的にはフィジーに事務所があるUNVやUNDPのサイトの運営です。最近は特に、情報が古くなってしまったUNVのサイトを新しく刷新すべく、与えてもらった写真やドキュメントをもとにコンテンツを作成しています。コンテンツを作成しては上司にチェックをしてもらう、ということを繰り返しています。
 ずっとパソコンを操作する仕事なので単調ではありますが、フィジーのUNVが管轄する周辺の9つの国の様々な表情を見せる写真を見ては癒されています。
 他にもICTに関連する仕事、つまりパソコンに関連する仕事を同僚の方の要望に応じておこなっています。仕事をしながら学ぶことも多く、毎日勉強です。
 今のところICTに関する仕事がほとんどですが、コンテンツを扱う際は日本で学んだMDGsなどに関する知識や国際機関に関する教養が生かされてうまく仕事が進んでいることを実感しています。ICTに関する技術のみならず、国際協力に興味・関心がないとこの仕事はできません。仕事に誇りを持ちつつ、分からないことはしっかり調べて吸収するように心がけています。
 これからも与えられた仕事をこなしつつ、多くの経験と知恵を得ていきたいと思います。

【サモアからの報告1(井筒)】サモアに来て2週間

4月8日 井筒穂奈美(法学部3年生)

オフィス

オフィス

 サモアに来て2週間が経ちました。住居も見つかり、ようやく生活も落ち着いてきましたが、大きなゴキブリと獰猛な犬にはまだ慣れそうにありません。
 私が働いているUNDPサモアオフィスは、”Multi Country Office” と呼ばれていて、サモアだけでなく、クック諸島、トケラウ諸島、ニウエ島の4つの地域を管轄しています。そして、主に環境問題に関するプロジェクトを運営していて、これら4つの地域で様々な活動を行っています。私の業務内容は、それらのプロジェクトのアシスタントで、現在は書類の管理や会議・ワークショップ等の日程の調整を行いながら、プロジェクトについて学んでいます。毎日忙しく、途上国での暮らしということで不便なこともありますが、非常に充実した日々を送っています。
 このような貴重で素晴らしい機会を与えていただいたことに感謝を忘れず、9月の派遣終了までにたくさんのことを吸収して帰りたいと思っています。

【フィジーからの報告1】活動が始まりました

3月30日 玉井謙吾(商学部3年生) 

事務所の同僚たちと

事務所の同僚たちと

 みなさん、フィジーというとどういうイメージをお持ちですか?多くの方がキレイな青い海、リゾートなどを思い浮かばれることでしょう。私もそういったイメージを抱きながらフィジーに来て、早くも2週間が経ちました。日本の5月くらいの気候のフィジーの環境にも慣れ、毎日忙しくも有意義に過ごしています。
 今回はICTの分野で派遣され、主にフィジーのUNVの事務所でwebサイトの作成と更新を行っています。事務所は国連の各機関が入ったビルの中にあるので、自分は国連で働いているんだという意識も生まれ、嬉しくもあり気を引き締めて業務に当たっています。同僚の方も様々な国の方がおられますが、やはりフィジアンの方が多く、気軽に声を掛けてくださいます。
 日本の震災の前日に発ち、当日に現地入りした今回の派遣。このことによって今まで人生の中でずっと考えてきた、国際協力とは何か?ということをフィジーでの活動を通じて再び考えさせられています。日本に対する国際協力も自分なりにしていくつもりです。
 この日誌では実際の業務についてはもちろん、自分がフィジーで感じた日本や先進国との違い、国際協力とは何か?ということについて発信していければと思っています。これからどうぞよろしくお願いします。
 ちなみに、ここ首都スバはイメージとは少し違う都市でした。そんなイメージとの違いについても言及していけたらと思います。

【サモアからの報告1】地震と津波のニュース

3月15日 西岡豪(人間福祉学部3年生)

サモア新聞の一面

サモア新聞の一面

 常夏の島、独立国サモアにきて早いもので2週間が立ちました。サモアでは春の訪れを揶揄するかのごとく豚の鳴き声が大きな音で私を起床へと導いてくれます。
 初めまして、人間福祉学部社会起業学科の西岡豪です。私は2月24日からUNESCO-Apiaへと派遣され元気に働いています。初めの一週間は家探しや事務作業が多く、本格的な仕事は二週目から始まりました。今回の報告ではサモア人含め、各国の人々について感じた事を書きたいと思います。
 3月9日(Samoan time)、日本の歴史上最大の津波と地震が起こりました。日本から一日と5時間時差があるサモアの現地新聞でも一面となり大騒ぎとなっています。そんな中、地震の当日私は職場へと足を運びました。そこでは様々な人に「家族は大丈夫?家からはどのくらい遠いの?」などと声をかけていただきました。またある一人のサモア人男性は「二年前にサモアでも大きな津波が起こり、自分は親を亡くし怖い事を知っている」といきなり私をハグしてくれました。
 私はこの津波、地震を通して本当に辛い想いをしている方々に復興への強い祈りを捧げるとともに、こんなに離れた世界でも人々は心配し、励まそうと必死である事を日本のみんなに伝えたいと思います。私は日本に行く事はできませんが、サモアにおいて日本人としての誇りを見せたいと思っています。