8 中心極限定理


 なぜ,よく算術平均値を用いるのでしょうか? 今まで,紹介したように,数多く平均があるにもかかわらず,平均と言われれば算術平均なのでしょう? それには次のような理由があるからです。

 一般の母集団の要素の数は無限個を想定します。そして,そこからいくつか取り出し,有限個の要素からなる集合(それを標本と呼びます)を考えます。その時,次のような驚くべき性質が成り立つのです。

のです。これを数学的に記述しますと,

 このように,標本変量から計算される量(標本変量の関数)を統計量といいます。上のように決めますと,次の定理が成り立ちます。

 母集団が正規分布なので,それから抽出した平均も正規分布に従うというもので,これはなんとなく想像がつきます。驚くべきことは,次の定理です。

 この定理は,母集団の分布がどのような分布であっても,その標本平均は,正規分布に従うことを言っています。本当に,この様なことが成り立つのか下のアプレットで確かめてみましょう。3つの分布を選択し,指のところを,軽くドラッグして見てください。









 この定理は高度な数学理論を用いることにより,証明することができますが,ここでは省略します。興味ある方は,各自,調べてみましょう。とにかく,標本平均は正規分布にしたがうということだけは,よく利用しますので記憶しておこう。