1.超幾何分布の性質
 この分布は親しみやすい分布です。母集団が2つの性質,ある性質を持つものと持たないもの(例えば,不良品と良品など)に分けることができる場合に利用されます。

 今,赤球 N0 個,白球 N 個入っている袋から,n 個取出すとき,その n 個の中の赤球の個数 X の分布は,超幾何分布 H(N,N0,n) (ここで,N=N0+N とする)

に従います。

確率密度関数:


平均: 

分散: 



 実際には,上の例題において,赤球を不良品の蛍光燈 N0 本,白球を良品の蛍光燈 N1 本,この中から n 本を取出す場合の分布と考えられます。N0 本は分かっていませんが経験上分かっているとします。これを,数学的に条件にしますと,N0 は N の関数 N0(N) で,0<N0(N)<N として, となります。

 上の条件を満たすとき,超幾何分布には,次のような性質があります。

性質1.N を十分大きくとると超幾何分布 H(N,N0,n)は二項分布 Bin(n,p) に近づく。ただし,N0=Np,N1=N(1-p) とする。

[証明]仕方がないので,左辺をばらしてみましょう。





 上のグラフの各変数のバーを動かして(ドラッグしなくても適当なところで左クリックすれば動きます)みて下さい。全体の数,赤球(不良品)の数,取出す数がどのような値の時に,二項分布に近づくか見ることができます。一般に,全体 1000 個位あれば不良品や取出す個数にかかわらずにほぼ二項分布で近似することができます。1000 個以下の時でも,赤球の数と取出す個数が小さい時,二項分布で近似できることが分かります。
 
 今,5000 個の製品の中に 3% の不良品が入っており,この中から 10 個の製品を取出す時,高々 2 個の不良品が含まれている確率を求める時,超幾何分布 H(5000,150,10) を二項分布 Bin(10.0.03) で近似する時などに用います。(答は 99.7%)