大数の法則

データをグラフにしました。



[問題1]
 ある年の1歳から15歳までの女子と男子の身長の平均的な伸びをグラフにしたものです。これを見れば,10歳を境に女子が伸び始め,2年後男子の身長が伸びはじめていることが分かります。

 ということはともかく,このデータは一体どのようにして測定されたのでしょうか? その年の1歳児から15歳児までの児童全員の身長を測定結果より求められたのでしょうか?

[問題2]
 さいころの1の目が出る確率は,よく 1/6 であると言われます。どうして,1/6 になるのでしょうか? もしかして,天使は,どんなに正確な立方体のさいころに対しても,他の目よりも 2 の目を特に好み,出る確率を多くしているかもしれません。

 さあ,それぞれの問題に対して,あなたならどのように答えますか?

 問題1に対しては,当然,全児童の身長を測定した結果から平均身長を求めたわけではありません。そのようなことをすれば,精密さは高くなりますが,経費と時間が膨大にかかるでしょう。それは,適当な人数を任意に抽出し,それらから全体の平均を求めたものだと思います。
 でも,経費と時間が許す限り,より多くのデータから平均を求めた方が,真の平均値に近づくでしょう。
 それを,「大数の法則」と呼びます。

 問題2に対しては,さいころを無限回振ることにより,1の目が出た回数を,振った回数で割っていけばよいわけですが,これも,現実的ではありません。
 しかし,経費はかかりませんが,時間が許す限り,より多くのデータからその割合を求めた方が,真の割合(確率)に近づくでしょう。
 それを,「ベルヌーイの大数の法則」と呼びます。

 そのことを,数学的に説明してくれるのが,今から述べる「大数の法則」です。「〜法則,〜原理」と聞けば,一般に数学的に証明されていない(このようなことを言えば,自然科学者から怒られそうですが)ことがらを思い浮かべます。ところが,この大数の法則は,ベルヌイによって 1713 年に数学的に証明されたにもかかわらず,定理と呼ばれていません。不思議です。

さいころを用いたベルヌーイの大数の法則



 どのようなものか,百聞は一行にしかずという格言? がありますので,さいころの目の出る確率が,1/6 であるかどうか,シュミレーションをして確かめてみましょう。

 普段,さいころを 10,000 回も振ることができません。それを,このシュミレーションで確かめてみることにしましょう。

(step1) 上のチェックボックスにチェックが入っている目のグラフが現れます。見たい目のチェックボックスに,チェックを入れて下さい。

(step2) 次に,「start」ボタンを押して下さい。

(step3) すると,グラフが現れ,「回数」と「割合」と「偏差」が試行とともに変化します。「回数」はその目が出た回数,「割合」は出た目の回数を試行回数で割ったもの,「偏差」は割合と 1/6 との絶対値の差を表します。

 このように,確かに 1/6 に近づくことが分かります。

 今までのことを,数学的に表現します。

 これは,確率変数 は,n が十分大きくなると,定数 μ に限りなく近づくということを表しています。。

 上のシュミレーションにおいて,例えば,r を1の目の出た回数,n は試行回数,p は 1/6 と考えてみたら良いでしょう。

 結構当たり前なことですが,数学的に証明することも可能なのですね。

 他のシュミレーションもあります。
ここをクリックしてみて下さい。

 次に,当たり前のようで,そうでないことがらを紹介しましょう。