4 パーティーのおつりは?
同窓会の幹事を行なって,頭を悩ますことがおつりの問題です。
参加費を 2500 円としたところ,幹事の気持ちも知らず,当然のように 3000 円を出す人がいます。「今まで,みんなの面倒を見てあげているのだから,当日くらい協力してほしい」と思うのですが・・・。幹事も慣れたもの,同窓会が始まるまでに,フロントへ行って先に何枚かの 500 円硬貨を用意しておきます。でも,いくら用意しておけばよいのでしょうか? そのシミュレーションを行なうことにしましょう。
下のシミュレーションを見て下さい。入力値を,
とします。横軸はパーティの集金が完了したときに残った 500 円硬貨の枚数を表し,縦軸は上の条件でパーティーを 1000 回行なったときの回数を表します。例えば,横軸が -30 で,縦軸が 50 としますと,1000 回パーティを行なって,500 円硬貨が 30 枚足りなかった回数が 50 回あったということを意味します。
上のシミュレーションから,500 円を持っている人の確率と,パーティーに参加する人数を与えると幹事は 500 円硬貨をいくら用意しておけばよいか想像はつきます。しかし,具体的にどれだけの量を用意しておけば判断がつきません。
その目安を統計は与えてくれるのです。つまり,判断基準を用意してくれます。それは,次のように考えます。
100 人に対して,500 円硬貨をもっている人の確率を 0.5 としたとき,500 円硬貨を持っている人数の区間をどのようにとれば,95% 以上になるか。これを,数学的に考えると書き換えます。
問題 500 円を持っている確率を 0.5 とする。今,あるパーティーに参加した 100 人に対し X 人が 500 円硬貨を持っていると仮定すると,P(|X-50|<a)≧0.95 となる a の値を求めよ。(50 は 100×0.5=50 から得られた値です。)
[解答]
500 円を持っている人数を値にとる確率変数を X とすると,X は二項分布 Bin(0.5,100) にしたがうから,平均値 μ=100×0.5=50,分散 σ2=100×0.5×0.5=25 とすると,
は近似的に,標準正規分布 N(0,12) にしたがう。よって,X-40=5Z となるので,
となる。したがって,正規分布表より,0.2a=1.96 より a=9.8 となる。(95% のときは,よく利用するので,1.96 となることを覚えておくと便利です。)
このことは,P(40<X<60)>0.95 であることを意味します。つまり,100 人中 500 円硬貨を持っている人は,95% の割合で 40〜60 人となります。したがって,
40 人持っていたとき,40-60 = -20(枚) ←不足枚数
60 人持っていたとき,60-40 = +20(枚) ←余り枚数
500 円硬貨が 60 枚あるとき,40 人におつりを渡すことが可能です。よって,20 枚用意しておけば,十分であることが分かります。95% が一つの判断基準となっています。つまり,100回 パーティーを行なったとき,95 回はおつりに困らないでしょう,ということです。この他,99% という判断基準もよく用いられます。
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練習問題1 上の問題において,500 円硬貨を持っている確率が 0.4 であるとき,P(|X-40|<a)>0.95 を満たす a の値を求めよ。
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