6.分布の性質
 XY が互いに確率的に独立で,それぞれ χ2(m),χ2(n) にしたがうとき, の分布を,自由度 (m,n) の分布 (m,n) と言って,その密度関数は,

となります。ただし,x>0 とします。この分布は,理論値と実際に起こった値との差を評価するのに用いられます。天気予報の降水確率を評価するのに用いるとよいかもしれません。一般に,分散分析を行なうときに用いられます。

 では,実際どのようなグラフになるか見てみることにしましょう。

確率密度関数: 



平均:  

分散:  



 このややこしい分布 F分布 は,統計学者フィッシャー(R.A.Fisher) に由来があり,「差を比較する」ようなときに,用いられるとても有効な分布です。例えば,ラーメンのだしの成分10種類をいろいろと調合し,どのようにすると最も良い味になるか,など考えるときに利用されます。
 
性質1.F分布 F(m,n)とχ2分布 χ2(m) には次の関係が成り立つ。

ただし,Y=mX とする。
[証明]利用する式は, となること,また,ベータ関数 ,そしてガンマー関数 です。これさえ,分かっていれば,後は力ずくでもっていきます。s=mt と置きます。下の分布のグラフは,変換後のグラフです。
 




 
 ということで,変換を施すことにより,分布はχ分布に近づいていくことが分かります。
 
性質2.F分布 F(m,n)と二項分布 Bin(p,q) には

という関係がある。ただし,m1=2(k+1), F=m2p/m1q, p>0, q>0, p+q=1 とする。
[証明]証明は, を用います。