2 母平均の推定

 全国の小学5年生の身長の標準偏差は,2cm でした。今,25 人の5年生の無作為標本をとってその身長を測定するとき,これらの測定値の標本平均の誤差は,いくらになるでしょうか? もうお分かりですね。全国の身長の誤差は 2cm ですから,25 人の測定値の平均の誤差は,cm となります。

 それでは,上の誤差が 95% との精度にするにはどうするとよいでしょうか? §1の正規分布で学習しました標準正規分布(平均 0,分散 1)において,-1.96〜1.96までで 95% となりました。よって,上の例では標準偏差が 2cm なので,標準正規分布に変換するには,1.96 倍します。したがって,

となります。取出す個数を,大きくするとその標本の平均値の誤差は,95% の精度で 0.784cm となります。

 それでは,次の例題を,見てみましょう。大体理解できたと思いますが,実際利用しようとすると,「いくつとれば良いのか」と言う疑問が湧いてきます。十分大きな n って一体どれくらい? 次の例題が,解決してくれます。

例題1 今,正規分布にしたがう 1023 個の母集団があります。このとき,皆さんが適当に取り出す個数を決めて,その標本の平均をみて見ましょう。本来なら,母集団の大きさは無限ですが,この際,1023 が十分大きいとみなします。一度,動かしてどれくらい標本平均が正しいか見てみて下さい。


では,誤差が1とするには,一体どれくらい取出せばよいでしょうか?
[解答]
 上の例題において,母集団の誤差は 6.25,標本の誤差を 1 とします。このとき,95% の精度で推定しますと, という関係式が成り立ちます。したがって,この式を解くと,n=150 個となります。みなさん,本当に正しいかどうか試してみて下さい。

 結構,取出す個数が少ない値で,母集団の平均を推定することができますね。

例題2 ある工場の経験によれば,無作為に選ばれた1人の工員がある種の仕事を完遂するのに要する時間は近似的に標準偏差10分の正規分布にしたがうという。
(1) 16人の工員からなる無作為標本を選んで,確認に仕事をやらせるとき,所用時間の母集団平均の推定値の誤差を求め,平均値の範囲を指定せよ。。
(2) もし100人の工員が選ばれたとしたら,推定値の誤差はどのくらいになるか。
(3) 母集団の平均推定値の誤差を3分にするには何人の工員を取出せばよいか。
ただし,確率は0.95とする。
[解答] これも,同じですね。
(1) 
(2) 
(3)