§4 ベータ分布の性質
 ここではベーター分布を紹介します。

 この分布の意味は,余り適当な例がありませんが(比較的用いられない),次のように考えて下さい。独立に一様分布 U(0,1) に従う p+q-1 個の確率変数を大きさの順に並べ替えたとき,小さい方から p 番め(大きい方からは q 番目)の確率変数 X の分布がベータ分布 B(p,q) となります。

 下のグラフの p,q のバーを上下にドラッグしますと,グラフが変化します。どのような値のときに,どのような形のグラフになるか,いろいろと確かめてみて下さい。ただし,B(p,q) をベータ関数

とします。

確率密度関数:


平均: 

分散: 



性質1.一様分布はベータ分布の特別な場合である。
[証明]これは明らかで,ベータ分布において,p=1,q=1 とおくと,f(X)=1 となります。実際,上のグラフで確かめてみると,一様分布に近づいていく様子が見られます。

 次に,このベータ分布で, とおき,q を十分大きくとりますと,ガンマー分布 Γ(p,σ) の特別な場合 Γ(p,1) に近づく説明を行ないます。その前に,少々予備知識が必要です。高校の数学Vを履修した方は,ご存知だと思いますが, となります。e の値は,e = 2.71828・・・で,無理数(円周率のようなもの)です。また,ベータ関数とガンマー関数,ベータ分布とガンマー分布の密度関数を確認しておきましょう。

性質2.ベータ分布のガンマー分布近似
 ベータ分布とガンマー分布には次のような関係があります。

ここで,確率変数 X はベータ分布,確率変数 Y はガンマー分布に従うとします。

 [証明] ベータ分布において とおきます。すると,





 証明は,少々ややこしいですが,上のグラフにおいて,ガンマー分布に近づいていることが分かります。q の値を 50 にすると,ほぼ一致していることに気がつきます。

性質3.ベータ分布と二項分布には次の関係があります。

[証明]これは,左辺の部分積分をこつこつと行なえば求めることができます。ベータ分布が二項分布と関連があるということですね。