§1 数と式
数と式章末問題解答ヒントと解説


1]
[解説]
 割り算を行なうとき,0 となる場合があるので,文字の扱いに注意すること。与えられた,2方程式を直線として考えると考え易い。
関連項目:1.「0」の使用上の注意 練習問題3

[解答]
 まともに計算してみる。

したがって,両辺を a+2 で割るが,ここで,a=-2 のとき a+2=0 となるので,場合分けを行なう。
(1) a-2 のとき
 両辺を a+2 で割ことができるので,
(2) a=-2 のとき
 もとの式にもどって考える。すると,ax+y=b は,-2x+y=b となる。すなわち,2x-y=-b となる。よって,もとの式は,

と書ける。この2式を直線とみなすと,傾きが等しいことに気がつく。
・b3 のとき,互いに平行となるので交点はなく,解なし。
・b=3 のとき,傾き および y切片 が等しくなり一致するため,解は無数。まとめると,



2]
[解説]
 因数分解のパターンがいくつかあったので,もう一度見直すこと。
 関連項目:3 因数分解 例題1, 例題3

[解答]
(1) (a2-b2)x2-a2+b2=(a2-b2)x2-(a2-b2)=(a2-b2)(x2-1)=(a+b)(a-b)(x+1)(x-1)
(2) 3x2-4xy-4y2=(3x+2y)(x-2y) (← y を忘れずに!!)
(3) (x2+4x)2-(x2+4x)-20=(x2+4x-5)(x2+4x+4)=(x-1)(x+5)(x+2)2
(4) x2+(3y+2)x+(y+1)(2y+1)=(x+y+1)(x+2y+1)


3]
[解説]
 剰余の定理を直接用いる問題である。
 関連項目:4 剰余の定理 例題1, 練習問題2
[解答]
 剰余の定理を用いると,P(x)=2x3-3x2+x-2 なので,
(1) P(1)=2-3+1-2=-2
(2) P(-1)=-2-3-1-2=-8
(3) 


4]
[解説]
 「割り切れる」ということは「余りが 0」となる。
 関連項目:4 剰余の定理 練習問題1

[解答]
 剰余の定理より P(x)=2x3+ax+5 を x+1 で割った余りを求め,それが 0 となるように a の値を定めるとよい。
 P(-1)=-2-a+5=0
よって,a=3 となる。


5]
[解説]
 関連項目:5 因数定理 例題3練習問題2

[解答]
 剰余の定理より f(2)=8+2a+b=2, f(-3)=-27-3a+b=-3 となる。よって,

を解くと,a=-6, b=6 となる。したがって,もとの式は f(x)=x3-6x+6 となる。ゆえに,f(x) を x-1 で割った余りは,f(1)=1-6+6=1 となる。



6]
[解説]
 因数定理のための問題である。
 関連項目:5 因数定理 まとめ2, 例題1

[解答]
 因数定理を用いて,割ることのできる因数を見つける。たいてい,x=-1,1,-2,2 を代入するとよい。そこで,P(x)=x3-6x2+11x-6 とおくと,
(1) P(1)=0 となるので,P(x) は x-1 を因数に持つ。すなわち,x-1 で割り切れる。

(2) P(1)=0 となるので,P(x) は x-1 を因数に持つ。すなわち,x-1 で割り切れる。



7]
[解説]
 細かいところに注意すること。何に対して恒等式となっているのか? この場合は,x に関して恒等式となっている。つまり,「x がどのような値をっとっても成り立つようにせよ」ということである。
 関連項目:5 恒等式 例題1

[解答]
 x がどのような値でも,この式が成り立つようにする。与式をまとめてみると,

となる。ここで,x に着目しまとめると,(a-2)x+(1-a+b)=0 となる。x がどのような値でも成り立つには,a-2=0, 1-a+b=0 となればよいので,a=2, b=1 となる。



8]
[解説]
 等式の証明で一番よく利用されるパターンは 左辺-右辺=0 .
 関連項目:7 等式の証明 例題2

[解答]
 左辺-右辺=0 となることを示す。

ところが,条件より a+b+c=0 なので,a(a+b+c)=0 となり,左辺-右辺=0 が示せた。



9]
[解説]
 両辺が正であること,根号が含まれていることから・・・。
 関連項目:8 不等式の証明(1) 基本4練習問題2

[解答]
 両辺はともに正なので,2乗しても大小関係は変わらない。したがって, を示せばよい。

ゆえに,左辺-右辺0.ただし,等号は a=b のとき成り立つ.



10]
[解説]
 何が何であるための条件か? 主語が大切である。
 関連項目:10 必要条件と十分条件(1) 例題1
 関連項目:11 必要条件と十分条件(2) 例題1

[解答]
 10 必要条件と十分条件(1)例題1に沿って示すことにする。主語は青色で表現している。
(1)
 富士山である→日本一高い山 真
 日本一高い山→富士山である 真
 「富士山である」ことは「日本一高い山」であるための 必要十分条件 (C)
(2)
 a2=b2 → a=b 偽(反例:a=-1, b=1)
 a=b → a2=b2 真
 a2=b2 は a=b であるための 必要条件 (A)
(3)
 x=1 → x2=1 真
 x2=1 → x=1 偽(反例:x=-1)
 x=1 は x2=1 であるための 十分条件 (B)
(4)
 x<1 → x2<1 偽(反例:x=-2)
 x2<1 → x<1 真
 x<1 は x2<1 であるための 必要条件 (A)
(5)
 ab=1 → a=1 かつ b=1 偽(反例:a=0.1, b=10)
 a=1 かつ b=1 → ab=1 真
 ab=1 は a=1 かつ b=1 であるための 必要条件 (A)
(6)
 ax=1 偽(反例:a=0 のとき,x の解はないため)
  ax=1 真
 ax=1 であるための 必要条件 (A)
(7)
 a=b=0 → a2+b2=0 真
 a2+b2=0 → a=b=0 真
 a=b=0 は a2+b2=0 であるための 必要十分条件 (C)
(8) 
 4辺形 の4つの辺が等しい → 平行四辺形 真
 平行四辺形 → 4辺形 の4つの辺が等しい 偽(反例:平行四辺形は対辺が互いに平行)
 4辺形 の4つの辺が等しいことは 平行四辺形であるための 十分条件 (B)
(9)
 ab=0 → a=0 偽(反例:a0,b=0)
 a=0 → ab=0 真
 ab=0 は a=0 であるための 必要条件 (A)
(10)
 x>1 → x<2 偽(反例:x=3)
 x<2 → x>1 偽(反例:x=-2)
 x>1 であることは x<2 であるための 必要条件でも十分条件でもない (D)


11]
[解説]
 2次式で割ったときの余りの次数を考える。
 関連項目:5 因数定理 例題3

[解答]
求める余りを ax+b,商を Q(x) とおくと,

となる。一方,題意を剰余の定理を用いて表現すると,P(1)=8, P(-2)=2 となる。したがって,(ア)へ代入すると,

よって,a=2, b=6. ゆえに,求める余りは 2a+6.



12]
[解説]
 「m の値にかかわらず」がポイント。これを言い換えると「どんな m の値でも」ということになる。すなわち,m に関する恒等式となるように x,y を定めればよい。
 関連項目:6 恒等式 例題1

[解答]

ただし,直線x=-2を除く


 m に関し,恒等式となるように x,y を定める。与式を m に関して整理すると,

となる。これが m に関して恒等式となればよいので,x+2=0, 1-y=0 . よって,求める定点は,(-2, 1).
 図形的にいうと,どんな傾きであっても定点を通るという意味となる。



13]
[解説]
 比例式の問題は,その式の値を k とおくことが定石。
 関連項目:7 等式の証明 練習問題3

[解答]
 式の値を k とおく。つまり,とおく。すると,

となる。辺々加え合わせると,

したがって,a+b+c=0 または k=0 となる。ここで,k=0 のときを考える。
 k=0 のとき,b-c=0, c-a=0, a-b=0 となる。このとき,a=b=c となる。ゆえに, が成り立つとき,a+b+c=0 または a=b=c が成り立つ。



14]
[解説]
 不等式の証明で一番よく利用されるパターンは 左辺-右辺>0.ただし,計算は,まともに通分すると大変なので,少し工夫が必要である。
 関連項目:9 不等式の証明(2) 証明法(T)

[解答]
 証明法は 左辺-右辺>0 であるが,少し計算に工夫が必要である。



15]
[解説]
 求める式の左辺の文字に着目し,与えられた条件式から対象となる文字を消去していく。
 関連項目:7 等式の証明 例題3

[解答]
(1) 条件式より,b2=1-a2, d2=1-c2 となる。また,ac+bd=0 より,ac=-bd. よって,a2c2=b2d2 となる。この式へ b2,d2 を代入すると,

右辺を展開して整理すると,a2+c2=1.
(2) a2+b2=1, c2+d2=1 を辺々加えると (a2+b2)+(c2+d2)=2. これより,(a2+c2)+(b2+d2)=2. ここで,(1)より a2+c2=1 なので,b2+d2=1.
(3) 題意より c2+d2=1,(2)より b2+d2=1 なので,この2式より,b2=c2. よって,b=±c となる。
・b=c のとき,ab+cd=ac+bd=0 (∵ 条件より ac+bd=0)
・b=-c のとき,ab+cd=-ac-bd=-(ac+bd)=0 (∵ 条件より ac+bd=0)
ゆえに,ab+cd=0.