§2 数 列

13 漸化式(3)

 B.3項間の数列の場合(解の累乗の数列)


[解法の仕方] 上式において,一般項 an を任意の定数 A に対し, an=Aαn0) とおくと,

となりαは,2次方程式 α2 - pα -q = 0 を満たします。したがって,もう一方の解 β (bn=Bβn0,αβ))も(2)式を満たすこととなります。よって,αβのとき,任意の定数 A,B に対し,

も(2)式を満たします(実際に代入し,確認してみましょう)。そこで,この解を求めるのですが,先に今までの方法とよく似た方法を紹介し,最後に簡易的な方法を紹介します。「あぁー,もういやだっ!」という声が聞こえてきそうですが,最初の解説はお話として知っておくだけで構いません。簡易的な方法は簡単なので,それまで,少々がまんして下さい。なお,αβ のときは,以下の方法で求めることは可能です。

 それでは,今までとよく似た方法を紹介します。
Step.1
 (1) より, x2 -px - q = 0 の解を,α,β (αβ)とします(このとき,解と係数の関係より,α+β=p,αβ=-q が成立している)。したがって,(1) 式は,

となりますので,この式を変形すると,

の2式を得ます。
Step.2
 上式(3)(4)のどちらを用いても同じ結果を得られますが,ここでは (3) を選んだと仮定します。そして,左のように辺々掛け合わますと,同じ項がありますので,それが消去され,

という関係式が得られます。
 この式は,2項間の漸化式となりますので,解くことが可能となります。



 しかし,この方法では解くことは解けても,解答を得るまでの精神力が持ちません。そこで,3項間の解が,

であることを利用し,次のように導くことができます。

 その前に,しばし休憩。右のアニメーションを見て下さい。右のグラフは,樹木曲線というもので,初期値を代入すると次々と,同じ式へ繰り返し代入していったものです。このアニメーションの場合,繰り返し回数10回としています。実際の木は,とても複雑な形をしていますが,このような方法を用いれば,それに似た形状を表現することも可能です。

例題1 次の関係式

によって定義される {an} の一般項を求めよ。
[解答] 
B.3項間の数列の場合(解の累乗の数列)[解法の仕方]より,A,B を定数,α,β を

なので,

の解としますと,求める一般項は,

となります。したがって,
Step.1
 2次方程式(6)の解を求めますと, となります。したがって,一般項 an を,

とおくことができます。
Step.2
 次に,この式が a1 = 1,a2 = 2 となるように,定数 A,B を定めます。そこで,上式へ,n=1, n=2 を代入し,左のように連立させ,定数 A,B を求めると,
 よって,求める一般項は となります。

 けっこう,簡単に求めることができるでしょう! この調子で,最後に練習問題を解いてみましょう。

練習問題1 次の関係式

    a1 = 1, a2 = 2, an+2 + an+1 - 2an = 0 (n1)

によって定義される {an} の一般項を求めよ。




 上の練習問題1は,2次方程式の解 α≠β でしたが α=β の場合はどうなるのでしょうか? この問題に関しましては,簡易的な方法では求めることができません(めったにお目にかかりませんが,おまけで追加しておくことにします)。

練習問題2 次の関係式

    a1 = 1, a2 = 2, an+2 - 6an+1 + 9an = 0 (n1)

によって定義される {an} の一般項を求めよ。
ヒント:t2-6t+9=0 の解を求めますと t=3 (重解). すると,与式は,
an+2 - 3an+1 = 3(an+1 - 3an)
と変形されます。





 これで,漸化式は「おしまい」と言いたいところですが,その漸化式でとても興味ある,有名な漸化式を次の章で紹介しておきます。