§2 数 列

6 等比数列の和

 この章では,前の章で学習しました等比数列をもとに,その数列の第n項までの和を求めることにしましょう。つまり,いま,初項 a,公比 r の等比数列

があるとき,初項から第n項までの和を Sn とすると,



を求めることにしましょう。「えっ! 求まっているじゃない?」と思うかもしれませんが,上の式に「……」と言う表現が使われていますので,言い換えると,「この『……』と言う表現を使わないで表現して下さい」ということです。

 これも,結構よく利用する方法(練習問題4を参照)なので覚えておくと便利です。まず,(1)式に着目し,(1)の辺々に r を掛けます。すなわち,

とします。そして,辺々ともに,(1)-(2)の計算を行ないます。すると,

となります。オレンジ色のところが,全く同じになっていますねっ! したがって,このことより という関係式を得ます。あとは,両辺を (1-r) で割り,Sn を求めればよい,と言いたいところですが…。r=1 のとき,左辺は 0 となってしまいますので割ることはできません(0 で割ることができないことの理由は,ここをクリックして下さい)。したがって,条件付きで割ると,

となります。では, r=1 のときはどのようになるのでしょうか? このとき,公比は 1 となりますので,(1)は,

となりますので,当たり前ですが r=1 のとき Sn=na となります。

 以上のことがらをまとめておきます。

 この式を利用して,いくつか例題を解いてみることにしましょう。注意すべき点は,ワンポイントにも書かれているように,末項の指数に紛らわされるところです。「和の指数部分は項数である」と覚えておきましょう。

例題1 次のような等比数列の和 Sn を求めよ。
(1) 初項 5, 公比 -2,項数 n
(2) 初項 -3, 公比 2,項数 6
[解答] 上の公式を直接利用すると,求めることができます。
(1) 公式において,a=5, r=-2 なので,

(2) 公式において,a=-3, r=2, n=6 なので,


 少し,ややこしいですが,次の問題は一般項が和の形になっている場合です。整理して,考えていきましょう。


例題2 数列 3, 33, 333, 3333, …… の第n項 an を n の式で表せ。
[解答] どこに,等比数列が隠れているのか,見つけるのに工夫が要ります。たとえば,第4項 an 3333 は

と書けますので,( )の中に,初項 1,公比 10 の等比数列が潜んでいます。したがって,第n項は

となります。ゆえに,

となります。

 では,練習問題にとりかかりましょう。

練習問題1 等比数列があって,その公比は 3,末項は 486,その和は 728 であるという。初項 a と項数 n を求めよ。




練習問題2 初項が 5,第3項が 20,第k項が 640 の等比数列がある。
(1) この数列の公比 r と k を求めよ。
(2) この数列の第6項 a6 を求めよ。
(3) この数列の第3項から第9項までの和 S を求めよ。   (東北学院大)




練習問題3 はじめの n 項の和が Sn=3n-1 で表される数列の一般項 an を求めよ。




 ここまできましたので,ついでにもう一つやっつけてしまいましょう。

練習問題4 数列 0,r,2r2,……,krk,…… の初項から第n項までの和 Sn を求めよ。 (関西学院大・社)




 いかがでしたでしょうか? 数学を行なうより,パズルを行なうような感覚で取り組んでいただけると良いと思います。ようは,我流でもよいので,規則を見つけそれを式で表現できればよいのです。


 等比数列の話題と直接関係ありませんが,右のパズルも昔からある有名な 数並べ問題です。中心にある 15 のゴンドラを 1 と 14 のゴンドラの間に入れ,右回りに 1,2,3,…,15 の順に並べて下さい。円周上で,横が空いているゴンドラをクリックすれば横にずれます。中心にあるゴンドラの移動は,初期状態において 1,6,11 のゴンドラの場所からだけ入れることが可能です。そのとき,change のボタンを1回押し,中心にあるゴンドラをクリックして下さい。あなたは,何回のクリックで完成させることができますか(最小回数を知らせて下さい)? 完成すると,何かが起こります。楽しみにして下さい。