§2 数 列

8 いろいろな数列(2)

 前の章で,

となることを学習しました。ここで,新しい記号 Σ

を導入します。この Σ は,ギリシャ文字の大文字で シグマ と呼び,「この記号の後ろに書かれた文字や数値を,k の値を変化(k=1,2,3,……,n-1,n)しながら加える作業」を意味します。すなわち, (1) より は,「k1 から n まで変化(k=1,2,3,……,n-1,n)させ,a1,a2,a3,……,an-1,an を加え合わせていきなさい」ということを意味します。なお,変化させる変数 k は i, j など,どのような文字を利用してもかまいません。この記号を用いて,最初に示しました3つの式の左辺を表現しますと,

となります。このように,ak のところには与えられた数列の一般項を記入します。したがって,最初に示しました3つの式は,

のように表現することができます。この3つの式は必ず記憶しておきましょう。




 この仕組みを,5項だけにしぼって,見ていくことにしましょう。左のアニメーションを見てください。下段のテキストフィールド(1)に1〜5までの整数を入力し,エンターキーを押してみて下さい。すると,上式の具体的な数列が現れてきます。また,(2)についても同様に1〜5までの整数を入力しエンターキーを押すと,下式の具体的な数列が現れてきます。理解を深めておきましょう。

 なかなか,慣れるまで利用しにくいかもしれませんが,自由自在に扱うことができるまでなるべく Σ (シグマ記号) を積極的に利用するように心掛けましょう。少し練習しておきます。

例題1 次の和をΣを用いずに,各項の和の形に書き直せ。

[解答] k を順に代入していけばよいわけです。

上の(3)(4)の解答において,どの程度詳しく書けばよいか迷います。このように途中の項を書くことができない場合は,

といった具合に,最初の2項と最後の1項を記述するとよいでしょう。また,例題1から分かりますように, という形になっていることに気がつきます。


 
 左のアプレットの3つの巻き物の上にポインタを置き,右へドラッグしてみて下さい。すると,Σの記号が書かれた式が現れてきます。その記号が表す式の意味を,すなわち,等号の右の部分の式を具体的に頭の中で想像しながら,確かめていきましょう。
 
 Σという記号は一見難しいように思いますが,要するに,右辺の「……」の部分を用いないで表現したものです。また,

を意味します。また,S は「(差分に対し)和分」という分野の記号を意味し,その S の上下をグイッと引き伸ばしたものが「積分記号∫(インテグラル)」となります。みんなつながっているのですネッ!

 この他,大切な Σ の性質がありますので,ここにまとめて証明しておきます。

[証明] まとめ6の証明を行なっておきます。

 特に,よく用いられる公式はWなので覚えておくとよいでしょう。それでは,まとめ1とまとめ2を用いて次の例題を解くことにしましょう。

例題2 第 k 項(一般項) ak=3k2-7k+4 である数列の第 n 項までの和を求めよ。
[解答] 途中の因数分解は,なるべく展開しないで共通因数をくくりだしていく方針で行きましょう。

ワンポイント



例題3 第 k 項(一般項) ak=3・2k-1 である数列の第 n 項までの和を求めよ。
[解答] 3・2k の部分は,等比数列となっています。

 それでは,最後に,いくつか練習問題を行なってみましょう。

練習問題1 次の数列の初項から第 n 項までの和を求めよ。

    (1) 5, 8, 11, 14, ……

    (2) 1, 2, 4, 8, ……

    (3) 3・5, 5・7, 7・9, 9・11,



練習問題2 次の和を求めよ。




練習問題3 次の数列の初項から第 n 項までの和を求めよ。

    (1) 9, 99, 999, 9999, ……

    (2) 1・n, 2・(n-1), 3・(n-2), ……, n・1




 このようにΣを用いれば,容易に和の形に書くことができます。しかし,そのあとの因数分解が少々ややこしいかもしれません。そのコツは,最初から展開するのではなく,共通因数をくくりだしていくことです。ただし,分数をくくり出すときは係数に注意しましょう。では,次の章ではもう少し複雑な数列の和を求めることにします。