§4 指数関数と対数関数
7.対数関数とそのグラフ
a>0,a≠1 とするとき,y=logax において,今まで xは固定していましたが,x を変数とみなしますと,関数となります。この章において,対数関数
y=logax のグラフを書くことにしましょう。
そこで,もう一度,対数の定義(←リンクしています)を見直すことにしましょう。指数と対数との間には,
という関係が成り立っています。これは,3つの数値
P,a,r の関係を表したもので,表現は異なりますが,同じ内容を言っています。
ここで,点 (r,P) が,関数 y=ax 上にあるとすると,P=ar が成り立ちます。これを対数で表すと,r=logaP となります。よって,点 (P,r)は,関数 y=logax 上にあることを意味しています。つまり,ちょうど,x座標とy座標が入れ替わったものとなっています。
このことより,関数 y=logax のグラフは,関数 y=ax のグラフについて,xとyを入れ替えたものとなります。
右のグラフを見て下さい。左上に書かれているグラフは,y=2x のグラフです。そして,それをもとにして,x座標とy座標を入れ替えたグラフが,右下のグラフとなっています。つまり,右下のグラフが,y=log2x のグラフとなっています。このことから分かるように,x座標とy座標を入れ替えることは,ちょうど,y=x
のグラフに対して対称になっている,よって,y=2x とy=log2x のグラフは,互いに y=x に関して対称となっていることになります。ここで,「E」という記号が登場していますが,これは,「exponential」と言って,「底を10とする」という意味を持ちます。つまり,E−5とは,10の−5乗を意味します。
対数のグラフは,x座標が 1 近辺のものが多いですが,左のzoom out
で分かるように,1を超えますとxが増加しましても,yの値がほとんど変化しない関数だといえます。
| 【使用上の注意】前述のアプレットが作動してい るとき,動きが悪くなります。停止ボタンを押し て,止めておいて下さい。 |
zoom out という左の図において,矢印のところにマウスを持っていき,ゆっくりと縦方向にドラッグしてみて下さい。グラフが,拡大したり縮小したりします。よく,拡大されたグラフは見かけますが,縮小されたグラフを見ますと,つまらないグラフとなりますね。
ではここで,対数関数の性質をまとめておくことにしましょう。
対数関数のまとめ
対数関数 y=logax に対して,
1.xの変化する領域(定義域)は正の実数,yの変化する領域(値域)は実数全体となる。
2.・ a>1のとき,単調に増加する。つまり,
x1<x2⇔logax1<logax2
・ 0<a<1のとき,単調に減少する。つまり,
x1<x2⇔logax1>logax2
3.対数関数は必ず,点 (1,0) を通る。
少々ややこしくなってきました。ようは,上のまとめ,単調増加であるか,単調減少であるか,底を見て判断するだけのことです。一度,例で確認しましょう。
例1 次の2つの数の大小をいえ。
[解答](1) 底は3(>1)なので,y=log3x はと単調増加関数なるから,真数を比較すると 7>6 なので,
となる。
(2) 底は
なので,
は単調減少関数となるから,真数を比較すると
なので,
となる。
いかがでしたか? 要するに,増加関数か減少関数か見分ければよいだけの話です。では,一つ問題を解いてみましょう。
練習問題1 次の3つの数を大小の順に並べよ。
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少し難しかったでしょうか? 最後に,対数方程式,対数不等式を紹介しておきましょう。対数不等式では,増加関数か減少関数かに注意します。
例題1 次の対数方程式,対数不等式を解け。
[解答]a>0, a≠1 のとき,logaa=1 であることを用います。
(1)
であるので,
となります。よって,
ゆえに,真数を比較しますと,
となります。
| ワンポイント 真数条件とは,対数の「真数部 分が正になる」ということです。ど うしてそのようになるかといいま すと,r=logaP ⇔ P=ar におい て,つねに,ar>0 なので,P>0 となるからです。 |
(2) まず,真数が正である条件(真数条件) x+1>0 より,x>-1 であることに注意します。次に,これも(1)と同様に変形を行ないます。そこで,
であるから,
となります。したがって,
となります。よって,底が,3>1 なので,
は増加関数なので,x+1>81.つまり,x>80 となり,これは真数条件
x>-1 を満たしているので,x>80 となります。
それでは,この例題をもと対数方程式,対数不等式の練習問題に取り組むことにしましょう。
練習問題2 つぎの方程式・不等式を解け。
できたでしょうか? 対数方程式や対数不等式では,
1.底が1より大きか⇔増加関数か減少関数か
2.真数条件を満たしているか⇔真数が正か
に注意するとよいでしょう。では,この単元はこれくらいにしておきます。次は,最後の単元です。ゆっくりと,前に進んでいきましょう。