§4 指数関数と対数関数
 
3.指数の拡張(3)
 
 それでは,次に,指数を有理数(分数)の場合に,広げていくことにします。やはりここでも,指数法則が成り立つように決めます。つまり,

有理数における指数法則(r>0,s>0,a0,b0)

1.ar・as = ar+s  2.(ar)s = ar・s  3.(ab)r = ar・br


において,r,s が有理数に対しても成り立つように決めることにします。
 
 T.正の指数 をもつ累乗 を決めます。
 上の指数法則が成り立つように決めますので,今,上の指数法則の 2 を用いることにより,

となります。これは, が am n乗根 であることを示しています。つまり,式で表しますと

と決めることにします。
 
 U.負の有理数 -r について,上の指数法則 1 を用いることにより,

とが成り立ちます。このことより,a-r を次のように決めます。

 以上のことより,指数が有理数のとき,次のように定めることにします。

指数が有理数のとき

a>0, m,n を正の整数,r を正の有理数とするとき,

      

と定めることにします。これから,a のことを,底(てい)と呼ぶことにします。


 これだけなら,分かり難いので,次の例で理解してみましょう。
 
例 次のような計算では,次のようになります。
 
 
 そこで,それぞれの表現が見て分かる右のような電卓で,いろいろな値を代入してみて下さい。利用方法を次に示しておきます。



【利用方法】
Step1. まず,を入力して下さい。(「てい」と呼びます)とは,ax について,x を「指数」a を「底」といいます。
 
Step2. 底を入力した後,「底」というボタンを押して下さい。
 
Step3. 次に,指数を入力して下さい。
 
Step4. 最後に,「指数」というボタンを押して下さい。

 いろいろと試して,どのような関係になっているのか体験してみて下さい。では,ここで,今までのことがらのおさらいです。次の練習問題にとりかかりましょう。
 

練習問題1 次のものを求めよ。

 

 
 

練習問題2 次の式を簡単にせよ。

 

 
 

練習問題3 次の値を求めよ。

 
 


 いかがでしたか? 計算が少しややこしくなっていますが,構造自体は簡単です。分数計算に注意して行えば,解答できます。
 
 最後に,指数が実数の場合が残っています。これは,

でありますから,a>0 に対して,

は,次第に一定の値に近づきます。そこで,その値を と定めることにします。このようにすると,指数が全ての実数においても定義することができます。
 
 次は,これらの性質を用いて,指数関数のグラフを描くことにしましょう。もう一度,決まりを見直しておいた方がよいかもしれませんね。