§3 積分法

7.定積分(回転体の体積)

 小学校や中学校で,

三角すいの体積



であることは,学習したと思います。その時,「どうして円すいの体積が,円柱の体積の3分の1になっているのか?」,また,「どうして球の体積は,このような公式で求めることができるのか?」不思議に思ったことがあると思います。その理由を今,解明することにしましょう。


 まず,高さ h,底面の半径 r の円すいの体積 V を求めることにしましょう。次のように考えます。

<Step1>
 左の図1を見て下さい。割り箸に直角三角形がついていて,そして,その割り箸をくるくるとまわしますと,図2のような円すいになります。このように回転してできる立体を,回転体と呼びます。この現象を利用します。



<Step2>
 上のことがらを,x-y 平面で考えることにしましょう。すると,高さが h であること,底面の半径が r であることから,x-y 平面では,直線 と 直線 x=h および x 軸で囲まれた部分を x 軸の回りに回転してできる立体と同じになります。





<Step3>
 さあ,ここで,前の章で学習した積分の考えたことがらを利用します。すなわち,求めたい立体を,細かい立体の集まりであると考えます。だるま落としのように,小さいだるまがいくつも集まっていると考えます。

 そして,その微小区間の体積を求めることにしましょう。






<Step4>
 この微小区間を,拡大した図が左の図です。上の立体において,x で切り目を入れるとその形は,円となります。したがって,この時,区間が非常に小さいので,この立体を円柱であると考えます。すると,この微小区間の高さは dx であることが分かります。では,底面の半径はどのように考えればよいでしょうか? この立体は,直線 に沿ってできていますので, となります。したがって,円柱の体積は,定面積×高さ ですから,微小区間の体積 dV は,

となります。

<Step5>
 あとは,お決まり通りこの微小区間を足しあわせます。そうですね。定積分を用いることにします。

 どうですか? やっている構造自体は,前の章で行なったことがらと同じです。この構造が分かれば,大変力強い味方となります。



 回転してできる立体を回転体と呼びました。そして,その性質は当たり前ですが,軸に垂直な切れ目を入れるとその断面は,円となります。右の図を見て下さい。

 上のテキストボックスに適当な数値を入れ,リターンキーを押して下さい。すると,3次曲線が現れ,その曲線を x 軸を中心に回転してできた立体となります。その図形上に,マウスを持っていきドラッグしてみますと,その立体が回転し,どのような図形になっているか,より理解を深めることができるようになっています。

 上の,円すいの場合ですと,そのテキストボックスに 0,0,1,0 と入力しますと,円すいの形が浮かんできます。それを,マウスを動かすことにより,回すことも可能ですので,確認してみて下さい。

 なかなか,内容が難しくなってきたと思います。このような図形で確かめながら,また,もう一度読み直し理解してみて下さい。やっているうちに,必ず,徐々に理解できることだと思います。焦りは,禁物です。ゆっくりと,ゆっくりとです。

 右の図で,テキストボックスに 0,0.5,0,0 と入力してみて下さい。これは,2次関数すなわち放物線です。これを,x 軸を中心に回転してできる立体はどのような形になるでしょうか? 確かめてみて下さい。そうですね。アンテナ,パラボラアンテナです。次に,その立体の体積を求めることにしましょう。考え方は,全く同じです。

例題1 放物線  と,直線 x=2 と x 軸で囲まれた部分を x 軸を中心に回転してできる立体の体積 V を求めよ。
[解答]



 考え方は同じです。微小区間の体積 dV を求めます。

 高さは dx,底面の半径は なので,

となります。次に,これらを足しあわせればよいので,

となります。いかがですか?

 このような考え方を用いて,次の練習問題を行なうことにしましょう。

  

練習問題1 次の図形を x 軸の回りに1回転してできる立体の体積 V を求めよ。

(1) y=x-x2,x 軸

  

(2) y=x2-4,x 軸

  



練習問題2 半径 r の球の体積を求めよ。

  



 練習問題2では,「どうして球の体積は となるのか」,という疑問に答えてくれています。積分を学習しないとその疑問が解けません。

 回転体の体積にはまだまだ応用があります。興味ある方はもっと深く学習してみて下さい。これで,積分を終わることにします。