§2 三角比


8.三角形の面積


次に,三角形の面積を三角比を用いて求めることにしましょう。三角形の面積は,みなさんもよく知っているように,

となります。要するに,面積を求めるには底辺高さが必要です。このことは,三角比を用いて三角形の面積を求める場合にも利用されます。では,実際,このことを三角比を用いて表すことにしましょう。
 



 右の図を見て下さい。まず,上の式を,記号を用いて表すことにします。△ABC の面積を S とすると,上式は

となります。この考え方を,底辺 AB が与えられ,高さCH」の代わりに「ACと角A」が分かっている場合に適応しますと,

となります。よって,鋭角の時も鈍角の時も高さ CH は AC×sin A となるので,

となります。このことは,他の2辺の組合せにも適応できますので,次のようになります。

 では,これらの式を用いて,三角比の面積に関係する問題に取り組んでいきましょう。
 
例題11 a=4,c=6,B=60゚ である △ABC の面積 S を求めよ。
[解答] 
 

練習問題11 次のような △ABC の面積 S を求めよ。
 

(1) a=4,b=6,C=30゚

  

(2) b=2,c=5,A=135゚



 
 このことが,これから行なう三角形の面積の応用問題の基礎となります。文字がローテーションしていますので,覚えやすいと思います。例題をあと2題行なっておきましょう。
 



例題12 a=4,b=3,c=2 である △ABC の面積 S を求めよ。
[解答]この問題では,挟まれた角が与えられていない代わりに3辺が与えられています。しかし,角度は求められなくても,正弦(sin)の値が分かれば,この問題は解けますよねっ! したがって,余弦定理を用いることにより,cosC を求め,そのことより sinC を求めることにしましょう。

どうですか? 「もう余弦定理を忘れた!」って方は,もう一度,余弦定理のところへ戻って下さい。(余弦へ)
 
 もう一つ,応用問題を解いておくことにしましょう。
 



例題13 隣り合う2辺の長さが a,b で,そのなす角が θ である平行四辺形の面積 S を求めよ。
[解答] 平行四辺形の面積は

ですね。この問題の場合,高さが与えられていない代わりに,異なる2辺とその挟む角が与えられています。よって,この2つのことがらより高さ h を求めることにしましょう。左の図より,一つの頂点より対辺に垂線の足を下ろしますと,h=b・sin θ となります。よって,

となります。これも,よく扱うことがらなので,覚えておくと便利でしょう。では,練習問題に取り組むことにしましょう。
 

練習問題11 次のような △ABC の面積 S を求めよ。
 

    (1) a=11,b=7,c=6

 
 

    (2) a=3,b=5,c=6 

 
 


 

練習問題12 台形 ABCD において

    AD//BC,AB=6,BC=7,CD=5,DA=3

であるとき,この台形の面積 S を求めよ。


 
 
 
 
 
 


 
 いかがでしたか。これら基本をしっかりと押さえておくことにしましょう。最後の問題は,少しややこしいですが,利用している事がらは,練習問題11とかわりはありません。次の章では,三角比関連の問題でやり残した問題を取り上げておきますので,ゆとりのある方はチャレンジしてみて下さい。