§4 確率
 
6.期待値

 数学Tの最後の章です。最後のゴールが見えてきました。といっても,マイペース,ゆっくりとゆっくりとあせらずにいきましょう。
 
 では,期待値について説明を始めることにしましょう。
 
 文化祭で,よく「くじ引き」や「ゲーム」を行ないますが,景品はすぐに決まっても,一回いくらにすれば損をしないか迷うことがあります。今,あなたがこのクラスの企画者となって,次のようなくじ引きを企画したとしたとき,一回の参加料をいくらにすれば,損をしないですむか,考えることにしましょう。
 

くじ引きの内容

条件1

 くじ引きの本数は100本とする


条件2

 賞金は次の額に相当するCD券とする



賞金

本数


1等

3000円

1本


2等

1000円

5本


3等

500円

20本


4等

0円

74本


 
 さて,このような企画が与えられたとき,一回のゲーム料金をいくらに設定すると,損をしないか考えることにします。それは,

となります。したがって,くじは全部で100本ありますから,100回のゲームが行われることになりますから,1回当りのゲーム料は,

となります。この180円は,1本のくじを引いたときに期待できる賞金の金額と考えられます。1本を180円とすると損はしないことになりますが,儲けを考えると,200円くらいに設定するとよいかもしれませんね。
 
 この2つの計算式(1),(2)を,一つにまとめることにしましょう。そこで,(1)の両辺を曽於くじ数 100 で割ると,次のようになります。

これは,また,次のように変形することができます。


 そこで,まず,客が当たりくじを引いたとき,出て行く金額の合計を計算することにしましょう。このように変形すると,次のことに気がつきます。

つまり,この式も期待できる賞金の金額を求める式と同じものとなります。上のような「くじ引き」などでは,主催者は,絶対に損はしないように企画します。したがって,ギャンブルでは平均して客が損をする可能性が大きいといえます。
 
 一般に,ある試行の結果によって,値 x1,x2,・・・,xn のうちのどれか1つが定まるとき,それぞれの値をとる確率をそれぞれ p1,p2,・・・,pn とすると,

が成り立ちます。
 

ワンポイント
は,expectation
の頭文字を使ってい
ます。


まとめ5
このとき,x1,x2,・・・,xn の各値に,それぞれの値をとる確率 p1,p2,・・・,pn を掛けて加えた値

を,これらの値の 期待値 または,平均 といいます。では,次の例で期待値を確認しておきましょう。
 
例題8 3枚の500円硬貨を同時に投げるとき,
(1) 3枚のうち表が3枚,2枚,1枚,0枚になる場合の確率を求めよ。
(2) 表が出た硬貨をもらうとするとき,その期待値を求めよ。

[解答](1) 
 



(2) 右の表をもとに期待値 を計算します。
 
 すると,

となります。
 
 このように,確率とその事象に対する値が分かれば,期待値を簡単に求めることができます。それでは,練習問題を行なうことにしましょう。
 

練習問題11 4個の白玉と3個の赤玉が入っている袋がある。この袋の中から同時に3個の玉を取出すとき,白玉の個数,および赤玉の個数の期待値を求めよ。
 

 
 

練習問題12 技量の等しい2人が,先に4勝した方が優勝するという勝負をする。引き分けはないものとして,試合数の期待値を求めよ。

 
 


 
 いかがでしたか。期待値の解答は,玉の個数や試合数といってもその解答は分数や小数となり不思議な感じがしますが,その値はあくまで目安と思って下さい。
 
 期待値の求め方は,まず値と確率の表を作り,その表をもとに式を作成すればよいのです。簡単ですね。
 
 これで順列・組合せより始まった,ものの数え方を終わることにします。少しは,ものをうまく整理して数える 数え方の参考になりましたか?