§4 確率
 
3.確率の計算(1)
 
 前章では,積事象に和事象などいろいろな確率用語が出てきましたが,それらを実際の例題を用いて説明していきましょう。
 
 まず,積事象和事象の説明からです。
例題3 1つのさいころを投げるとき,

とするとき,A,B,A∩B(積事象),A∪B(和事象) の確率を求めよ。



[解答] 集合の形で表現しますと,右の図のようになります。
 
 全事象 は,

であるから,P(A),P(B) はそれぞれ,

となります。また,A∩B(積事象) は,

となります。よって,和事象は,前章の確率のまとめ3より以下のようになります。

というようになります。このような問題ならば,図を見れば当たり前のように思えますが,問題によっては図で表現できない場合もあります。そのような時,まとめ3の関係式を用いれば容易に和事象を求めることが可能です。
 
 では,次に,排反事象 について説明することにしましょう。
例題4 3本のあたりくじの入っている10本のくじがある。これから2本引くとき,

とするとき,P(A),P(B),P(A∩B),P(A∪B) を求めよ。



[解答]このとき,事象 A と B は決して同時には起こりません。したがって,A∩B=φ となります。これを 排反事象 と言って,図で示すと左の図のようになります。排反事象のとき,P(A∩B)=0であることに注意しますと,

となります。したがって,P(A∪B) は,

となります。排反事象の性質には,このような特徴があります。
 
 最後に,余事象 の説明をしておきましょう。
例題5 a,b,c,d,e の5人が一列にすわるとき,a,b が隣り合わないですわる確率はいくらか。
 

確率体験コーナー



[解答]隣り合わない事象を,A とします。すると,その余事象 は,隣り合ってすわる事象となります。したがって,

といった具合になります。まともに,隣り合わない場合を数えたら大変です。
 
 これで,大まかな確率の概念と,確率でよく用いられる言葉の説明は終わりです。ここで,お遊びですが,右に確率体験コーナーを設けました。スタートをまずクリックし,順に矢印をクリックし,少年を進め,宝物を見つけて下さい。当たる確率はいくらになるでしょうか? 当ると少年が飛び上がります。
 
 ではとうとう,確率の練習問題の登場です。まず,基礎的な問題から始めることにしましょう。コツは,全事象と求める事象をうまく数え上げること(要するに,順列・組合せと同じ)です! 
 

練習問題1 a,b,c,d,e,f の6人の中から,くじ引きで代表3人を選ぶとき,次の確率を求めよ。
(1) その中に a が入っている確率。
(2) その中に a が入り,bがはいらない確率。
 

 
 
 
 
 

練習問題2 袋の中に赤玉が7個,白玉が5個はいっている。この袋の中から,3個取り出すとき,次の確率を求めよ。
(1) 3個とも赤である確率。
(2) 少なくとも1個白玉が取り出される確率。
 

 
 
 
 
 


 
 いかがでしょう。確率には,コイン問題,玉選出問題などいろいろな問題があります。次の練習問題は,練習問題2の発展系で,3色の玉が出てきます。うまく場合分けをして下さい。

練習問題3 袋の中に赤玉4個,白玉5個,青玉6個入っている。よく混ぜて4個取り出すとき,次の確率を求めよ。
 
(1) 4個とも同じ色である確率。
 

 
 

(2) 3個が同じ色である確率。



 
 この章はこれくらいにしておきましょう。確率といっても,前の単元の「順列・組合せ」とあまり変りませんね。要するに,うまく整理し数え上げることです。次の章で,もう少し練習することにします。