§4 確率
 
5.反復試行

 集合のお話から学習してきました「ものの数え方」もこの単元でようやく一区切りとなります。新しい単元といっても,今までのことがらを利用したものです。軽く乗りきっていきましょう。
 
 さいころを5回振る,コインを7回投げるというように 同じ条件のもとで,繰り返し行われる試行 反復試行 といいます。次の例で説明しましょう。
 
例 1個のさいころを5回投げるとき,2の目が2回でる確率を求めて見ましょう。



 5回の試行は,さいころを投げるという同一の試行ですから,2の目が出る確率は ,2以外の目が出る確率は となります。したがって,2の目が2回,2の目以外の目が3回出る確率は, となります。

 あとは,5回投げたとき,2回だけ2の目が出る出かたを考えます。表にしますと,右のようになります。合計10通りありますが,これはもう少し簡単に求めることができますね。5回のうち2回2の目がでますので,組合せの考え方を利用しますと, 通りとなります。よって,2回2の目が出る確率は,

となります。
 

問題生成機


 このように,2段階に分けて考えれば,分かりやすいかもしれません。左に,各自練習できる 問題生成機 がありますので,反復試行の問題の構造を学習して下さい。利用方法は,カッコ上でマウスを左クリックすると,入力可能な状態になりますから,そこへ,2桁の正の整数を入力し,リターンキーを必ず押して下さい。問題の文章の中の数値が変化することで確認できます。すべて,入力し終えますと,下の「解答開始」ボタンを押して下さい。うまく入力できていますと,解答が始まります。試行回数と,白玉の出る回数に注意して下さい。

 

まとめ4 (反復試行の確率)

同じ条件で繰り返し行なうことができるような試行で,一つの事象 A について,A の起こる確率を p とすれば,この試行を n 回行なうとき,事象 A がちょうど r 回起こる確率は,

nrprqn-r (q=1-p)



例題6 1個のさいころを5回投げるとき,次の確率を求めよ。
(1) 3回だけ2の目が出るとき。
(2) 1の目が2回以下出るとき。
 
[解答](1) 
(2) 
 
 ここで,正の数 p に対して p0=1 と決めてます(詳しくは,指数関数で紹介します)。上の例題1の(2)より5回中2の目が2回以下出る確率は 0.96 となり,ほとんどの場合で,このようなことが起こるといえます。もう一題,例題を挙げておきましょう。
 
例題7 白玉6個と赤玉3個が入っている袋がある。この袋から,玉を1個取出してもとに戻すことを5回行なうとき,白玉が4回以上出る確率を求めよ。
 
[解答] A:白玉が4回出る事象 B:白玉が5回出る事象 
とします。すると,事象 A,B は 互いに排反 となります。したがって,

であるから,求める確率 P(A∪B) は,

となります。
 

練習問題8 白玉4個,赤玉3個が入っている袋から,まず2個を取出し,もとに戻さずに,さらに1個を取出す。次の確率を求めよ。
(1) はじめの2個がともに白色で,かつ次の1個が白である確率。
(2) はじめの2個が同色で,かつ次の1個が白色である確率。
 

 
 
 
 
 
 


練習問題9 A,B,C の3人がじゃんけんをするとき,次の確率を求めよ。
(1) 2回続けてあいこになる。
(2) 1回目,2回目があいこで,3回目に1人だけが勝つ。

 
 
 


 
 どうですか? じゃんけん問題は,ややこしいですね。でも注意する点は,「あいこ」になるとき,全員が同じ種類を出すときと,全員が異なる種類を出すときとなる点です。最後に手強い問題に取り組むことにしましょう。

練習問題10 A,B 2チームが試合をして先に4勝したチームが優勝するものとする。各試合において A が B に勝つ確率は 0.6 で,引き分けはないものとする。
(1) 4試合目で A が優勝する確率を求めよ。
(2) 6試合目で優勝が決まる確率を求めよ。

 
 
 
 
 


 
 いかがでしたか。一挙に,このような考え方が身につくことは難しいことです。よく考えればそうかなあ と思うときは,具体的に数えていきましょう。さあ,次は,最後の内容の期待値です。