§1 2次関数

6.2次関数の最大値,最小値
 ここでは,1章の定義2で学習したように,関数の 値域の最大の値を 最大値 と呼び,最小の値を 最小値 と呼びました。そこで,2次関数 y=ax2+bx+c の最大値,最小値について考えてみましょう。

ワンポイント
a>0 のとき,なぜ最大値
がないかといいますと,
もし最大値が Q である
とすると,その時とる x
より大きな X があり,
その時の y の値の方が大
きくなるから,最大値であ
るということに矛盾するか
らです。


 今,2次関数 y=ax2+bx+c があるとき,そのグラフの頂点の座標を (p,q) とすると,

 a>0 のときx=p で最小値 q をとり,最大値はない
 
 a<0 のときx=p で最大値 q をとり,最小値はない

となります。それでは,これらの用語を用いて,次の例題を解くことにします。

例題9 関数 y=x2-2x-2 (0x3) の最大値,最小値を求めよ。
[解答]与えられた関数の値域を求めるため,グラフを書きましょう。すると,下のようなグラフとなります。次に,そのグラフの中に,定義域 0x3 となるところに印(色)を付け,それに対応するグラフ上のところにも印をつけます。すると,そのグラフ上に対応する値域を容易に求めることができます。上のグラフでいうと,ピンク色が定義域,それに対応するグラフ上の部分が赤,定義域に対応する値域が水色となっています。このとき,最大値・最小値は,値域において最大の値,最小の値となりますので,それぞれ順に,

となります。



 上のグラフにおいて,定義域(x軸上の赤い線分)をドラッグすることにより,値域を変化させることができますので,実験してみてください。

練習問題9 2次関数 y=x2-2x-2 に関し,上のアプレットを利用して,次の定義域における最大値と最小値を求めよ。


 具体的な問題に取り組むことにしましょう。例題10も2次関数の最小値の問題に帰着されます。

例題10 船Aは速さ 3m/秒 で東へ進み,船Bは 4m/秒 で北へ進んでいる。ある時刻に海上の地点Oから,Aは 300m 西,Bは 100m 北にあった。両船の間の距離が最小になるのは,この時刻から何秒後か。

利用後は,停止にしておいてください。



[解答]t 秒後,OとAの距離を x ,OとBの距離を y とすると,

となるので,2隻の間の距離 L は,

となるので,この関数の最小値を求めます。このとき,L2 が最小値となるとき,L も最小値となるので,L2 の最小値を求めるとよいので,

したがって,最小値は存在し t=20 (秒)のとき,2隻の最小となる距離は 300m となる。

練習問題10 幅 20cm の金属板を,両端から x cm だけ直角に折り曲げて,切り口が長方形状のといを作る。
 このとき,その断面積 y cm2 を最大にする x の値を求めよ。また,その断面積の最大値を求めよ。







 上の練習問題では,定義域が暗黙のうちに条件の中に含まれています。このように具体的な問題の中には,あえて条件が明示されていない場合がありますので,注意することが必要です。

 あともう少しグラフに関連した問題が続きます。今まで学習してきたことを,もう一度個人でまとめておくとよいかもしれません。次の章は,グラフと x 軸の関係です。