§1 2次関数

7.2次関数のグラフと方程式
 グラフと x 軸の位置関係について考察してみましょう。まず,2次関数のグラフ(2)(3)において,2次関数のグラフが x 軸と交点をもつとき,どのようにして求めることができるのか考察しました。ここでもう一度,交点の求め方について復習しておきます。今,放物線 y=ax2+bx+c (放物線とことわりがあるので,自動的に a0 となります)があるとき,

となります。したがって,このことを式で表すと,

となります。一般の関数についても言えるので,今後も登場しますので,覚えておくことにしましょう。

それでは,放物線 y=ax2+bx+c と x 軸との位置関係について調べていくことにします。

気楽に・・・



 実際,位置関係といってもみなさんが想像しているように,3種類しかありません。つまり,a>0 とすると,


に分類されます。現在,グラフを書かなければ,x軸とどのような位置関係になっているのか分かりません。できれば,グラフを書かずに,y=ax2+bx+c の係数 a,b,c だけを見ることにより,上の3種類のうちのどの状態になっているのか判別してみようということです。そのため,まず,@ABに書かれている条件を式に置き換えてみることにします。初めに,y=ax2+bx+c (a>0) の頂点を求めることにしましょう。少しややこしい変形ですが,右の式を見て考えてください。

 この式変形により,一般型の頂点は,

となります。この頂点のうち,y 座標の位置が問題となります。
 
 @の x 軸と2点で交わるとき,頂点の x 座標が x 軸より下方となるので,

という結果を得ます。これは,どこかで見た式ですね。そうですね。2次方程式で学習した 判別式 です。判別式をここでもう一度まとめておくと,

となります。つまり,放物線 y=ax2+bx+c において,ax2+bx+c=0 (a≠0) の解の種類と,放物線と x 軸との位置関係と以下のように,

密接な関係があることが分かります。これらのことを意識しながら,@ABの場合を見ていくと,右のようなことになります。


まとめ5 (x 軸との交点の個数)

 判別式

  D>0

  D=0

  D<0







x軸との交点

   2個

   1個

   0個

ax2+bx+c=0
の解の種類

 2つの異なる

実数解

重解

なし

(2つの異なる
虚数解)


 少々話がややこしくなってきましたね。なぜややこしくなってきたかと言うと,上の3つのことがらが,すべて同じことを意味しているからです。方程式の立場からみると「解の種類の判別」,グラフの立場からみると「頂点の位置(グラフとx軸の位置関係)の判別」となるのです。それらを判別するのに,判別式 を用いるのです。
 
 このことをまとめると,右の表のようになります。右の表では,a>0 の場合を表していますが,a<0 の時も,同じように考えることができます。

 それでは,これらのことがらを用いて次の例題を解くことにしましょう。

例題11 放物線 y=ーx2+2x+k とx軸との共有点の個数を調べよ。ただし,k は定数とする。
[解答] -x2+2x+k=0 の判別式を,D とすると,

となります。したがって,
(ア) D=4(1+k)>0 のとき,すなわち,k>-1 のとき,共有点は2個(2点で交わる)
(イ) D=4(1+k)=0 のとき,すなわち,k=-1 のとき,共有点は1個(1点で接する)
(ウ) D=4(1+k)<0 のとき,すなわち,k<-1 のとき,共有点は0個(交点なし)
となります。

ワンポイント
判別式Dは,ax2+2b'x+c=0
のように,x の係数が偶数
であれば,
  D/4=b'2-ac
となります。両辺4を掛ける
と,本来の判別式になること
が分かりますね。計算が少し
楽になります。

 
例題12 2次方程式 2x2-3kx+18=0 が重解をもつように,定数 k の値を定めよ。
[解答]与式の判別式を D とすると,重解をもつための条件は D=0 なので,

 ではここで,上の表を参照にしながら,次の練習問題を解いてみましょう。

練習問題11 放物線 y=-x2+2x-k+1 とx軸との共有点の個数を調べよ。ただし,k は定数とする。


練習問題12 放物線 y=x2-kx+2k+5 とx軸と接するとき,定数 k の値を求めよ。また,その時の接点の座標を求めよ。




 2次関数 y=ax2+bx+c について,これまでの学習した事がらを利用しますと,係数 a,b,c の符号についていろいろなことが分かります。それらをまとめますと,左のようになります。

 いかがでしたか。あと,残すは次の章の「2次不等式」だけです。がんばってのりきることにしましょう。