§1 2次関数

8.2次関数のグラフと不等式
 さて,2次関数のグラフも大詰めの最後の章となりました。今までのところ,理解できたでしょうか。

 今回は,2次関数のグラフを2次不等式の解法に役立たせることが目標です。それでは,説明を始めることにしましょう。

 2次不等式には,次の4種類があります。

これらの解について,y=ax2+bx+c のグラフを見ながら,考えていくことにしましょう。 一つの不等式について,考え方を学習すれば,他の場合にも適応されますので,@を例に考えていくことにします。

 「ax2+bx+c>0 を解く」と言うことは,一体どういう意味か考えます。これは,

ということを意味します。ここで,y=ax2+bx+c とおきますと,

ということになります。そして,これをグラフを用いて説明することにします。下のグラフを見てください。

2次関数のグラフy=ax2+bx+c(a>0)と不等式



 グラフが,x 軸の上方より移動していきます。このとき,

を調べてみましょう。

 たとえば,2次関数 y=ax2+bx+c (a>0) において,
 
[T] x 軸と交点をもたないとき
y のとる値はすべて正 となります。したがって, ax2+bx+c>0 を満たす x の範囲は,「すべての実数」となります。
 
[U] x 軸と点 (α,0) 接するとき,
x=α のとき y=0 ,その他の実数に対して a>0 なので,y の値はすべて正 となります。したがって, ax2+bx+c>0 を満たす x の範囲は,「x=α を除くすべての実数(このことを x≠α と書きます)」となります。
 
[V]x軸と2点 (α,0),(β,0) で交わるとき,
a>0 なので,α<x<β のとき y<0 となるので, ax2+bx+c>0 を満たす x の範囲は,「x<α,β<x 」となります。

 これを上の,アニメーションで確かめてみましょう。右のボタン(1)を押してみてください。該当する定義域がグラフの中のx軸上に,その範囲(解答)がボタン下に順次変化してゆきます。他の場合も同じなので,それぞれのボタンを押してじっくり調べてみてください。

 以上のことがらと,前の章で学習した「グラフと判別式」との関係をまとめておくことにします。

となります。a<0 についても各自考えてみましょう。ではここで,例題を解きます。
 
例題13 次の不等式を解け。

[解答] @ 左辺=(x-3)(x+1)<0 となりますので,-1<x<3.
 
A 左辺=2(x2-2x+1)=2(x-1)2>0 となります。したがって,左辺の2次関数のグラフは,x 軸と点 (1,0) で接することになりますから,x≠1(x=1を除くすべての実数)となります。
 
B 2x2-x+6=0 の判別式を D としますと,D=1-48=-47<0 となり,x 軸と交点をもちません。したがって,x2 の係数が正であることより,2x2-x+6<0 を満たす x の範囲は存在しません。ゆえに,解なしとなります。
 

のんびりと,のんびりと



例題14 2次不等式 x2-kx+2k-3>0 の解が,すべての実数であるとき,定数 k の値の範囲を求めよ。
[解答] これは表の右端のグラフを目標に,条件を見ていきます。
 「x軸との交点はもたない」ことより,
 
(ア) x2 の係数が正であることは満たしている。
 
(イ) x2-kx+2k-3=0 の判別式を D としますと,

とならなければなりません。これを解きますと,(k-2)(k-6)<0 ととなりますので,

以上のことより,求める k の範囲は,2<k<6 となります。
 
 いかがでしょう。上の表はとても利用しやすいので,ぜひ覚えておくことにしましょう。では,2次関数最後の練習問題です。

練習問題13 次の2次不等式を解け。
  @ -3x2+x+20 A 5x2-8xx2+4x-9 B 3x2+4x2-3x


練習問題14 2次不等式 -x2+(k+1)x-k2<0 の解が,すべての数であるとき,定数 k の値の範囲を求めよ。


練習問題15 すべての実数値 x に対して,x2+ax が 3x-a より大きくなる(等しいときも含む)ように定数 a の値の範囲を求めよ。ただし,a は実数とする。



 これで,2次関数は終了です。これらのイメージを基礎に,気がむけばてもとにある問題集にチャレンジしてみてください。各自の学習のお役に立てれば幸いです。