§2 微分法
7.関数の増減・極値とグラフ
今まで平均変化率を出発点とし,その極値を微分係数と呼び,そこから導関数,接線の方程式と発展してきました。しかし,基本になることがらは,すべて,微分係数は「与えられた点における接線の傾きである」ということです。
次に,このことがらを利用して,いろいろなグラフを書いてみましょう。
いろいろなグラフを書こうと思いますが,そこでみなさんグラフを書く上において最低限必要な事柄は何だと思いますか? いろいろとあると思うのですが,少なくとも,すべての x の値を関数の中に代入して描く人などいないでしょう。要は,
ということが分かれば,そのグラフの概形を描くことができます。
下のアニメーションを見てください(何度も繰り返しますのでじっくりと見てください)。
y=x3-6x2+9x-3のグラフ
赤い直線は,関数の曲線上の各点おける接線を表します。ここで着目してほしい点は,
(a) 関数の値の変化する様子
(つまり,yの値の変化する様子ですね)
(b) 接線の傾きの符号
(つまり,微分係数 y’ の符号です)
です。上の2つのことがらに着目し,もう一度,アニメーションを見てみましょう。
ただ単に,同時に接点と微分係数の値を縦にならべただけでは見にくいので,xの値と,微分係数y’と,関数値yの値を表にまとめてあります。それを見てください。xが刻々と変化すると,それに伴い接線の傾き,および,関数の値が変化しているのがよく分かります。このような表のことを「増減表」と呼びます。
そこで,y’の変化する様子と,yの変化する様子を比較すると,次のような関係があることに気がつきます。
特に,y’の符号が「+ → ー」に変化する点を「極大」,そしてそのyの値を極大値といい,「− → +」に変化する点を「極小」,そしてそのyの値を極小値といいます。極大値と極小値をまとめて,「極値」といいます。
この事をうまく用いて私たちは,グラフを描くことができるのです。つまり,大まかな手順は次のようになります。
では,実際に上のアニメーションで扱った y=x3-6x2+9x-3 のグラフの増減表を書いてみましょう。右の表のボタン「次へ」,というところを押してください。それを見ながら,作成して行きましょう。
Step1.まず,増減表の枠を作ります。
Step2.次に,導関数 y'=0 となる x を求めます。この場合だと,導関数は y'=3x2-12x+9=0 となります。因数分解を行うと 3(x-1)(x-3)=0 より x=1,3 が求まります。
Step3.これを表のようにうめます。と同時に,区間 x<1,1<x<3,3<x も記入しておきます。
Step4.次にx=1 と x=3 のときの,y' と y の値が求まりますから記入します。
Step5.それぞれの区間 x<1,1<x<3,3<x における y' の符号を求めます。この方法は,求めた導関数 f'(x) の中に区間内の数を適当に代入することで求められます。たとえば, x<1 における y'の符号を調べましょう。 x<1 を満たす数であれば何でもよいのですから,x=0 を代入してみましょう。y'=9>0 となりますので「正」,1<x<3のときはx=2 を代入してみましょう。y'=12-24+9=-3<0 となり,y'の符号は負となります。それらを,増減表へ記入していきましょう。
Step6.それらが求まれば,あとは簡単。関係2より,微分係数が「正」であるとき y は増加し,微分係数が「負」であれば y は減少する。
となります。これらを理解した上で,もう一度グラフを見てください。
では,これらのことをもとにして,次の例題を行ってみましょう。
例題1 関数 y=x3-12x+4 について,極大・極小を調べ,そのグラフをかけ。
[解答]導関数 y' を求めます。y'=3x2-12 より y'=0 となる x を求めると,x=2,-2 となります。したがって,増減表は次のようになります。
極大値は,x=-2 のとき 20
極小値は,x= 2 のとき-12
グラフは右の図のようになります。
練習問題1 次の関数の増減,極値を調べ,グラフをかけ。
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(1) y=x(x+2)2
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(2) y=-x(x-1)2
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(3) y=x3-3x2-9x+2
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(4) y=x3-x2-x+1
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このほか,極値の問題に関して,いろいろな問題があります。それらの問題に関しては,補充問題で話題にしたいと思います。とりあえず,ここでは,「導関数を用いてグラフを書く」ということに的をしぼりました。次の単元では,このグラフを用いる問題にチャレンジしてみましょう。