§2 微分係数と導関数
5.導関数
 4.の例題2の(2)で学習したように f'(0)=-5, f'(-1)=-7 となりました。このように,同じ関数の微分係数を求める場合には,いちいち計算しなくても,

とすると,自分の求めたい微分係数をすぐに求めることができます。

 たとえば,f(x)=x2-3x+4 ついて,f'(-1),f'(0),f'(1),f'(2) の値を求めるようなとき,

  となります。

 これから,f'(a)=で,aをいろいろの値をとる変数のようにあつかうので,aの代わりに 変数x を用いて,f'(x)=2x-3 と書きます。この関数のことを,f(x)の導関数といいます。つまり,「a」の代わりに「x」になっただけの話です。「a」とすると,定点という感じがしますから,「x」を用いることにより変数であることを強調したのです。

 ワンポイント:関数f(x)の導関数f'(x)の求め方



また,関数 y=f(x) の導関数を表すのに,f'(x) のほかに次のように表すことがありますから,覚えておきましょう。

上の例であれば,これらの記号を用いると次のようになります。

 このように,xの関数からその導関数を求めることを,その関数を「xについて微分する」といいます。

例題1 上の事柄を用いて,関数 f(x)=x2-4x+3 について,f'(0),f'(3),f'(-1),f(10)を求めよ。
[解答]
 関数 f(x)=x2-4x+3 をxについて微分します。

よって,導関数 f'(x)=2x-4 のxの中に,x=0,3,-1,10を代入しますと,

となります。

 今までいくつか「lim」を用いることにより,導関数を求めてきましたが,何か気がついたことはないでしょうか?  感のよい人は,もう気がついているでしょう。そうです。次のような規則があります。

となっています。一般に,関数 f(x)=xn の導関数 f'(x) は,f'(x)=nxn-1となります。詳しい証明は,教科書を参考にしてください。ただし,ここでは,関数 f(x)=c (cは定数) と,関数 f(x)=x の導関数は求めておきます。

例題2 関数 f(x)=c (cは定数),および,関数 f(x)=x の導関数を求めよ。
[解答]
関数 f(x)=c の導関数は

関数 f(x)=x の導関数は,

 この単元で,新しく学習した内容をまとめておきます。

となります。注意してください。また,関数 y=f(x)+g(x) y=f(x)-g(x) の微分は,それぞれ,

となります。{式}'という表現は,「中括弧の中の式を特定の文字(上の場合だとxとなります)で微分しなさい」という意味です。つまり,項がいくつあっても,一つ一つ微分すればよいということです。「放課後の数学」のコンセプトは,あくまで易しく証明が気になれば教科書を見ておいてください。あくまで「気軽に」をモットーに。他にも下のような公式がありますから紹介しておきますが,これも例題を行いながら「ああ・・・,こういうことか」と納得してもらえば,それで構いません。

ここら辺りで,例題を行いましょう。

例題1 次の関数を微分せよ。

[解答]
(1) 公式Uより別々に微分します。したがって,

となります。理解できましたか。では,次の問題です。

(2) これも(1)と同様に考えてみます。

(3) 少し公式の,利用の仕方が分かってきたでしょうか? 

というようになります。

練習問題1 次の関数を微分せよ。

練習問題2 k,l,m,p,q,rを定数とするとき,次の関数をxについて微分せよ。

練習問題3 次の関数を,[ ]内に示された文字について微分せよ。

 どうでしょうか,できましたか?。それでは次の単元で,微分係数がどのような意味を持つのかという根本的な問題に戻ります。この調子でがんばってください。