§2 微分法
8.微分法の応用
 今まで学習した事柄を利用して,方程式 f(x)=0 実数解の個数を調べてみよう。やはりここでも,グラフを用いて調べてゆきます。出はさっそく例題で見てみましょう。

例題1.実数 a を定数とするとき,x についての方程式

の実数解はいくつあるか。a の値によって分類して答えよ。
[解答]
 与えられた方程式は一つですが,まず上の式を a = -x3+3x2

y=-x3+3x2 と y=a のグラフ


と変形します。次に,右辺と左辺と別々に分け,二つの関数

としてその交点の個数を調べ,次のような手順で考えてゆきます。

この場合ですと次のようになります。もっと詳しく言うと,

ある実数 a が与えられたとき,x3-3x2+a=0 を満たす解 x は,

ので,実際,x の値は分からなくても,その個数と解の符号は分かるということです。

(a) a>4 または a<0 のとき 交点の個数は1個
(a>4 の場合,交点の x 座標の符号が負であることから,解の符号は負となります。また,a<0 の場合,交点の x 座標の符号が正であることから,解の符号は正となります。)

(b) a=4 または a=0 のとき 交点の個数は2個
(a=4 の場合,交点の x 座標の符号の1つが負であること,2つ(接点)が正であることから,解の符号は1つが負,2つ(重解)が正となります。また,a=0 の場合交点の x 座標の2つ(接点)が0であること,1つが正であることから,解の2つ(重解)が0,1つが正となります。)

(c) 0<a<4 のとき 交点の個数は3個
(この場合,交点の x 座標の符号の1つが負であること,2つが正であることから,解の符号は1つが負,2つが正となります。)

 上の方法のほかに,x3-3x2+a=0 の解は,y=x3-3x2+a のグラフにおいて,x軸との交点となることに着目すると,その交点の個数が解の個数と一致します。このことより, y=x3-3x2+a のグラフを増減表を用いて書き,a の値によってx軸との交点がどのように変化するか調べてもかまいません。上の方法と同じ結果がえられます。一度試してみましょう。

練習問題1 3次方程式 2x3-3x2-12x+a=0 が異なる正の解2個と負の解1個をもつような実数 a の値の範囲を求めよ。


練習問題2 方程式 4x3-6x2+1=0 の実数解の個数およびその符号を調べよ。


練習問題3 2曲線 y=2x3-3x2 と y=-x2+2x+a が異なる3点で交わるような a の値の範囲を求めよ。




 これで,微分法の基礎はできましたので,微分の最後の単元でいろいろな問題にチャレンジしてみましょう。数学が苦手に思う人は,初めのイメージがなかなかできないことだと思います。自分なりに,アニメーションを見ながら自分のイメージをもつようにしてみてはどうでしょうか? 分からないところ,不明確なところがあればメールで送ってください。では次の項目でお会いしましょう・・・。