§2 微分法

3.平均変化率と微分係数(その2)



 前の事柄を,数学的な記号を用いて表現してみましょう。行う内容は,今までと同じです。つまり,ある区間における変化の割合を考え(平均変化率),そして,その区間を小さくとることにより,基準点における変化率を求めようということです。
 



 図のような放物線y=x2があります。この時,区間AHにおける平均変化率を計算してみましょう。

であるから,次のような値になります。

途中でΔx(デルタエックス)やΔy(デルタワイ)という記号が出てきましたが,これは,変化の量を表すのによく用いられるもので,気にしなくていいです。「Δ」という文字は,ギリシャ文字で英語の「d」とよく似ています。英語の「distance(距離)」の頭文字と考えてもいいでしょう。

 この変化率は図形的に見ると,点Pと点Qを結ぶ直線の傾きを表し,また,区間AHにおけるyの変化する量の平均とみなされます。

 では,点Aでの変化量を求めます。そこで点Aを基準とし,区間AHを狭くしてゆくことにしましょう。右の図を見てください。今度は,点Qの座標が,


(1+h,(1+h)2)となっています。それは,hがどれだけの距離か分からないからです。よって,区間AHの距離をhとします。点Qの座標が,文字となっただけです。怖がらないで,思い切って使ってみましょう。

 そこで,今までやったように,まず,区間AHにおける平均変化率を求めます。それから,区間を狭く(hを限りなく0に近づけて)してゆきます。

となります。分子は,h・(2-h)と因数分解されるので,結局,分母のhで割り算を行うと

となります。もう一度思い出してください。hというのは,区間AHの距離でした。区間を狭くすることが目的なので,hを0に近づけてみましょう。そうですね,0を代入してみますと2となり,何と先のページで出てきました,接線の傾きとなっています。

 数学では,何でも記号で片づけることがあります(ここが数学の苦手な人にとって苦労するところ)。「hを0に近づけて」という言葉は記号を用いるとと書き,続いて対象となる式が書かれます。limというのは,limit「リミット」で極限ということを表しています。その値のことを,極限値といいます。平均変化率の極限値は,2でその値を微分係数といいます。最後に,今まで行った一連の経過をこのlimを用いて表すと,次のようになります。

 では次に,このことを用いて,いろいろな数学の問題を解いてゆきましょう。次のページで・・・。