§2 微分法
2.平均変化率と微分係数(その1)
先の単元で学習したように,新幹線「のぞみ号」の速度のように,ある区間が与えられたときの「平均速度」と「瞬間速度」との関係について,求めたい点における瞬間速度は,その点を基準に区間を狭めてゆけばよいことを学習しました。
次に,このことをグラフ y=x2 について数学的に考えてみよう。下のグラフを見て下さい。
ここで,関数y=x2のxに対するyの変化の割合について調べてみよう。つまり,xが変化した量に対するyが変化した量の比を考えます。といっても,与えられた関数が曲線であるため,少し工夫を要します。
基準となる点をP(1,1),少し離れた点をQ(2.6,6.8)とします。そして,区間AH間のy=x2の平均の変化の割合を求めます。この時,y=x2は曲線ですが,直線とみなして考えます。ちょうど中学のときに学習した,「直線の傾き」に似ています。今,区間AHにおけるxに対するyの変化の割合を考えていますので,特にその割合のことを「平均変化率」と呼びます。つまり,区間AHにおける直線PQの傾きを区間AHにおける平均変化率といいます。実際それを求めてみますと,次のようになります。
言いかえると,直線PQの傾きは3.6であるといえます。これはあくまで,区間AHの平均的な変化の割合といえるものです。先の単元でいうと,家から海までの平均速度と同じものと考えてください。そこで,先の単元同様,区間ではなく点Aにおける変化の割合を求めることができないか考えることにします。
これも,区間を徐々に狭めていくことにします。点Aを基準とし,点Hを限りなく点Aに近づけていくことにします。その変化の割合がどのようになるか,上のアニメーションの横に書いてあります。
変化の割合をよく見ていると,区間がとても狭くなると平均変化率は次第にある一定の値(上の場合だと2)に近づいていくのが分かります。この値のことを,点Aにおける微分係数といいます。では一体,この微分係数にはどのような意味があるのでしょうか?
アニメーションの左のグラフを見てください。直線PQが限りなく1点Aだけで交わる直線に近づいていることが分かります。その直線のことを,点Aにおける接線と呼びます。つまり,点Aにおける微分係数は,点Aにおける接線の傾きといえます。
次に,これらのことを,数学記号を用いることにより表現してゆくことにしましょう。